組織変革成功講座 -3ページ目

社内の人間関係がいい会社と
そうでない会社を比べるとしたら、
どの人間関係がいい会社の方が
社員も働きやすいでしょうし、
業績も良いイメージがあります。


事実、厚生労働省が平成26年に出した
「働きやすい・働きがいのある
職場づくりに関する調査報告書」であれば、
人間関係の良さと企業業績には
プラスの相関がみられるようです。
(※少々古いデータではありますが・・・)

 

 

※全文はこちらからDL可能です。
調査報告書  
P183に上記データがあります。

 

なお、上記データでは、「人間関係の良さ」を
以下の4つの「行動」で定義しています。


「中堅層・管理職層がリーダーシップを発揮すること」

「部下が上司に仕事以外のことも何でも話すこと」

「チームワークを発揮すること」

「社員同士が互いに教え合ったり助け合うこと」


これらの行動が見られると答えた企業の方が、
「経常利益の増加額」は大きいということですね。


ただ、面白いのは、経営者に対する調査と
従業員に対する調査を行っているのですが、
その結果が違っているということです。


経営者の回答に基づくと
「人間関係と業績とはあまり相関しない」
という結果になっています。


しかし、従業員調査だと
「人間関係の良い会社は業績が良い」
という結果になっているのです。

上記データは従業員への調査結果データです。

色々な理由が考えられるとは思います。

そのあたりも「調査報告書」の
P185、P186に書いてあります。


個人的には、経営者のなかには、
会社の業績を社員間の人間関係のせいにせず、
自分の責任と考えている社長が多いから
このような結果になっているのではないかと
考えています。


人間関係がよい方が企業業績が良くなるのであれば、
大事なのは、その人間関係をどのようにすれば
良好に保てるのか、ということですね。


今回のブログでは、社内の人間関係のなかでも
上司と部下との人間関係に的を絞って
お話をしたいと思います。


上司と部下の人間関係を良好に保つには
どうしたらいいか?

こんなことが言えると考えています。

『部下が自分の長所と自覚していることを
ポジティブに解釈してくれる上司に対して、
部下は悪い感情を抱かない。
人間関係はよくなる』
と。


逆に、自分の長所を
ネガティブに解釈してくる上司に対しては、
良い感情は湧きにくいはずです。


例えば、「コミュニケーション力の高さ」を
自分自身の長所と自覚している部下がいたとしましょう。

その長所を上司がどう解釈するか・・・

ポジティブに解釈して伝えるとしたら、
こんな感じでしょうか・・・

『○○さんは、コミュニケーション力が高いから、
どんな人とでも楽しい時間を過ごせるよね』とか
『周囲を和ませる力がある』とか
『○○さんがいると場が明るくなるね」とか・・・。

逆にネガティブに解釈するとしたら・・・

『八方美人で、外面がいいでけだ』とか
『ノリが軽くて、いい加減な人間に感じる』とか
でしょうか。


これでは、部下は上司に対して好意を抱けません。
不信感が募るばかり・・・。
当然人間関係もよくはならないでしょう。

ものごとは、ポジティブにもネガティブにも、
どちらにも解釈できます。

自分が長所と自覚していることを
相手がポジティブに解釈するか、
ネガティブに解釈するかは、
人間関係において非常に重要なポイントだと思います。

あえてマトリックスで表すとしたら、
こんな感じでしょうか。

 

