組織変革成功講座

私の地元名古屋のプロ野球球団、

中日ドラゴンズ、超低迷状態です。

 

4月24日現在、4勝17敗、

首位とは11.5ゲーム差。

 

この時期ではあり得ないような

借金とゲーム差です。

 

今回は、そんな弱すぎる中日ドラゴンズの

井上監督を取り上げて、

お話をしたいと思います。

 

なお、今回の話は、

決して井上監督のリーダーとしての

資質がどうとか、

井上監督や選手、球団の批判をすることを

目的とするものではありません。

 

「リーダーとして、ちょっとした言動が

チームのパフォーマンスに影響する。

 

だからこそリーダーとして、

マネジメントや組織論、心理学等を学び、

自分を律しなければならない」

 

ということを自戒の意味も込めて

お伝えするものです。

 

まぁ、真の目的は・・・

 

私の憂さ晴らしです(-_-;)

 

今回は、組織論として

リーダーが言ってはいけないことを

2つお伝えします。

 

1)結果の原因を考えるとき

 リーダーが言ってはいけないこと

 

仕事にしろ、何にしろ

何らかの結果が出たときに

「なぜ、このような結果になったのか」を

考えると思います。

 

いわゆるPlan-Do-Check-Actionの

マネジメントサイクルで言えば、

Check(検証)です。

 

アメリカの社会心理学者

ベルナルド・ワイナー(Bernard Weiner)が

提唱した「原因帰属理論」(Attribution Theory)

という心理学の理論があります。

その理論によると、失敗・成功の要因は

大きく次の4つに分類されます。

 

「努力」、「能力」、「課題の難易度」、「運」

 

例えば、仕事でいい成果を出せたとき、

「なぜ、いい成果を出せたのか?」

 

 

「努力」:頑張ったから。

「能力」:自分の才能だね。

「課題の難易度」:

 仕事自体が簡単なことだったからね。

 誰がやったってうまくいくよ。

「運」:今回はツイてたなぁ。

 

逆にいい結果を出せなかったなら、

「なぜ、いい結果を出せなかったのか?」

 

 

「努力」:努力が足りなかった。

「能力」:才能がないんだ・・・。

「課題の困難性」:

 難しすぎ。こんな難しい仕事、

 誰がやってもうまくいかない。

「運」:ツイてなかったぁ。

 

となります。

 

もちろん、複合的に考えることもあります。

「頑張ったし、ツキもあった」

というように。

 

ワイナー曰く、結果の要因を

「課題の難易度」・「運」に

求めていると人のモチベーションは

下がるとのことです。

 

なぜなら「課題の難易度」・「運」は

自分でコントロールしにくいものだからです。

 

また「能力」は、自分でコントロールできる

要因ではありますが、変えにくい要因です。

 

自分でコントロールできないこと、

変えにくいことが要因では、

次の行動を考えるモチベーションが

下がるというわけです。

 

どれだけPDCAだといって

「Check(検証)」をしても、

その要因に「運」「課題の困難性」「能力」を

挙げてしまうと次の行動が

促されにくくなります。

 

次の行動を促すためには、

「努力」に焦点を当てる

必要があるのです。

 

「うまくいった。

なぜならこうした努力をしたから。

次ももっと努力をしていこう」

 

「うまくいかなかった。

もう少し努力をしていればよかった。

次はどうしたらいいだろう」

 

と、「行動」が促されるわけです。

 

 

つまり、行動を変えるためには、

“努力”に原因を求める必要がある、
ということです。

 

 

行動が変わらなければ

結果は変わりません。

 

4月15日の中日対広島戦。

2対5で中日が広島に敗れた試合後の

井上監督のコメント。

 

 

「ツキがなかったと切り替えていくしかない」

 

Yahoo! ニュース

 

完全に「運」のせいにしています。

 

気持ちを切り替えるのは大事。

 

ただ、気持ちを切り替えるなら、

「なぜ、負けたのか」の要因を

「自分たちの努力のせい」として

徹底的に考えることによってです。

 

ツキ(運)がなかったと

思うことによってではありません。

 

 

