テニスには技術の習得も必要ですが、『術』を使うことを覚えると便利なんです。

『術』にはいろいろあって、ボールをうまく見る術、ラケットがぶれない術、相手のボールを自分の思惑通りにはめる術・・・等があります。

ワタシはすでに、「やらしいボールを打つ人」というイメージが皆さんの間に定着しているようでして、コレもまあ『術をつかう』ということをやってくる人、というように解釈すれば、まあ褒められてるんだろうなと思うようにしています。

テニスがうまくなりたいときに使う術は、私にとってはボールをうまく見る術を使うってことです。

ワタシはあまり男性的な、強烈なボールスピードやスピンをかけられるわけではなく、そういったショットをうまいこと受け流して生きて来た、というスタイルのテニス。

強いボールを打つことにあこがれていたこともありますが、あるとき完全にあきらめて、それでもミスをしないで勝つ方法をさがそうと思ったところからこの術を使うことを思い立ち、その修練に明け暮れたハタチの夏でした。

その時に一番最初に思ったのは、相手の強いボールをいかに平然とコントロールして返すか、ということでした。そのボールが速いと思うからどうしても力んだりするし、心理的に慌てたような対応になり、つい甘いボールが返っちゃうので、上手な人同士を見ているとそこで慌てたようなそぶりがない。あれはいったいどうやってやってるんだろう、と気になったんです。

その速いボールを見慣れてる

それよりももっと速いボールでラリーした経験がある

ボールが遅く見える世界がある

と②は、もう経験しているんだけど自分がつい慌ててしまうのに抵抗できなくて悩んでいるので、すがるように③の世界があることを信じることにしました。

そしたら、あったんです。同じスピードのボールを、遅く見る術が。

それも簡単なんです。ラケットを素早く引いてしまって、『もういつでもスイングできるんだけどボールが遅くてまだ来ない』という状態を作る。

そのためにはフットワーク。反応の一歩を出来る限り早めて、横を向いて自分のスイングできるエリアをボールが通るようにして待ち構えます。

来たらラケットを合わせればとりあえずミスをしないで返せる率が上がります。

合わせるだけでは自分のボールに勢いはつきませんが、フォロースル―をしっかり取ってボールを押し出すようにすると、狙いの方向にコントロールする感覚ができてきます。

ここから先は何本そういうボールを返して成功させてるかにかかるので、経験を積まないとどうしても習得できないエリアですが、基本はそれをいかに確実にいつもこなせるようにするか、ということです。

で、よおく考えると、上級者がみんなやってる(できている)ことだって気付きました。

テニスのうまい人は何気なくそれをこなしているのかもしれませんが、そうでない人が『いつか一生懸命練習していればああいう風になれる』と信じているとすれば、そんな漠然としたものよりも『そこをクリアすれば上級者のエリアに片足くらいは突っ込める』という気持ちで具体的に練習に取り組めると思います。

上級クラスを担当していても、テニス歴のながい、よく鍛えられた動きの上級者と、運動神経とかセンスのよさと球の速さだけでそのクラスにいる人の違いははっきりわかります。

きっとワタシ自身がその基本を動きの約束事項として身体にクセがつくまでやったから、それが見えるようになり、今のレッスンにも生きているんだと思います。きっとコーチをしている人はみんなそうなんじゃないかな。

いろんな術がありますが、それを使うとボールを打つこととか、試合に勝つことが簡単になるアイテム、ということになると思います。自分で見つけられると、やっぱり自分の物になるのに時間が少なくてすむのでしょうね!