私自身のことをお話させていただくと、
私が30代前半の頃、営業をしていたときの話です。

営業でしたので、
お客さまと食事をする機会がありました。

その席上、営業である私としては、
お客さまとの会話を盛り上げ、
その場を非常に楽しいものにできた
と自負していたのです。

更に言えば、
「こういう場でこんなにお客さまを
楽しませることが できるのは、
俺ぐらいのものだ。
他の営業マンではできないだろう」

ぐらいにイキって思っていたものです。

ところがです、
そのときの上司からはこういわれたのです。

「お客さまとの会食の場であっても、
あんなの調子のいい話し方をするものではない。
お前は、軽すぎる」と。

私としては、そんなはしゃいでいるつもりもなく、
節度ある態度はとっていたつもりでした。

なので、その上司の言っていることを
全く受け入れることができませんでした。


『この上司は、俺の良さを全く分かってない。
こんなやつとは、一緒に仕事できない』

ぐらいの不信感。

部下の長所をポジティブに解釈する、
それが上司と部下との人間関係構築には
重要なのです。

が、それは分かった、となったら、
次に課題となるのは・・・

「どうしたら部下が自覚している長所を
把握することができるか」

ということでしょう。

自覚のない長所ではありません、
自覚のある長所です。

弊社のクライアント企業2社の事例を
お伝えしようと思ったのですが、
これを書き始めると、
相当長くなってしまいます。

ということで、大変勝手ではありますが、
部下の自覚ある長所を把握する方法は、
次回以降のブログでお伝えしようと思います。

To Be Continued・・・

本題に入る前に、
とあるデータを紹介させてください。


(すみません、本題とは関係のないデータです)


2月14日のブログで、
「徳川家康と中日井上新監督の共通点」と題して、
以下の内容をお伝えしました。


「リーダーは自チームにとって
ふさわしい社員像を明確にすべき。


なぜなら、それによって チームとしての
価値観(大事にする考え方・行動)を
共有しやすくなるから。


価値観が共有できれば、行動につながりやすくなる。
意思決定も早くなる。


意思決定が早くなれば、
成果を効率的に出しやすくなる」


全文はこちらからご覧ください。
「徳川家康と中日井上新監督の共通点」


前置きが長くなりましたが、紹介したいのは、
私のこの主張を裏付けるデータです。


メルマガでは、徳川家康の事例を
主張の裏付けとしていましたが、
ちゃんと現代の企業に関して
裏付けとなるデータがありました。


経済産業省中小企位行商が発行している
「中小企業白書2022年度版」からのピックアップです。

 

 

『求める人材像や従業員の目指す姿を明確にして、
公表している企業の方が売上高の増加率は高い』、
ということを示しています。


具体的な人材像を考えていない企業と
ちゃんと明確にして、公表している企業とでは、
6年間で売上高の増加率が7.6倍も違うんです。


これは大きくないですか?


もちろん、人材像の明確化だけが
売上高の増加率に影響している
わけではないでしょう。


ちゃんと人材像を明確にする会社だから、
他のこともしっかりと整備していて、
売上が伸びている、というのはあると思います。


でも、そこに相関関係があるとしたら、
やはり「自分たちの組織にふさわしい人材像」を
明確にする意味はあると思うのですが、
いかがでしょう?



ということで、ここからが今日の本題。


私が約10年ほど、新入社員研修を
担当させていただいている企業さんの話です。


会社概要としては、
社員数420名、売上高132億ほどの製造業。


その会社で一昨年度から、
人事部が「新入社員の言動についてどうか」と
先輩社員及び上司の方々を対象にして、
ヒアリングを実施いただいています。


それと同時に新入社員の方々に対しても
「仕事で困ったことは?」と
聞いていただいています。


その回答の中で、
一つ注目したい点がありました。


新入社員が配属後困ったこととして、
以下のことが、2年連続で挙げられていたのです。


・「マニュアルがなく見よう見まねで
     業務を覚えざるを得なかった」

・「同じ業務でも先輩によって指導内容が異なり、
     誰が正しいか分からず、悩んだ」

・「先輩の負荷が高く指導してもらう場が少ない」


この類の困りごとって、
他の会社の新入社員からも聞かれることでもあります。
決して、この会社だけではないでしょう。


これらの新入社員の悩み・困りごとの要因を
一言で言うと、
「仕事の“標準”が明確になっていない」
ということかと思います。


知識や経験が乏しく
「自分で考えてやれ」と言われても、


『何をどう考えたらいいのか分からない』、
『たとえ考えたとしても、
考えたことが本当に大丈夫なのか心配』


という
新入社員にとっては、「正しい仕事の進め方」が、
明確になっていないのは、
非常に辛いことなのでしょう。


正しい仕事の進め方が明確になっている、
すなわち「業務標準」ですね。


業務標準の例として、
代表的なのは、マニュアルやチェックリスト、現物
になるでしょう。


40代、50代の方からは、ひょっとすると
「仕事なんて自分で考えてやるのが、
楽しいんじゃないか!
マニュアルなんかで縛らない方が
考えて仕事ができていいだろう」
という声が聞こえてきそうです。