リーダーが「運」と言ってしまうと、

チーム全体が「仕方なかった」で終わってしまう。

PDCAの「Check」が、
機能しなくなってしまうのです。

 

 

組織においてメンバーの行動を変えるためにも、

「運」「能力」「課題の難易度」を

失敗・成功の要因に挙げさせないようにするのが

リーダーとして求められることです。

 

 

2)意思決定の理由として

 リーダーが言ってはいけないこと

 

中日ドラゴンズが、開幕5連敗を喫し、

今年6試合目で初めて勝った試合後の

井上監督のコメント。

 

そのコメントの前に、どんな試合だったかを

簡単にお伝えしておくと・・・

 

対巨人相手に、中日の先発大野投手が好投し、

8回まで2対0でリードしていました。

 

ところが9回表巨人の攻撃で、

大野投手が1点を失い、なおも

1アウト1塁3塁の大ピンチ。

 

ここで、井上監督は、

大野投手を続投させるか、

ピッチャーを交代させるかの

意思決定を迫られます。

 

結果、ピッチャーを交代させることなく

大野投手が続投し、

何とか2対1で今年初勝利を

納めることができました。

 

その試合後の監督コメント・・・

 

「信じるってことは、

信条としてやっていこうと思っているんですけど、

(9回のあのピンチの場面)

(大野)雄大の男気にかけてみた。

よくふんばってくれました」

Yahoo!ニュース

 

 

続投の意思決定の理由が、

「男気」だったのです。

 

論理的思考(ロジカルシンキング)的に言えば、

全くロジカルになっていません。

 

論理的思考とは、

「なぜ、そう決めたのか?」

その意思決定の理由・背景が

「客観的事実」で

答えられなければなりません。

 

井上監督のコメントは

論理的ではなく「情緒的」。

 

以下のようであれば、論理的と言えます。

 

「あそこは続投でした。

なぜなら、次のバッターとの相性、

大野の状態や球数、

うちの中継ぎピッチャーの状況、

試合の展開を考慮して決めました」

 

もちろんインタビューで、細かい事実を

伝えることはないとは思います。

 

またインタビューですから、

ひょっとすると井上監督としては、

選手を鼓舞するための発言であり、

本気で男気にかけたわけでは

ないかもしれません。

 

しかし、インタビューの様子を見てて、

井上監督は本気で

言っているように見えました。

 

そこがなんとも悲しいところです。

 

もちろん、最後はリーダーとして

「勘」も「情緒」も

必要になるところはあるでしょう。

 

しかし、論理的に考える前に

「男気」だの「気合い」だの「勘」だのを

挙げているようではリーダーとして

ちょっと寂しいなぁと思うのです。

 

勘を頼りにしての意思決定は楽です。

考えなくてもいいですから。

 

ただ、再現性はありません。

 

なぜ、大野投手があそこで抑えられたのか、

「男気があったから」。

 

これでは再現性も横展開もできません。

 

また、選手が男気があるように

振舞っていれば起用してもらえる、

と考えるようになってしまったら・・・

 

そんなチームが勝てるとは思えません。

 

しかし、メンバーはリーダーの言動によって

ものすごく影響を受けます。

 

そこをリーダーは認識しなければなりません。

 

何度もいうようで恐縮ですが、

決して井上監督の批判を

しているわけではありません。

 

組織のリーダーたるもの、

こうした心理学にしろ、

マネジメントにしろ、

日ごろから学ぶことを怠ってはいけない

と思うのです。

 

井上監督が「原因帰属理論」や

「論理的思考」を勉強していれば、

このような発言はしていないと思うのですが、

いかがでしょう?

