特に、試合慣れしているとか、試合で強い方のテニスを見ていると、ああやっぱり違うなぁとおもうことがあります。

ボールを打つのに、苦労していない。


追いつくのにゆとりがあるんですね。


相手が打ったボールに対して、さっと身体の置き場所を決めて、で楽にボールを打つ体勢をつくる。

これの文章での表現は難しいなぁ…

ヒッティングスキルをあげる練習として、課題のラリーを行うことがあります。
バックハンド同士のラリーや、アレーだけを使ったラリーとか、スピン対スライス、ネット上に張ったロープの上だけ、あるいは下だけを使ってボールを通すとか、まあいろいろとやってきたわけです。

で、特に序盤はうまくいかずにボールがバラけます。

しかし、こういった課題に慣れてくると、どこをどう落ち着けたらそれをやり続けられるかがわかってくるもので、課題が変わっても意識することは一緒。


ワタシの場合、「腰を落としてしっかりボールに合わせよう」ということを思い出すととたんに精度が上がる。

これまでテニスが上達してきた段階で、その場所に狙いをつけて打てないことはなかったわけで、それはテニスのレベルによらず、そこを狙って打ってみる、というシチュエーションは必ずあったはずです。


それを連続して何度も打ち続けなければいけないというプレッシャーと、ただ手先だけで狙って打てる一発と、確実にそこに打てる腰の落ちたショットとは、打つ前の準備の段階ですでに違っていると思います。


向こうから迫ってくる、時速数十キロのボールと、自分がスイングをして迎えにいくラケットとの衝突が、ボールを打つという行為(そんな難しい書き方でなくてもわかるか)

そのときの衝突の強さと、ラケットフェースの向き、スイングで与える力の方向がボールの飛んでいく方向を決定付ける要素です。

ですので相手がどれだけの強さでボールを打ってきたかも大きな要素になるので、決まった形(素振りのような一様なスイング)をするだけではきっとちゃんとコントロールすることにはならない。


ただし、自分の手で意識するフェースの向きは、打つ前からすでに形を保っておいて、この形のまま打点に出していけば方向は間違いないだろうというものはなければならない。


・・・やっぱり難しいな。

打点の入り口ではボールに必要以上に強く当たることはなくてよく、スイングの出口に向かって力を入れていくように意識すると、ボールを押してフォロースルーでコントロールするようになると思います。

思ったようにボールをコントロールできない人のなかには、この力の入れる順番?を間違って認識している人も多く見られます。

サーブのスイングもそうですが、野球のバッターのスイングも、ボールと接触するポイントがもっともヘッドスピードの出るところになると、ボールのスピードを出しやすい。
野球スイング



ところが、テニスのストロークのスイングは打点のはるかむこう、スイングの長さで言うと打点のあと、80cm~1mくらい先がトップスピードになるところでいいと思います。
テニススイング

動作解析の画像を見れば分かることですが、連続した軌跡を写すと、打点よりもそこから加速して肩の前くらいがもっとも軌跡の間隔が広くなる。
ボレーでも、スイングの量(長さ)は少ない(短い)ですが、同じようなことがいえます。

ようするに、テニスのスイングは丁寧にラケットに当てて、押し出す力でコントロールを加えるスイングだということが分かります。それを一瞬で行う。そしてそれをより速く、強いスイングでできる人のボールは速くても確実な強烈なショットになっていくのです。


あせってボールを打ちにいって、早くラケットを振らなきゃ、という感じで打点に入っても、いい球(狙い通りのコントロール)にはなりません。

わりとゆっくり入っていいと思います。相手のボールのスピードにもよりますけど、「間に合えばいいんでしょ」的な準備で、スタンスをきっちり作ってしっかりフォロースルーを取る。