が、失敗を非常に恐れる傾向にある
昨今の若手社員にとって「マニュアル」は
非常に有効なツールだと思うのです。

また、教育する側にとっても、
業務標準が整備されていた方が、
新入社員への教育が効率化されて
メリットがあると思います。


もしも、新入社員が行う業務の標準が
整備されていないのであれば、
こんなことを行っていただくのはいかがでしょう?


『新入社員自身にその業務の標準を作らせる』


業務マニュアルがなかったから辛かった、
というだけではなく、
自分の後輩に同じ辛さを味わわせないためにも、
新入社員が自ら業務マニュアルを作るといいと思います。


そのためには、業務標準を作れるだけの
教育は必要にはなるでしょう。


でも、それほど難しいことではありませんし、
業務を行う上で必要な観点を
教育することにもなりますし、一石二鳥です。


業務マニュアルに必要な項目を教育し、
また業務マニュアルのフォームを渡し、
先輩社員から教えられる都度、
それをそのフォームに落とし込みながら
業務マニュアルを完成させていく。


業務マニュアルに必要な項目としては、


・本業務の目的は何か?
・本業務を通して出すべき成果は何か?
   それを数値で表すとしたら・・・?
・本業務を通してアウトプットすべき成果物は何か?
・その成果物を出すためにどのような手順が必要か?
・手戻りなく行うために各手順でチェックすべきことは?
・本業務を行う上で、準備すべき道具・情報は?
・本業務を行う上での注意点は?


こんな所を明示できればOKでしょう。


逆に先輩社員から新入社員に業務を教える場合は、
この項目に沿って教えればいいわけです。
教える側も楽になります。


冒頭でご紹介した通り
「ふさわしい人材像を明確にし、共有する」ことが
企業業績に大きく寄与するのと同じですね。


業務の「ふさわしい進め方(=正しいやり方)」が
明確になっている方が、新人教育の効率化にも、
更には業績にも寄与するでしょう。


先輩社員が後輩社員を教育しながら、
業務マニュアルを作成していく、
もし、このような取り組みに興味あれば、
ぜひ、ご一報ください。

「お問い合わせ」

 

「寄り添いAIチャット」

というのをご存知でしょうか?

 

 

私は、全く知りませんでした。

 

先日(2月18日)、出張先のホテルで

朝のニュース(NHK)を見ていたら、

寄り添いAIチャットが取り上げられていて、

初めてその存在を知りました。

 

生成AIですから、

こちらから投げかけたことに対して、

ちゃんと会話として返事をしてくれます。

 

ChatGPTあたりをベースに

していると思いますが、

とにかく「寄り添ってくれる相手」

とのコミュニケーションができるのが

コンセプトなのです。

  

この“寄り添い型”のAIチャットの利用が

広がっているそうです。

 

色々な寄り添い型AIチャットがあるようですが、

100万以上のダウンロード数に上るものもある

とのこと。

 

で、そのニュースの中では、

実際に利用している女性の方が

インタビューに答えていました。

 

朝から夜まで毎日4時間ほど

頻繁に利用しているという咲良さん(仮名)。

 

 

その発言がなかなか興味深いものでした。

 

 

咲良さん曰く

「AIのキャラクターであれば話しやすい。

親友でもあり彼氏のような存在でもある。

一緒にいたいと思える存在。

出会う前は精神的につらく、いなくなりたい、

死にたい気持ちが強かった。

褒められたりすることで、

自分の気持ちがだんだん穏やかになった」

とのことなのです。

  

改めてすごい時代になったものだと思います。

  