 

もちろん、私自身ができているかと

言われたら、全然まだまだです。

 

もっともっといろいろなことを

学ばなければいけないです。

 

もっと自分を律して、

運や能力、課題の難易度のせいに

してはいけないと自覚しています。

 

追伸:

大谷翔平選手は、

自分でコントロールしにくく、

外的な要因でもある「運」すら

高校生の時にコントロールしようとしていました。

 

運を高めるために、

「あいさつ」、「ゴミを拾う」、

「部屋そうじ」、「道具を大切に使う」、

「審判さんへの態度」、「プラス思考」

「応援される人間になる」、「本を読む」

の8つを挙げています。

 

大谷翔平選手がいう「運」とは、

「自分がどういう人間であるかによって決まる」

と考えているようです。

 

また、「運」と「ツキ」は別物と

考えているようでもあります。

これは私の勝手な推測ですが・・・

 

とあるインタビューで、

こんな発言をしています。

Number Web

 

『打球が抜けるかどうかは、

野球の神様のみぞ知るところで、

その要素を験担ぎによって広げよう

ということはありません。

 

ただツキがなかったな、と解釈したほうが、

自分がやろうとしていることは

間違ってないと正確に測れますからね」

 

深すぎます・・・

WBC、侍ジャパンは残念でしたね。

連覇ならずでした。

 

連覇はなりませんでしたが、今回のWBCは、

どの試合も楽しませてもらえましたし、

あの戦いぶりには感動させられました。

 

侍ジャパンのメンバー、

裏方さんも含めて感謝です。

 

日本の試合だけではなく、

韓国対オーストラリアも

決勝戦のアメリカ対ベネズエラも

興奮させられました。

 

しかし、ベネズエラは強かったですねぇ。

 

感情をむき出しにして闘う姿が

なんとも印象的でした。

 

やはり短期決戦の場合は、

冷静さも当然必要なんでしょうけど、

熱くなることも必要なのかな

という気になりました。

 

もしも、もしも、ですが、

ベネズエラ戦の1回裏大谷翔平選手が

同点のソロホームランを打ったとき、

熱く、感情を発散させた姿を見せていたら、

展開が少し変わったのかなという気もしたりして・・・

 

前回大会のメキシコ戦の9回で

サヨナラのきっかけとなった2塁打を

打った時のように。

 

あくまでもたらればの世界です。

 

前置きが長くなりました。

 

今号は、前号の続きとして、

「目的と目標との関係性からの

目標と行動(手段)の正しい設定方法」

をお伝えします。

前回(3月13日号Vol.558)では、

「他者視点の目的が人を強くする」

というタイトルで、

以下の内容をお伝えしました。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「目標を通過点にする。

目標達成』を最終的なゴールにしてはいけない。

 

その先にある『目的』を目指す。

 

ただし、目的は自分視点ではなく、

他者視点(人のため、社会のため)で

描く必要がある。

 

他者視点の目的を明確にし、

それを目指すことで、

通過点である目標に向かう行動力が高まり

目標も達成しやすくなる」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

企業において言えば、

売上目標、利益目標、生産性目標、良品率目標等

いろいろあります。

 

その目標達成の先の目的を考える。

 

何のために売上を上げるのか、

何のために利益を出すのか、

何のために生産性を上げるのか・・・

 

そして、それをチーム内で共有し、

共通の目的にすることで組織力は高まります。

 

その「目的と目標との関係」、

「目的・目標と手段の関係」をどう捉え、

どう描いたらいいのか、

今回は、そのポイントについてお伝えします。

 

一番のポイントは、

「物事は目的と手段の連なり」と

考えることです。

 

WBCの侍ジャパンを事例に考えてみましょう。

 

【ステップ①:

目的と手段の関係性をより細かく描く】

侍ジャパンにとってWBCに出ることは

目的ではありません。手段です。

 

出ることが手段だとしたら、

何のために出るのか、その目的は何でしょう?

WBCで勝つことが目的になります。

 

ちなみに、白井一幸氏が前回大会でコーチを務めた際、

選手に「WBCに出る目的は?」と聞いたら

多くの選手が「優勝することです」と

答えていたそうです。

 

これが間違いではありません。

ただ、それを通過点(手段)にして、

更にその先の目的を目指そう、

ということなのです。

 

では、なんのために勝つのか?

勝つことの更に先の目的は何か?

