インクの色味を落ち着かせる | おおはしひろと

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こんばんは。
今日は、朝からの量産の仕事が15時終わり、小休憩の後、次の別の仕事を始めるというスケジュールでした。

印刷機のパーツを変えて、インクを調合して、印刷が再開されるのですが、15時半から始めても、17時まで、約1時間半。

このような短い時間での作業時間の場合に、困ることがあります。

それは、インクの色が落ち着く前に、タイムオーバーになってしまうのです。

白色や黒色といった、調合をしない色なら問題ないのですが、たいがいの色は、攪拌(=かき混ぜる)が完了するまでに、数分かかるものです。

製版の中で、スキージーとインク返しが、数分間にわたって、繰り返し往復して、インクが攪拌されると、最終的な色に落ち着きます。


上部に見える薄いグレーが、壺の中のフレッシュなインクの色で、中央部にあるのが、スキージーとインク返しの往復で、なじんだ色味です。

インクの色味で、これほど違うのですから、容器に印刷しても、相当な色の違いが出ます。

インクの経時変化(=時間の経過によって発生する変化)なので仕方ないです!という言い訳は通用しないので、インクが馴染むまでは、量産を開始できません。

インクの色が落ち着くまでに、時間がかかるということを知らずに、刷り出しでの色味でスタートしてしまうと、数分後には相当にかけ離れた色味になってしまうので、なかなか難しいものです。

上記の経時変化だけでなく、希釈溶剤の揮発による変化もあるので、インクの管理には細心の注意が必要です。

希釈溶剤の揮発を主要因とする色ブレ(=濃い薄いの振れ)については、多くのお取引先さまから、ある程度の範囲での色のブレを認めていただいております。

インクの特性をしっかりと把握して、ヒューマンロックによる印刷ミスを撲滅していこうと思います。

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