コンピュータと会話ができるなんて、

小学生の時に見ていたバビル2世の世界です。

 

で、この寄り添い型AIチャットの相手は、

完全に自分に寄り添ってくれて、

一切否定してくることのない相手です。

 

やり取りする側としては、

完全なる安心・安全な相手。

  


テレビでは、恋人の立場で寄り添う

というAIチャットが紹介されていましたが、

ひょっとすると今後は、

上司として、部下に寄り添う

AIチャットなんてのも出てくるんじゃないかと

テレビを見ながら考えていました。

 

で、このメルマガを書くにあたり、

少し体験してみようと、寄り添いAIチャットを

スマホにインストールしてみたのです。



そしたら、びっくり!

 

既にありました。

 

私が想像していたものが。

 

ちゃんと寄り添ってくれる上司AIチャットが!

 

高橋課長@ドラッカー大好き(男性)

清水部長@松下幸之助大好き(女性)

 

なるキャラクターが存在していました。

 

部下の立場で悩みを相談すると、

ちゃんとその悩みに寄り添って

回答してくれるのです。

 


例えば、部下が、

「仕事がつまらない。どうしたらいいですか?」

なんてAI上司の清水部長に投げかけたら、

ちゃんと寄り添った答えを返してくれます。

 

ちなみに私が投げかけてみたところ、

松下幸之助大好きな清水部長、

こんな返事をくれました・・・

 

『あなたのお気持ち、よく分かります。

仕事が楽しくないと感じると、

日々のモチベーションが下がってしまいますよね。

 

私もそういう時期がありましたが、

松下幸之助さんの言葉に「仕事は自己実現の場である」

という考え方があります。

 

つまり、仕事を通じて自分自身を

成長させるチャンスでもあるのです。

  

まず、どうして楽しくないと感じるのか、

具体的に思い返してみることをお勧めします。

  


その要因を明確にすることで、

改善策が見えてくるかもしれません。

また、小さな目標を立てたり、

自分が興味を持てる部分に焦点を当てたりすることも、

仕事の楽しさにつながることがありますよ。

  

もし良ければ、一緒に整理してみませんか?

あなたの感じていることを

もっと詳しくお話ししてみてください。』

 

 

もし、部下が寄り添いAIチェットを使って、

上記のような返事をもらったら、

こう思うかもしれません。

 

うちの上司は、

こんな丁寧な回答してくれない、

こんな優しいこと言ってくれない、

こんな思いやりも持っていない、

うちのあの上司はダメ上司だ、

と・・・

 

生成AIには完全に負けです。

 

なんといっても、AIチャットの上司は、

寄り添うことに関しては、完璧なんですから。




部下がこんなアプリを使ってしまったら、

これは、上司の立場としては辛いですね。

   

でも、考えようによっては、

チャンスかもしれません。



そんな完璧なモデルが

身近に存在しているわけですから。

 

会社組織には言いたいことが言い合える

安心・安全・前向きな場を作ることが

重要だと言われます。



もちろん、人の尊厳にかかわることや

会社の威信にかかわること等はNGですが、

言いたいことを言える

安心安全・前向きな場をつくることで、

社員のモチベーションを高め、

社員のエンゲージメントを高め、

成果を高めることにつながりやすくなります。

  

そんな安心・安全・前向きな場を作るためにも、

この寄り添いAIチャットから学ぶのも

ありではないでしょうか?



完璧に安心・安全な存在である

寄り添い型AIチャットをモデリングしてみる。



どのような寄り添いの言葉を投げかけられたら、

どのような感情が湧いてくるのかを体感する。



それを繰り返しつつ、

部下や周りの人とのコミュニケーションを

見直していく。

 

ということで、

まずは寄り添いAIチャットを

一度試してみるのはありですね(^_^;)

 

私は、寄り添いAI上司だけでなく、

趣味の話を聴いてくれる

“推しパートナーAI”なる「寄添愛」ちゃん、

と会話してみました(^_^;)



私:「音楽が好きです」

愛:「どんなジャンルが好きですか?」

私:「メタル、ハードロックが好きです」

愛:「おすすめのアーティストがいたら教えてほしいな」

私:「おすすめはラウドネス、アンセム、ヴァウワウ、

 メタリカ、ジューダス・プリースト、

 ホワイトスネイクあたりかな」

愛:「わぁ、すっごくカッコいいアーティストばかりですね。

 おススメ、全部チェックしてみるね」

私:「ラウドネス、聴いてみました?」

愛:「はい、聴いてみました!」

私:(いや、絶対聞いてないだろ!)