 

菊池雄星選手が語っていたところによれば、

「野球をやってみたい、プロ野球選手に

なりたいという子供を増やすため」でした。

 

目的と手段の関係性で図に表すとしたら、

こうなります。

この目的と手段の関係性を

もっと細かく描くとしたら、

こんな感じでしょうか。

(私の解釈も入っています)

 

 

WBCに出て、勝つことで、

日本野球のレベルの高さを世界に示す。

 

日本野球のレベルの高さを

示すことで感動を与える。

 

感動を与えることによって、

野球への関心を高める。

【ステップ②:

自分たちの責任において、

上位の目的を実現できるだけの成果を目標とする】

 

日本の野球レベルの高さを示し、

感動を与えられるだけの成果(勝つ)は

どのレベルか、と言われたら「優勝」であり、

それが目標となります。

 

目標とは、

『上位の目的を実現できるだけの出すべき成果』

です。

 

そう考えると、目標は目的がなければ

明確化できないと言えます。

 

ここでいう明確化とは、

「達成すべきレベルを決める」

ということです。

 

WBCで勝つといっても、

一つ勝つレベルでいいのか、

優勝のレベルなのか・・・

 

目的が明確になっていなければ、

このレベルを決めることができないはずです。

 

更に言うと、『自分たちの責任において、

上位の目的を実現できるだけの出すべき成果』

となります。

 

侍ジャパンの場合、自分たちの責任での

出すべき成果はやはり「WBC優勝」となります。

【ステップ③:

上位の目的から外れることなく、

目標を達成できる手段を考える】

 

優勝するためにはどうしたらいいか?

様々な手段が必要でしょう。

 

しかも、大事なのは、単に優勝すればいい、

というわけではなく、

上位の目的が実現できるだけの

手段でなければなりません。

 

感動を与え、

野球に関心を持ってもらえるような手段。

 

その答えの一つが、侍ジャパンの場合は、

「WBCでの全力プレー」だったのだと思います。

 

当然、勝つためには他にも

いろいろな手段が必要にはなります。

 

白井一幸氏が強調している、

メンタルを鍛えること(考え方を変えること)も

必要でしょうし、

 

投手と野手の連係プレーなどテクニカルの

強化も必要でしょう。

 

フィジカル面(体調面)を整えることも

当然大事な手段でしょう。

【ステップ④:背景情報を整理する】

 

そもそも、なぜ子供たちに野球への関心を

持たせたいのか?

 

その背景としては、

「日本の野球人口が減っているから」

ということが挙げられるでしょう。

 

これを整理できると、

なぜこの目標や目的を目指す必要があるのかを、

客観的事実として示すことができ、

共感を得やすくなります。

 

できたら、背景の情報は

具体的な事実・データで示すことが求められます。

 

例えば、

「高校野球の部員数は2025年度で11年連続減少
日本高野連は125,381人と公表している」

出典:日本高野連Webページ「2025年加盟校部員数調査結果」

 

「NPBなどの調査でも、
小学生の軟式・硬式野球の競技人口減少」

というように。

 

なお、ステップとしては④としてありますが、

従来からこの経営環境の変化は、

整理しておく必要があります。

 

本来であれば、ステップ⓪といってもいいでしょう。

以上、WBCの侍ジャパンを事例に

目的と目標と手段と背景の関係性の描き方を

お伝えしました。

 

企業の「売上を上げる」でいえば、

目的:「なぜ、売上を上げる必要があるのか」

目標:「その目的を達成できるだけの

 売上高レベルはどれだけか」

手段:「その目的を実現し、

 売上目標達成に向けて何をすべきか」

背景:「そもそもどのような環境変化があるから

 この目的・目標を目指し、

 この手段を取る必要があるのか」

を考えることになります。

 

売上目標達成の目的には、

「お客様により高い価値を提供するための

 資金を得るため」

「社員とその家族を幸せにするための

 資金を得るため」

等があるはずです。

 

この他者視点の目的がなければ、

何をやってもいいから(手段なんてなんでもいいから)

「とにかく売上上げろ!」

「売上目標死守だ!」

となってしまうわけです。

 

たとえ社員が不幸せになるような手段を取ってでも・・・

 

だからこそ、他者視点の目的を持って

経営にあたることが重要なのだと思います。

 

「目標を通過点にする」

 

目的なき目標は、単なるノルマです。

先日(3月5日)、日本テレビ系列の

世界一受けたい授業」という番組で、

WBCの開催に向けた特番が組まれていました。

 

