組織変革成功講座 -4ページ目

あなたは、

 

今までの仕事人生において、先輩や上司から

こんなことを言われた経験はありませんでしょうか?

 

「それは、手段であって目的ではない」

「手段と目的を間違えて仕事をするな」

「それが本当に問題なのか?」

 

ちなみに、私はあります。

 

実は先輩でも、上司でもなく、

営業をしていたときのお客さまから。

 

「宇井さん、それは手段。目的じゃないよ。

仕事で大事なのは手段と目的を間違えてないことだよ」と。

 

ちなみに、そのお客さまとは、

日本一売上を上げている企業の購買の方。

 

そのときは、その方が何を言っているのか、

全然理解できませんでした。

 

が、今になって、ものすごく分かるわけです。

 

例えば、こんなことを言っている社員がいたとしましょう。

 

「スキルを高めたいけど、時間がない」

 

図式化するとしたらこんな感じでしょうか。

時間がないことが問題なのか、

スキルを高める勉強や訓練が

できていないことが問題なのか、

スキルが低いことが問題なのか・・・



こうした問題が提起された際に、

組織において何が大切かといえば、



『問題は何かを定義し、

その定義した問題を関係者と

共有すること』



なのです。



この事例で言えば、

スキルが低いことが問題だ、

といっている本人に対して、



他の人はこういうかもしれません。



『それが問題ではなく、

スキルの低さによって、

出すべき成果が出せていない、

それが本当に問題なのでは?』と。



『どれだけスキルを高めても、

その成果が出せなければ、

意味がないだろう』と。



上司部下間で言えば、

こんな会話になるでしょう。



部下:スキルを高めたいんですが、

時間がありません。



上司:時間がないから勉強や訓練ができないってこと?



部下:はい



上司:スキルが低いことを問題だと思っているんかな?



部下:はい



上司:ちなみに、スキルが低いから、

          ○○さんとして、出したいけど出せてない成果が

          あるとしたら、どんなことかな?



           それが、本当の問題なのではないかな。

           スキルが低いことが問題ではなく、

           その成果が出せてないことが問題

           だと思うよ。



           今のスキルレベルでも、その成果を出すには

           どうしたらいいかを考えてもいいと思うよ。





部下は、スキルの低さを問題として、

それを解決したいと考えている。



しかし、上司は、スキルの低さは問題ではなく、

出すべき成果が出せていないことが問題と

考えている。



これは問題が定義されておらず、

共有されていない状態。



なぜ、何が問題かを定義し、

それを共有することが必要なのか?



『出すべき答えが変わってくるから』

です。



スキルが低いことが問題とした場合は、

目的は「スキルを高めること」となり、

どうしたらスキルを高められるかに

答えを出すことになります。



出すべき成果が出せていないことを

問題とした場合は、

目的は「出すべき成果を出す」となり、

どうしたら出すべき成果を出せるかに

答えを出すことになります。



後者の場合、

「スキルを高める」は手段となります。



手段とした場合、

次のような発想も生まれてきます。



「本当にこのスキルを上げるだけで

出すべき成果を出せるのか」

(他に必要な手段)



「スキルを高める以外に

出すべき成果を出せる手段はないか」

(他の選択肢としての手段)

 

 

もちろん、「スキルが低い」ことを

問題と定義し、それを共有することも

あり得はします。

 

いずれにせよ、この問題を定義し、共有する

という手順を一つ加えていただくだけで、

仕事を効率化できると考えています。

 

なぜなら、答えを出したあと、

上位者から「それは問題じゃない、やり直し」

といわれることは無くなりますから。

 

ちなみに、先日、若手社員を対象に

3時間ほどでこの考えを

お伝えする機会がありました。

 

そのときの受講者の方々の声を

いくつか抜粋して以下に掲載します。

 

 

『宇井先生の説明、

非常に理路整然としていて大変聞きやすかったです。

たまにある具体例もわかりやすかったです。

仕事するうえで、直面している問題が

本当に問題なのか考える習慣を

つけていきたいと学びました。』

 

『目的が何か考えるなど、仕事に活かしたいです。』

 

『講師の方も実際にこの講義で

教えていただいた話し方を活用していて、

とても分かりやすかったです。

今回の講義を受講することができてとてもよかったです。

問題解決についても”なぜ”という目的を

大切にして手段を考えていきたいと思いました。』

 

