3月10日。チベットの民族蜂起記念日にあたり、日本国内での動きを検索したが東京以外には出て来ない。
2012 チベット・ピースマーチ・イン・ジャパン(3/10)
http://freeasia2011.org/japan/archives/649
http://www.tibetancommunity.jp/?p=357(在日チベット人コミュニティー)
広島市牛田東の龍蔵院デプン・ゴマン学堂日本別院まで足を運んでみた。中国総領事館の誘致がもっとも心配される二葉の里再開発地区を見下ろす位置にある。
小さな境内はひっそりと静まり返って誰もいない。こちらに気づいたチベット僧シャンパさんが、お茶を持って出てきてくださった。
http://www.mmba.jp/zurde/about
(写真右から二人目)
3月10日なので来ました、と自己紹介するが、残念ながら日本語が通じず、彼らの世話をしているという方にケータイで連絡を取ってくださった。
彼は次のように話してくださった。
「寺では政治活動はしない。チベット自治区などに家族を残してきており、人質に取られているようなもの。日本ではホームページなどに顔を出しており、非常に目立つのですぐわかってしまう。家族がどこにいるかを特定するのは簡単で、日本で政治運動などをすれば、危害が及んでしまう。宗教的な活動と政治活動とは一線を引いている。」
チベット人の置かれている立場は、世界中で絶望的だ。誰も助けてくれない。自国の独立はおろか迫害をやめるよう訴えることさえ、現在は中国領となっている本国であれ、亡命地であれ、国連前であれ、世界のどこであれ、死を覚悟しなければならない。
国際平和拠点、広島県は「国の専管事項」と言って責任を回避、広島市も沈黙を守り、
http://ameblo.jp/consulate/entry-11168023011.html
国会議員として、もっともチベット問題に取り組んできた、経済産業副大臣の牧野聖修氏(チベット問題を考える議員連盟 代表世話人)からは、メールを受け取ったという返事さえ来なかった。3月10日が心配だとメールを差し上げているのだから、もう来ないだろう。
http://ameblo.jp/consulate/entry-11180350294.html
3月10日。案の定、中国国内では武装警官がチベット人を銃殺、
http://www.epochtimes.jp/jp/2012/03/html/d90987.html
国連前では、3月10日でハンガーストライキが始まって15日が経過しているが、国連が声を上げる気配はなく、
http://www.ntdtv.jp/ntdtv_jp/society/2012-03-09/976887876232.html
3月10日。ネパールでは、19人が拘束された。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120311/chn12031100300000-n1.htm
はっきりした抗議の声は、ダラムサラの亡命政府、ロブサン・センゲ首相から出されたものぐらいだ。
http://mainichi.jp/select/world/news/20120311k0000m030058000c.html
世界中が、中国に配慮してチベットを見殺しにする道を選んでいる。日本の場合、このままでは、チベットと同じ運命を辿る可能性がある。いや、必ず同じ道をたどるだろう。中国共産党政府の日本に対する敵意は激しく、侵略の意図は明らかだ。すでに日本は自国の主権を行使できなくなっている。足がすくんで何も言えない。
3月10日、中国全人代では、「南京大虐殺否認罪」を制定するよう提案が行なわれた。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2012031000350
「(立法を通じて)われわれは河村を代表とする一部の日本右翼分子に対する強烈な威嚇を行わなければならない」のだそうだ。
何が何でも日本を虐殺者に仕立て上げたい。日本人は絶対に大量殺戮の犯罪者でなくてはならない。こうして謝罪を要求し、日本の主権を削ぎ落とし、国力を弱めさせていく。
奇しくも、3月10日は東京大空襲の日でもある。日本が無差別殺戮の対象となった日。犠牲者の数は10万を超えた。チベット人虐殺との違いは、東京大空襲は歴史になったが、チベット人の虐殺数はすでに東京大空襲の10倍を超え、今もなお進行中だということだ。
さらに、日本人にとって東京大空襲は日本国内の、チベット人虐殺は他の国のことでありながら、現在の日本に対し、より鋭く警鐘を鳴らしているのは、チベット人虐殺という出来事の方である。
日本政府や国民が中国に対し異を唱えないということが、他の国が声を上げないこととは意味が異なるということに気がつかなければならない。日本は侵略の対象となっている。共産党政府にロック・オンされている。もう逃げられない。中国共産党と対峙しないということは、唯々諾々と奴隷になるということだ。
チベット人は先が見えない絶望的に思える状況でも、自らの身を呈する気概を示している。国を思う気持ちは賞賛に値する。かつての日本人も同じ精神を持っていた。
今の日本人はどうか?チベット人のたとえ 1/100 でも抵抗することができるか。
自問せずにはいられない。