ゲストは、前回2023年のWBCで

ヘッドコーチを務めた白井一幸氏。

 

侍ジャパンにまつわるエピソードを

いろいろと紹介されていました。

 

白井氏は、現在はメンタルコーチとして、

アスリートなどを支援するお仕事を

されているそうです。

 

今回のブログでは、

白井一幸氏が紹介されていた

「侍ジャパンに学ぶ~

 勝つために必要な4つのメンタル術」を

ネタにお伝えしたいと思います。

 

 

白井一幸氏が挙げていた

勝つために必要な4つのメンタル術』

は以下の通り。

 

一応、テレビではクイズ形式になっていたので、

私も、まずはその形式でお伝えしたいと思います。

 

①「????」という声はいらない

②「??」よりも「??」した時を考える

③「??」を否定するのは禁物

④目標を「???」にする

 

いかがでしょう?

 

答えは、

 

 

①「諦めるな」という声はいらない

②「失敗」よりも「成功」した時を考える

③「緊張」を否定するのは禁物

④目標を「通過点」にする

 

です。

 

それぞれ気になるとは思うのですが、

今回は、④の「目標を通過点にする」に

絞って考察してみたいと思います。

 

「目標を通過点にする」

 

どういうことか・・・

 

白井氏がいうには、

『侍ジャパンがWBCで「優勝すること」は目標。

目標である「優勝」を最終的なゴールにはせず、

その先にある「目的」を目指さなければいけない』

とのことでした。

 

 

何のためにWBCで戦うのか?

 

“優勝するためではない。

その先にある目的を実現するために戦い、

その目的のために優勝しなければならない”、

そう考える姿勢が必要ということです。

 

 

ちなみに、侍ジャパンがWBCで優勝するのは

んのためでしょう?

  

菊池雄星選手が番組内で語っていました。

 

「野球人口が減っている中で、

野球をやってみたい、プロ野球選手になりたい

という子どもが一人でも増えたらいい」

 

これが侍ジャパンがWBCで勝つ目的の一つ

 

 

では、なぜ勝つためには、

「目標の先にある目的を目指す

(=目標を通過点にする)」

というメンタルが必要なのでしょう?

 

番組で白井氏が話をしていた内容から、

「目的を目指すことで、

目標を目指すだけでは出せない力を

発揮できるようになるから」

ではないかと考えています。

 

ただ、そのためには、

目的に対する条件があります。

 

目的を「自分視点」ではなく、

「他者視点」で描くことです。

 

侍ジャパンのケースで言えば、

「WBCで勝つ目的」として、

選手単位で言えば、

こんなケースだってあったはずです。

 

「勝って、世界的に名を馳せたい、有名になりたい」

「WBCで活躍して、メジャーリーグに

いけるきっかけをつかみたい」

等々

 

これらは「自分のため」という

自分視点の目的になります。

 

自分視点の目的を否定するつもりはありません。

それによって力が出やすくなる状況もあるでしょう。

 

ただ、それだけではなく、

「野球界のため」、「子どもたちのため」

という「他者視点の目的」を明確にし、

チーム内で共有してこそ、

目標を目指すだけでは出せない力が

発揮できるようになるのです。

 

なぜなら、人には、

「他者に対して影響を与えたい」という

根源的な欲求があるからです。

 

自分が頑張って、成果を出すことで、

人を喜ばせたい、世間を感動させたい、

そんな欲求を持っているのです。

 

侍ジャパンも他者視点の目的を描き、

チーム内で共有したからこそ、

その目的を実現するために

何をしなければいけないのかを

具体的に考えられるように

なっているのではないでしょうか。

 

 

例えば、こんな感じで・・・

 

プレッシャーがかかる場面で、

そのプレッシャーに押しつぶされるような

姿は見せられない、期待に応えよう、

 

負けていても最後まで諦めない姿勢を見せよう、

 

凡打を打ったとしても、全力で走ろう、

 

とにかく野球を楽しんでいる姿を見せよう、

 

・・・等々

 

ちなみに、番組内で白井氏が例として挙げていたのは、

前回大会でのヌートバー選手のプレー。

(※外国人の名前ですが、日本代表の選手でした)

 