ボールは打てればそれでいい訳で、狙い通りに打つのが最大の目標でいいと思います。

テイクバックがどうで、フットワークがどうで、というのはその動作を最高のパフォーマンスにするための手順でしかない。それだけに大事なんですけど。

だからといってそこが完璧だから狙い通りに打てるわけではない。ボールが速いのにテイクバックを十分に取っていたら振り遅れるんじゃないの?っていうこと。フットワークもステップワークに気を取られるのは本末転倒。リズムを合わせて、踏み込むタイミングを合わせることでスイングのきっかけを作ってくれるのがフットワーク。

そこの基礎はたっぷり鍛えて、ラケットを振って狙ったところへボールを飛ばすことに専念できるようにしておけばいい、ということが言いたいのです。

・ボールの後ろに準備をセットすること。それで打ち出す方向を自由にしやすくなります。
・目が狙いの方向を向くより、ラケットとスイングの方向を優先すること。それは横向きの基本をまもることになると思います。
・打った後の動作へスムースにつなげられること。体重移動はスムースに行うことです。

その形を簡単に作れる人ほど、ボールを打つことだけでなく、相手やゲームの局面を見ながらコントロールできる人だと思います。

考えて打て!とか狙って打て!とかってこともありますが、手に感触をつけていって、手が記憶しているその感覚がボールのコントロールにもっとも直結するところ。

一様に打っていては、手のひらにある多くの神経を使い切っていないかも知れませんね!

当てる

叩く

擦る

潰す

押す

切る

負ける

などの感覚が、ラケットを通して手のひらに伝わってくる感触の種類の主なものだと思います。

ホントはこれを積極的に自分のスイングや力の入れ方として使えるといいんですけど、相手のショットに思わず手が出て、受動的にそういう当たり方になって、手に感触だけ残していく、というところから覚えることが多いのかも知れません。

地面すれすれでやっとラケットに当たったら、フレームにあたって鋭く回転がかかり、ネットをぎりぎり越えたボールがバックスピンで戻ってきちゃったこととか、経験のある肩もいるのでは?

現実に狙って「戻るほどのバックスピン」を打つとなると相当難しいと思います。

ラケットを振るのに、身構えた形になればなるほど、器用に打つ形とは遠くなる。とくに、先に力んでしまうような格好だと、それだけで相手にも打つボールの想像をさせてしまうことになるかも。

かといって、狙い通りにボールを打つには、動作の前に決まった所作をおこなって成功させるためのフォームを作らなきゃならない。

矛盾しているような感じ?です。

問題になるのは「立ち方」です。

準備している段階で、ニュートラルに近い状態でいることと、若干重心をさげて、ひざをやわらかく保つことで、対応の柔軟性が出てきます。

スイングのきっかけは体重移動ですから、重心を真ん中にして突っ立っていていい、というわけではありませんが。。。

いまから力を入れるべき方向に対して、ボールがそこ(打点)に来るまでにきっちり準備しておく、ということです。

手の中で、ラケットヘッドがどこにあり、スイートスポットがどの辺で、フェースがどっちを向いているか、という情報は感知し続けておくべきですし、ラケットの重さはヘッドの重さを感じているよりは、その全体の重さをグリップの位置でつねに意識しておくこと。

手の動きが、ラケットの動きにうまくリンクするようにするには、ヘッドを回してラケットを扱うよりもグリップのほうから手を動かすとラケットがついてきてくれる、という感触を使ったほうがいいことが多いです。

とくに「押す」とか「潰す」といった感覚は、手首を使ってしまうと軽くなってコントロールする力も弱くなります。しかもボールを打つときにはそれらを複合して使うことのほうが多い。擦りながら押し上げる、とか、切るようにしながら短く落とす、というようなときに、一様な力の入れ方ではボールのコントロールは悪くなってしまいます。

何度もボールを打って、手に「このくらいの加減で」という感触を覚えさせることで、ボールを打つ前に狙い通りのボールを打つ準備をしやすくします。

その感触のための準備から、その通りのスイングをすることこそ、自分のフォームを作る大きな要素になります。

トップスピンを打つには、先に面を伏せ気味に準備するとか、スライスを打つ前にヘッドを立てるとか、そうしないとそっち方向にスイングを始められない。そこから練習した手の感触を頼りに、ボールのどの辺にどうやってラケットの入り口を作って出口へ抜いていくかは迷わずに一気に行くしかありません。

さて、何種類、使えるでしょうか?