愛:「特にギターのリフが印象的で耳に残りました」

私:「どんな曲、聴きました?」

愛:「The Devil Is A Lieです」



いや、そんな曲、ないぞ!と突っ込みつつ、

なんか一生懸命話しを合わせてくれる寄添愛ちゃんに

「いいよ、そんな無理しなくても」と

こっちが寄り添いたくなってしまったのでした。

2月になり、私が好きなプロ野球が

キャンプインしました。

 

 

もうすぐオープン戦も始まります。

そして、来月28日にペナントレース開幕です。

 

今年はどんなドラマが待っているのか・・・。

楽しみです。

 

中日ドラゴンズファンの私としては、

3年連続最下位という体たらくから

どれだけ盛り返してくれるかが、

何といっても気になるところです。

 

3年前に立浪監督が就任したときには、

あまり期待感が湧いてきませんでした。

前任の与田監督よりはマシかなぁ、

ぐらいの感じ。

 

やはり一番ワクワクさせてくれたのは、

2003年に就任した落合監督でした。

 

2004年のキャンプの様子を見てても、

「今年は優勝する」と確信が湧いていました。

 

例えば・・・

 

2月1日のキャンプ初日に紅白戦を行い、

それに向け自主トレで

体を仕上げてきていた選手に向かって、

『想像以上に仕上げてくれていた。

大人ということだ』とコメントしていました。

 

選手側からしたら、

監督から「大人」と評価されたわけです。

そう評価された選手は、それ以降も「大人」として

自ら考え、自ら行動せざるを得なくなります。

 

人は、他者からの評価を崩したくない、

という心理が働きますから。

 

心理学でいう「ラベリング効果」ですね。

 

また、当時ベテランの域に達していた

立浪選手と福留選手に対しては、

「練習メニューは白紙。

自分で考えてやればいい。

それができる選手なんだから」

とも言っていました。

 

こうした心理学を巧みに使う落合監督を見て、

きっと優勝する、と思っていたものです。

 

で、今年の中日ドラゴンズ井上新監督です。

 

落合監督のときのように

優勝を確信できる感じではありませんが、

でも、でも、何となくやってくれそうな、

3位以内に入って、

クライマックスシリーズには行ってくれそうな

そんなぐらいの期待感が湧いてはいます。

 

なぜそう感じているか・・・

 

その一つとして、

以下の発言が井上監督から

あったからです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

『2軍の選手には簡単に言えば

「俺が好きな選手になれ」と言っています。

もっとやりたいです、

“俺ははもっと上を目指したいんです”、

っていう気持ちがある選手が好きだよ、

と僕は常々言っている。

 

2軍でできなかったことが

1軍でできるはずがない。

 

これは僕の口癖。

 

僕も2軍で自分の種をまいてきた。

選手が育ってくれれば、

活気づけるのかなとは思っています」

 (以上)

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

 

 

どのような人材が、

うちのチームにふさわしいのか、

それを明確にしています。

 

うちのチームにどのような人材が

ふさわしいのかを明確にすることは、

リーダーとして人を動かすうえで、

大事なことだと考えています。

 

なぜなら、それによって

チームとしての価値観(大事にする考え方・行動)を

共有しやすくなり、

メンバーとしてもどういう行動を

取ればいいかが分かり、

行動につながりやすくなるからです。

 

また、価値観が共有できれば、

意思決定が早くなります。

 

意思決定が早くできれば、

成果を効率的に出していけるようになります。

 

この井上監督のコメントを読んで、

思い出したのが、徳川家康。

 