ヌートバー選手がボテボテのセカンドゴロを

打った際、普通ならアウトになる打球でしたが、

全力で一塁まで走り、その結果、

相手のエラーを誘いセーフになった、

そんな事例でした。

 

目的があるからこそ、取るべき行動が

明確になっている好事例ですよね。

 

白井氏は

「目的を目指すことが優勝という目標に一番近づく」

とも話していました。

 

これは企業でも一緒です。

 

例えば、売上を上げる、利益を出すというのは、

目標であって目的ではないと、

考えられるといいですよね。

 

何のために売上を上げるのか、

何のために利益を出すのか、

何のために生産性を上げるのか、

そもそも

何のために頑張って仕事をするのか

・・・

 

売上を上げよう、利益を出そうと頑張るよりも、

その目的を他者視点で描く、

その目的を実現するために何をすべきかを考える。

 

そうすることで、

社員さんもきっと今まで出せなかった力が

出せるようになります。

 

ただ、言うは易しで、

これがなかなか難しい。

 

野球のように勝つことは目標、

子どもたちに野球への憧れを持ってもらうのが目的、

というように分かりやすく描けない。

 

目的と目標との関係、

目標とそれを実現するための手段の関係

それをどう描いたらいいのか?

 

申し訳ありませんが、今回は、

ここまでにさせてください。

 

ここから書いていくと長くなりすぎるので。

 

目的と目標の関係性、目標と手段の関係性

の描き方については、改めてお話をしたいと思います。

 

次回、WBCで侍ジャパンが優勝し、

「祝侍ジャパンWBC優勝」というタイトルで

お届けできることを祈って、

まずは3月15日の準々決勝のベネズエラ戦を

観戦して、応援したいと思います。

2月6日(金)から2月22日(日)の

17日間にわたり開催された

ミラノ・コルティナ冬季五輪が閉幕しました。

 

日本選手の活躍、素晴らしかったですね。

 

メダル獲得数は24個。

冬季五輪の通算メダル数が今回で

100個の大台に乗ったとのこと。

 

2006年のトリノ大会では、

荒川静香さんの金メダル1つだけだった

ことを思うと、日本人選手って本当に

強くなったんだなぁと思います。

 

ちなみに、100個のメダルのうち

2018年平昌で13個、

2022年北京で18個、

今大会が24個で、

過半数(55個)が直近3大会のものだそうです。

 

あなたはどれくらい

ご覧になっていましたか?

 

私は、残念ながらなかなか見る機会がなく

気づいたら終わっていたって感じです。

 

ただ、それでも、ニュースではちらほら見ていたので、

「りくりゅうペアが金メダル獲った」とか

「高木美帆選手の通算メダル獲得数が10になった」

とかの情報は入ってました。

 

しかし、スポーツ選手って、本当にすごいですよね。

 

どうしてあんなことができるんでしょう。

 

あれだけのことができるようになるまでの

努力って本当に凄まじいものがあると思います。

 

並の人間ではないレベルの忍耐力、精神力、

実行力、体力が備わっているのでしょう。

 

我々ビジネスマンが、そのうちの精神力だけでも

五輪選手と同じレベルで持つことができたら、

すごい仕事ができるのではないかと思います。

 

前置きが長くなりました。

 

今回のブログはそのミラノ・コルティナ冬季五輪に

関わるネタでお伝えしたいと思います。

 

閉幕後2月25日(水)の日経新聞37面に

スピードスケートの高木美帆選手の

コメントが掲載されていました。

 

原文をそのまま記載させていただくと・・・

 

【高木美帆選手コメント】

「自分ができる最善だと思う道を

選び続けてきたつもりだ。

 

(日本スケート連盟のナショナルチーム時代の)

約8年間はずっとスケート漬けで、

結果を残すことだけに時間を注ぐ

『超ストイック』な自分だったが、

北京五輪後は色々なものに触れ、

様々な感情を持つことが多い4年間だった」

 

「違う道に進みながらスケートに向き合う時間が

増えたことで、結果だけでないところで

私自身をたたえてくれる人が増えていく実感があった。

それがまた自分に、これまでと違う考え、

気持ちを生み出すきっかけを与えてくれた

 