テニスには技術の習得も必要ですが、『術』を使うことを覚えると便利なんです。

『術』にはいろいろあって、ボールをうまく見る術、ラケットがぶれない術、相手のボールを自分の思惑通りにはめる術・・・等があります。

ワタシはすでに、「やらしいボールを打つ人」というイメージが皆さんの間に定着しているようでして、コレもまあ『術をつかう』ということをやってくる人、というように解釈すれば、まあ褒められてるんだろうなと思うようにしています。

テニスがうまくなりたいときに使う術は、私にとってはボールをうまく見る術を使うってことです。

ワタシはあまり男性的な、強烈なボールスピードやスピンをかけられるわけではなく、そういったショットをうまいこと受け流して生きて来た、というスタイルのテニス。

強いボールを打つことにあこがれていたこともありますが、あるとき完全にあきらめて、それでもミスをしないで勝つ方法をさがそうと思ったところからこの術を使うことを思い立ち、その修練に明け暮れたハタチの夏でした。

その時に一番最初に思ったのは、相手の強いボールをいかに平然とコントロールして返すか、ということでした。そのボールが速いと思うからどうしても力んだりするし、心理的に慌てたような対応になり、つい甘いボールが返っちゃうので、上手な人同士を見ているとそこで慌てたようなそぶりがない。あれはいったいどうやってやってるんだろう、と気になったんです。

その速いボールを見慣れてる

それよりももっと速いボールでラリーした経験がある

ボールが遅く見える世界がある

と②は、もう経験しているんだけど自分がつい慌ててしまうのに抵抗できなくて悩んでいるので、すがるように③の世界があることを信じることにしました。

そしたら、あったんです。同じスピードのボールを、遅く見る術が。

それも簡単なんです。ラケットを素早く引いてしまって、『もういつでもスイングできるんだけどボールが遅くてまだ来ない』という状態を作る。

そのためにはフットワーク。反応の一歩を出来る限り早めて、横を向いて自分のスイングできるエリアをボールが通るようにして待ち構えます。

来たらラケットを合わせればとりあえずミスをしないで返せる率が上がります。

合わせるだけでは自分のボールに勢いはつきませんが、フォロースル―をしっかり取ってボールを押し出すようにすると、狙いの方向にコントロールする感覚ができてきます。

ここから先は何本そういうボールを返して成功させてるかにかかるので、経験を積まないとどうしても習得できないエリアですが、基本はそれをいかに確実にいつもこなせるようにするか、ということです。

で、よおく考えると、上級者がみんなやってる(できている)ことだって気付きました。

テニスのうまい人は何気なくそれをこなしているのかもしれませんが、そうでない人が『いつか一生懸命練習していればああいう風になれる』と信じているとすれば、そんな漠然としたものよりも『そこをクリアすれば上級者のエリアに片足くらいは突っ込める』という気持ちで具体的に練習に取り組めると思います。

上級クラスを担当していても、テニス歴のながい、よく鍛えられた動きの上級者と、運動神経とかセンスのよさと球の速さだけでそのクラスにいる人の違いははっきりわかります。

きっとワタシ自身がその基本を動きの約束事項として身体にクセがつくまでやったから、それが見えるようになり、今のレッスンにも生きているんだと思います。きっとコーチをしている人はみんなそうなんじゃないかな。

いろんな術がありますが、それを使うとボールを打つこととか、試合に勝つことが簡単になるアイテム、ということになると思います。自分で見つけられると、やっぱり自分の物になるのに時間が少なくてすむのでしょうね!