『目的と手段のとらえ方が人それぞれ異なって、

異なることは違っていないという言葉が、

とても印象に残りました。

見方の異なりにも配慮しつつ、

相手の目的を考えながら

問題に取り組みたいと思います。』

 

『目的と手段のピラミッドを意識して、

今後の業務に取り組んでいこうと思いました。』

 

『分かりやすい具体例を挙げた説明で

内容の理解が深まった。とてもためになった。』

 

『”目的とは手段の連なりである”という部分が

初めて聞くことができたため、よかったです。』

 

『自分の仕事にすぐに繋げられる内容でした。

今回の内容を、明日からにでも実践につなげて、

よりよいパフォーマンスにできるよう

頑張っていきたいと思います。』

 

『宇井先生の講義も大変わかりやすく、

活用できそうだと思いました。ありがとうございます。』

 

『「仕事とは、目的と手段の連なり」

という考え方を持ち、

仕事に取り組んでいきたいと思いました。

また、自身の考え方を考え直すきっかけになりました。』

三重県の南伊勢町でのこんな取り組みが、

先日NHKで紹介されていました。

 

「漁師塾」

 

参加するのは、漁業未経験ながら、

漁師になることを検討している人達。

 

大学院生や元サラリーマンが多いようです。

 

その参加者の人たちに、

ベテラン漁師が、実際の現場で、

漁の仕方を教えるという取り組みです。

 

テレビではこんな場面が

映し出されていました。

 

ベテラン漁師が参加者に指示を出します。

 

「これ巻いて!」

「こっち入れて!」

 

ただ、そう言われても、

何をどうしたらいいのか分からず戸惑う参加者。

 

指示通りに動かない参加者を見て

ちょっとイラつくベテラン漁師。

 

双方、フラストレーションが

募ってしまう状況です。

 

参加者からしたら、指示の意味も分からないし、

何をどう聞いていいのか、

このタイミングで聞いていいものかどうかも

わからないわけです。

 

ベテラン漁師にしてみたら、

今まで人に教えたこともなければ、

教えた方を学んだこともありません。

 

どう伝えたら分かってもらえるのか、

そんなこと考えたこともないわけです。

 

で、このような状況、この漁師塾だけではなく、

あなたの会社の中にも

あるのではないでしょうか?

 

上司や先輩、ベテラン社員に

聞きたいことがあっても聞けない若手社員。

 

指示通りに動かない若手を

「デキない奴」と決めつけてしまうベテラン社員。

 

その結果、双方に不信感が募り、

フラストレーションが溜まって、

組織の雰囲気が悪化する・・・。

 

 

漁師塾では、こんな場面で登場する人がいます。

 

「漁業コーディネーター」

 

ベテラン漁師と参加者とをつなぐ仲介役。

 

漁業コーディネーターが参加者から

何を知りたいかを聞き出し、それを漁師に伝える。

 

 

 番組内では、ベテラン漁師に対して、

「この位置から、ここの位置まで

網を寄せるよってことを

 (参加者の)○○さんに教えてもらってもいいですか?」

とか、

 

魚の区分けを一緒にやりたくても、

それがベテラン漁師になかなか言えない参加者に代わり、

「魚を分けるのを一緒にやっても大丈夫ですか?」

と伝えたりしていました。

 

 

漁師側からすると

何をどう教えていいのかが分からない中で、 

それをちゃんと伝えてくれるのが 

漁業コーディネーターとなるわけです。

 

参加者側からすると、

教えてもらいたいことや

どう聞いたらいいか分からないことを

具体化して漁師に伝えてくれる存在となります。

 

ベテラン漁師と参加者とのコミュニケーションを

とりもつ漁業コーディネーター。 

 

この漁業コーディネーターの仕組み、

色々な職場で参考になるのではないでしょうか?