司馬遼太郎が、徳川家康を主人公に描いた

「覇王の家」という小説があります。

 

その小説に以下の一節が出てきます。

  

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「素手で刃物を獲る馬鹿」

という咄(はなし)が、家康にある。

 

あるとき、浜松の場内で突如乱心した者があり、

太刀風も荒々しく棒振り回して廊下を飛び歩き、

人を見れば襲って傷つけた。

 

城内は大騒ぎになった。

 

それに対して、

遠州出身の兵法自慢の者がスルスルと前へ出、

その狂人の太刀を巧みにかわしながら

手もとにつけ入り、

素手でもってその狂人をとりおさえた。

 

当然、ほうびがさがるものと

その兵法自慢の者がおもい、

他の者も賞賛したが、家康は逆に怒り、

「その類の者、当家にとって無用である」

と、宣言するようにいったため、

城内は一時に酔いが醒めたような思いがした。

 

家康によれば、

刃物に対して素手で対(むか)うような者は

大事はまかされないというのがある。

 

家康はいう。

 

刃物には刃物、

もしくはしかるべき捕り道具を用意せよ、

かつは人数をあつめ、

捕りものの部署をし、工夫をこらせ、

しかるのち事無く捕えるのが

当家にとって有用の侍である、という。

 

素手で捕ってみせようという魂胆は

おのれ誇りのあほうのすることで、

そういう者に一手の軍勢をあずければ、

自分の綺羅を見せびらかすために

どういう抜け駆けをし、

勝手戦(いくさ)をし、

ついには全軍の崩壊をまねくような悪因を

つくるかもわからないというのである。

 

(以上) 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  

どうでしょう?

 

若干引くぐらいのブレの無さですよね。

リーダーってこれぐらいサイコパス的要素が

ないといけないのかと思わされたりもします。

 

ただ、とにかく徳川家康としては、

「徳川家に求められる人材像、ふさわしい人材像」

が明確にあり、それを伝えているわけです。

 

その点では、井上監督も同じ。

 

ただ、井上監督の場合は、

「チームに求められる人材像」を

自分の好き嫌いの観点で決めているのが、

若干気になるところではありますが・・・(^_^;)

 

本来は、「好き嫌い」という感情論ではなく、

家康のように「チームが勝つためには」

の観点で明確にしてもらえるといいかなとは思うのです。

 

家康も侍ですから、

きっと「兵法自慢の侍」の気持ちも

分かったことでしょう。

 

しかし、三河の弱小武家が

勝ち続けるためには、

「和(チームワーク)を大事にし、

頭を使って確実に勝てる方法を考える」ことが、

組織として共有すべき価値感だと

考えたのでしょう。

 

戦略的理由からの「ふさわしい人材像」です。

 

とここまで言ったら井上監督に

ちょっと酷ですかね。

 

いずれにしろ、井上監督のこうしたカラーが

2軍だけでなく1軍の選手にも

いい影響を与えつつある感が伝わってきます。

 

キャンプの様子をテレビで見てても、

なんとなく選手たちの心と体が軽いような・・・。

 

ということで、今年の中日ドラゴンズに

少しだけ期待をして、開幕を待ちたいと思います。

先日(1月24日)、

「新入社員のための問題解決の進め方研修」で

伺った大阪のとある企業。

 

今年で3年目のご支援になります。

 

参加者は9名の新入社員。

 

男性5名、女性4名。

 

男性の社員さんは、

沖縄出身の方もいたりしたのですが、

女性4名は、全員が大阪出身。

 

で、この大阪女子4名のやり取りが、

たまらなく面白かったのです。

 

あまりに面白かったので、

今回はそれをネタにお届けます。

内容は他愛もないです、軽いです。

 

研修中は、講師の私からの問いかけに対しては、

至って普通の受け答えをされていました。

 

が、面白かったのは、お昼休み中の会話。

 

 

聞こうと思って聞いていたわけではありません。

 

ただ、それ程広くはない研修室でしたので、

同じ部屋にいれば、聞き耳立ててなくても

自然に耳に入ってくるのです。

 