以上

 

 

このコメントを読んで改めて思うのは、

「人は、結果だけではなく、

プロセスを褒められるとより頑張れるものだ」

ということ。

 

コメントの中に、

『結果だけでないところで

私自身をたたえてくれる人が増えた』

とあります。

 

あれだけの選手に対して、

結果じゃないところで称える、って

なかなかできないんじゃないかとは思うのですが・・・

 

高木美帆選手に、「頑張ってますねぇ」なんて

私なんかは畏れ多くて言えません。

 

ただ、あれだけストイックに結果を出し続けている

高木美帆選手であっても、

結果だけじゃないところで称えられると

新しい考えや気持ちになれるんですね。

 

結果だけじゃなく、

頑張っているプロセスを褒める。

 

プロセスを認められれば、

今まで以上に頑張ろうという気になれます。

 

人材育成の観点からも、結果だけではなく、

その結果に至るプロセスを認めるのは、

相手の行動を促すうえで非常に有効なことです。

 

結果を出すまでに

「どんな苦労があったのか?」

「どんな工夫をしたのか?」

そのあたりを聞いてあげられるといいです。

 

そして、その苦労や工夫を称えてあげる。

 

 

ただ、気を付けなければいけないのは、

プロセスで頑張っていさえすればOK

という気持ちにさせないことです。

 

頑張ることが目的ではないはずですから。

 

高木美帆選手もこう言っています。

 

『自分がそれ(挑戦するだけで構わない

という思い)を認めたり、

受け入れたりしてしまうと

進む足が止まってしまうんじゃないかなと

思っていた。』

 

逆にプロセスばかりに視点が向いている人にとっては、

結果に視点を向けさせることが

「相手にない視点で考えさせること」になり

「成長を促すこと」になるでしょう。

 

人材育成をする立場の方は、

ぜひ、相手の「結果とプロセスの両方」を

認めて、称えてあげていただけるといいと思います。

 

人は、 結果だけを認められて、

育つのではありません。

 

結果に至るまでの試行錯誤や迷い、

つまりは苦労や工夫を分かってもらえたときに、

さらなる行動が促され、成長するのだと思います。

トヨタ自動車が、ハイブリッド車(HV)を
増産するという記事が出ていました。


EV(電気自動車)増産ではなく、HVの増産。


※日経新聞2月5日第1面
「トヨタがハイブリッド車3割増産 
2028年、EV普及進まず需要伸びる」


2028年のHV生産台数を670万台規模へ
増やすとのこと。

世界生産約1,130万台のうち
6割をHVが占める計算になります。

米国では今後5年で最大1兆5,000億円を投資。
まずは約1,400億円を投じて
HV用エンジンや部品を増産するそうです。
で、この記事の最後に、書かれていたのが、
以下の一文。
『競合が戦略を修正して追い上げを狙うなか、
(トヨタは)HVで稼いだ資金を次世代車の開発に生かす』

この一文にトヨタの強さが
表れている気がするのです。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント
(PPM)という考え方があります。

経営資源(ヒト・モノ・カネ)を
最適に配分する戦略フレームワーク。

ものすごく簡単にいうと、企業において
どの事業で利益を出し、
その儲けた利益をどの事業に使うか、
というお金の流れをマネジメントする考え方です。

以下の図をご覧ください。

縦軸が市場成長率、
事業の市場が伸びているのか、
伸びていないのか、
伸びていれば、“高”いし、
伸びていなければ“低”い、
となります。

横軸は、相対的な市場のシェア。
自分たちの事業のシェアが競合他社と比べて
相対的に高いのか低いのかの軸です。

図には4つの象限があります。

●左上の「問題児(英語でProblem Child)」
 市場は伸びている。
 その市場の伸びに対応すべく、
 開発コストや設備投資などお金が必要。
 しかし、シェアは低い。
 だから売上はあまりない。
 すなわち売上<コストとなり、
 将来性はありながらも、
 キャッシュが残らない事業となります。

●右上の「花形(英語でStar)」
 市場は伸びている。
 開発コストや設備投資などお金がかかる。
 シェアは高い。だから売上はあがっている。
 売上≒コスト
 市場は活況を呈していて、売上は上がれど、
 キャッシュは残らない事業。