 

例えば・・・ 

 

作業現場のベテラン作業員と若手作業員との

仲介役としての 「現場の技術伝承コーディネーター」とか、

 

ベテラン営業と若手営業との

仲介役としての 「営業コーディネーター」とか、

 

建設現場の監督であれば、

ベテラン監督と若手監督との 

仲介役としての「監督コーディネーター」とか、

 

経営者と後継者との仲介役としての

「事業承継コーディネーター」とか・・・

 

 

本来は、こうした役を先輩社員や

身近な人が務めるべきだとは思います。 

 

が、こうした仲介役って、

それなりのスキルやノウハウを 

身に付ける必要があります。

 

双方の話を中立的な立場でしっかりと聴くスキル、

相手に分かりやすく伝えるスキル、

双方の気持ちを理解する共感のスキルや承認のスキル、

といったコミュニケーションスキルは必須でしょう。

 

更には、双方が何をどうしたいのかを

しっかりと理解するヒアリング力や

構造化する力等が必要になると思います。

 

それだけではなく、コーディネーターとしての

使命感もしっかりと持つ必要があるでしょう。 

 

漁業コーディネーターの島本幸奈さん曰く、

 

「我々が呼び込もうとしている若者たちって、

都会で暮らしてきているので、

ある意味“通訳”的な感じで間に入らせてもらって

認識を合わせていくというのは心がかけています」

 

とのことです。

 

もしも、こうしたコーディネーター制度を

導入したいと思われる方がいらっしゃいましたら、

ぜひお声がけください。

 

一緒に考えながら制度を構築していきましょう。

 

ちなみに、先ほどお伝えした

「事業承継コーディネーター」でいえば、

現経営者が後継者に対して、

何をどう伝えるかのワークシートは

弊社にて作成してあります。

 

このワークシートに基づき

現経営者と後継者のコーディネートが

できるようにしてあります。

最近、気づいたことがあります。

 

「あれ? そういわれたら

最近自分って、左寄りだなぁ」と。

 

いえ、左翼・右翼という

政治的な話ではありません。

 

先日、とあるオンラインセミナーに

参加したのです。

 

そのセミナーの内容を簡単にお伝えすると・・・

 

『他人を変えようとして変えられるものではない、

 動かそうと思って動かせるものではない。

 

 もし、変えたい、動かしたいと思ったら、

 まず必要なのは、信頼関係(ラポール)を築くこと。

 

 その信頼関係(ラポール)を築くためには、

 相手の話の内容をしっかり聴くことも大事だが、

 それ以上に大事なのは、

 相手のペースに合わせること(ペーシング)』

 

 

『物事は単なる現象であって意味はない。

 そこに人それぞれが解釈を加えて

 意味を見出しているだけ』

 

等々、人間関係・人間心理にまつわる内容でした。

 

で、こうした内容って、

私が20数年前に コーチングを勉強していた頃に

学んでいたことですし、

なにより講師の立場で研修でも

その頃、よく伝えていたことでした。

 

が、このセミナーを受けて思ったんです。

 

『最近、あんまりこうしたことを

意識していなかったなぁ、

 

  研修の場でもコンサルの場でもあまり人に

  強調して伝えていなかったなぁ』と。

 

完全に、論理的な思考に偏っていました。

 

いかに論理的に問題解決するか、

いかに分かりやすく論理的に説明するか、

いかに理路整然としたビジネス文書を書くか、

 

研修でもコンサルの場でも、

そんなことばかりを優先させていました。

 

逆に言うと、人の感情面を少し

ないがしろにしていたのかなと。

 

人を動かすということでいえば、

以下の図に示す通り、

右脳的な情緒的訴求と

左脳的な論理的訴求が必要。

 

 

人間性の低い、信頼関係のない相手から、 

どれだけ正しいことを理路整然と、

「こうしなさい、ああしなさい」と

伝えられても、行動は促されません。 

 

どれだけ客観的に間違いのないデータや事実を

示したとしても、信頼関係が築けていないと

人は動かない。

 

正しいことを論理的に分かりやすく

データや事例を示しながら伝えれば、 

人は誰しも変わるし、人はみな動く、

となれば、こんな楽なことはありません。

 

相手を一人の感情を持った人間として尊重し、

敬意を払い、言っていることを否定せず、

相手のペースに合わせながら、 

信頼関係を築いていく。

 

この信頼関係があってこそ、 

論理的思考(ロジカルシンキング)は

力を発揮するのではないでしょうか。

 

特に組織でリーダーの立場にある人は、

この図をしっかりと覚えておいてほしいです。

 