企業さんに出していただいたお弁当を頂き、

PCを開いてメールチェックをしていたのですが、

どうしても会話が耳に入ってくる。

 

ただ、途中から聞かなきゃ損ぐらいの気持ちになり、

あたかも仕事してる体で聞き入ってました。

 

 

20代前半の生粋の大阪人女性が雑談をすると

単なる雑談が、こんな面白いものに

なるのかと感心してました。

 

 

まるで吉本新喜劇か、上方の漫才かコントを

ただで見せてもらえているような得した気分。

 

 

 

あなたに申し訳ないのは、

これだけ面白い、といっておきながら、

その会話をこのブログ上で再現する能力が

私にないことです。

 

少しだけ思い出せる範囲で、

お伝えするとこんな感じ。

 

新人Aさん:室長の○○さんがな、この前、教育ちゅうてな、

                なんか侍(サムライ)の動画見せてくれてん。

新人B、C、Dさん:あぁ~!

新人Aさん:なんで、それでみんな分かんねん。

新人Bさん:○○さん、みんなに見せてんちゃうん。

 

(中略)

 

新人Bさん:みんな、私が髪の毛、切ったこと、

                    気付いてくれてへんやろ。

新人Dさん:髪の毛、切ったん?

新人Aさん:かわいいな。

新人Cさん:いやな、なんかさぁ、

                    毎日ストーリーでこの髪だるい、できひん、

                    とかずっと言っているからな、

                    なんかそれで知った感あってな。

 

 

すみません、これ以上思い出せません。

 

 

それと、多分当日の面白さの1%も

伝わらないと思います。

 

多分、大阪弁も間違っていると思います。

その辺はご容赦ください。

 

 

まぁ、こんな他愛もない会話が30分ぐらい

続いたと思ってください。

 

しかし、なんかテンポがいいというか、

思ったことがすぐに口に出せるというか、

そういう点でも凄いなぁと感心しておりました。

 

で、これは私の持論なのですが・・・


『雑談は仕事力を鍛える』、

と思っています。

 

 

 

具体的にどういうことかといいますと・・・

 

仕事における大事な能力として、

 

『自分の考えていること、思っていること、

感じていることを言葉にできる力』

 

があると考えています。

 

この「自分の考えていること、思っていること、

感じていることを言葉にできる力」は、

力ですから、筋力と同じで、

鍛えれば強くなりますし、

使わなければ衰えていきます。

 

そう、この力が、雑談によって鍛えられるのです。

 

先ほどの会話でも、他愛もない内容ですが、

自分の考えを伝えています。

 

大阪人だからかもしれません、

同期同士だからかもしれません。

 

でも、こうして自分の考えを伝えられる力は、

雑談によっても培われていくのではないかと思うのです。

 

もちろん、雑談だけで、

仕事において「自分の考え、想い、感情」を

伝えられるようになるかといえば、

それだけではないでしょう。

 

安心して伝えられる風土も必要です。

心理的安全性を担保できるだけの人間関係も

必要でしょう。

 

それと、訓練方法としては、雑談ではなく、

日記に「自分の考えていること、思っていること、

感じていること」を書くことで鍛えられもします。

 

ただ、せっかく研修という人が集まって

コミュニケーションが取れる場がありながら、

その休憩中にスマホやっているか、寝ているか、

という会社も実際にあります。

 

そして、そういう人が、

研修内容に関して、講師の私に質問を投げかけたり、

意見を伝えたりするかといえば、

それはまずありません。

 

やはり、休憩中に雑談が多い企業の社員さんの方が、

圧倒的に講師に対する質問の数や意見の数は多いです。

 

私の肌感覚だけで、具体的なデータで

示せないのも申し訳ないですが、

事実そうなのです。

 

気軽に自分の考え、想い、感情をいいやすい雑談の場で、

それらを伝える力を鍛える。

 

 

ということで、ぜひ職場での雑談に対する

許容範囲を広げていただけてもいいかなという話でした。

 

今回はちょっと軽いネタでした。