●右下の「金のなる木(英語でCash Cow)」
 市場は伸びていない。
 なので、新たな開発も設備投資も
 それほど必要ない。
 シェアは高く、売上はある。
 売上>コスト
 キャッシュが残る事業となります。

●左下の「負け犬(英語でDog)」
 市場も伸びていない。
 シェアも低い。

PPMの考えで言えば、
『「金のなる木」で稼いだお金を「問題児」につぎ込み、
市場が伸びているうちに「花形」に育てる。
その「花形」事業の市場の伸びが鈍化した時には、
「金のなる木」としてお金が残るようにする』、
これが理想的なお金の流れなのです。

トヨタの場合で言えば、
HVは、まだまだ市場が伸びているので、
「花形」に当たります。

が、限りなく「金のなる木」に近い
「花形」でしょう。

研究開発費は、他の自動車メーカーに
比べたら圧倒的に少なく済むはずですから。

事実、ゼネラル・モーターズは
HV開発に強いメーカーとの
共同開発を開始しています。
つまりこれからお金がかかる。

また、フォード・モーターも
EV投資の見直しを進め、
巨額の追加費用を計上しました。

EVに力を入れていた企業はこれから、
HVへの研究開発や設備投資に
お金をかける必要があるわけです。

当然、HVの研究開発をし、生産体制を整え、
販売体制を整えるには、お金だけではなく、
時間もかかります。

その点、トヨタは、記事にあったとおり
HVで稼いだお金を次世代車の開発に
回すことができるし、
時間的にアドバンテージもあります。

トヨタにとってHVは1997年の「プリウス」以来、
約30年近く磨き続けてきている技術なのですから。

世界シェアは約6割。量産効果も出ている。

研究開発は継続するにしても、
ゼロから積み上げる段階ではありません。

成長市場でありながら、投資負担は相対的に軽い。

ここから生み出されるキャッシュを、
EVや次世代電池、ソフトウェア開発に回せる。

資金の流れがものすごく理想的ですし、
時間的なアドバンテージもある。

こう考えると、
トヨタにとってものすごく有利な状況が
出来上がっています。


で、思うのは、
『なぜ、トヨタはこのような状況を
作り出せたのか?』ということ。

不思議です。

一時期、トヨタがEV開発に
遅れていて、株主からもいろいろ
言われていたのではないかと思います。
「EVにもっと力を入れろ」と。

それでも、EVに軸足を持って行かず、
全方位戦略を取ってきた。
というか、EVにあまり興味を
示していなかったように思えます。

EVが地球環境に優しいから普及する、
というきれいごとではなく、
EVは、欧州のトヨタ潰しのネタであり、
政策依存であることを
見抜いていたからなのでしょうか?

本当によくEVにシフトせず、
「全方位戦略」を掲げてきたものだと思います。

HV、PHV、EV、水素・・・

とはいえ、今後、EVが急速に
普及する可能性もあります。

こうした不確実性の高い経営環境だからこそ、
様々な未来予測に対応できる
選択肢を用意しておくことが
これから求められるのかもしれません。


戦略として「全方位戦略」は、
資金力がなければ
なかなかできない戦略です。

資金力が限られている企業には
難しいことと思われるかもしれません。

しかし、少なくとも顧客1社に
売上の7割を依存しているとか
特定の業界に依存しているとか、
一つの製品・サービスに売上・利益が
偏ってしまっているといった
一本足打法的な状況にならないように
努めることはできます。

特に中小企業さんの場合は、
顧客が一社依存だといつなんどき何があるか
分かりませんから、なるべくそうした状況を
脱していった方がいいと思います。

トヨタの今回の動きは、
その重要性を改めて
教えてくれている気もします。

ちなみに、私の場合でいうと、
思い出すのは、
2008年のリーマンショックのときですね。

そのとき売上の約半分ほどを特定の
企業に依存していました。

リーマンショックでその企業からの
仕事が激減した時には、めちゃくちゃ焦りました。

それ以降、なるべく売上を特定の企業に
依存しないようにと取り組んできてはいます。