なぜならリーダーとして

発揮すべきリーダーシップとは、

人を動かす力だからです。 

 

リーダーシップとは、

「人により良い影響を与え、

その人やチームにとってふさわしい行動を促す力」 

だと定義しています。 

 

ただ、その行動を、

強制や権力、暴力によって促しているとしたら、

それは歪んだリーダーシップと言えます。

 

リーダー(管理職)は、メンバー(部下)を 動かして、

成果を出していく必要があります。

 

その行動を促すために必要なことを

しっかり念頭に置いていただけると、

今までと違った成果を出していけるはずです。

 

論理的思考、情緒的思考、それぞれを

身に付けていただける研修もご提供しています。 

 

ご興味のある方は、

ぜひこちらから ご連絡ください。

 

「お問い合わせフォーム」

 

御社の実情に合わせて、ご提案いたします。

 

 

追伸 

ここまで書いて、思い出したのは、

今年のプロ野球日本シリーズでの

DeNAベイスターズの逆襲。 

 

1戦目、2戦目で連敗した後、

ベイスターズの主将の牧選手が、

選手だけの緊急ミーティングを開催。 

 

そのミーティングの場で桑原選手が、

「もっと気持ちを1つにして戦おう」と

選手に呼びかけたそうです。

 

のちに桑原選手が語ったところによると 

「今の雰囲気ではソフトバンクに勝てない。 

勝ち負けだけじゃなく、

そういう雰囲気がやっていて腹立たしい。

負けて悔しくないんか?」 という

思いを込めての発言だったとのことです。 

 

(スクールウォーズの山下真司か!? 

と突っ込みたくなるのは昭和世代) 

 

 桑原選手のこの檄から4連勝での日本一。

 

「ソフトバンクに勝つためには、

初球ストライクから積極的に打っていこう。 

なぜなら、このデータを見てほしい」

というような論理的訴求ではありません。 

 

「悔しくないのか!?」という

完全に感情に訴えるもの。

 

で、この桑原選手の情緒的訴求が、

間違いなくDeNA選手の意識と行動を

変えたと思います。 

 

まさにリーダーシップ。

 

そこから大逆襲での日本一。

2戦目まででは考えられない展開でした。

 

まさかあの強いソフトバンクが、

負けるなんて・・・。

 

桑原選手の人間性と他の選手との信頼関係が

あったからこそ、

選手の意識と行動を変えられたのだと思います。

先月(10月)、とある製造業のクライアント企業さんで

新入社員フォロー研修を行いました。

 

4月に新入社員研修を受講いただいた

今年入社した新入社員の方々。

 

フォロー研修の目的は、以下の通り。

 

『入社してからの半年を振り返り、

自分自身の今後に向けての課題を考える』

 

 

研修の中では、半年間を振り返りつつ、

「現在感じている悩み、問題・課題」を

挙げてもらいました。

 

私自身、新入社員として半年が経った頃、

入社前の理想と現実にものすごいギャップを感じ、

そこそこ悩んでいた時期でした。

 

なので、新入社員の悩みや問題って、

放っておけなかったりするんです(^_^;)

 

で、どんな「悩み・問題」が、

新入社員から挙がったかというと・・・

 

 

●「初めてのことで分からなかったので、

  先輩に聞いたら、ため息をつかれた。

  それ以来、その先輩に聞くのが怖くなった」

 

●「職場の人と仲良くなりたいけど、

  なかなか仲良くなれない」

 

●「計画を立てるのが苦手。

     仕事の計画をうまく立てられない」

 

●「仕事の進め方が分からない」

 

 

新入社員ならではの悩みだとは思いますが、

本人にしてみたら、どれも切実な問題です。

 

 

●「組付けラインで組付け作業をしているが

 自分の組付けている部品がどんな働きをする部品か

 分からずに組付けているので、

 モチベーションが上がらない」

 

先輩や上司に聞けばいいじゃん、

って思うんですが、

本人にとってはなかなか

聞きにくい状況なのでしょう。

 

先輩や上司としては、仕事を任せるときには、

単に「○○をやって」というだけではなく、

仕事の意味をちゃんと伝えてあげてほしいものです。

 

 

●「職場の細かいコミュニケーションが少なくてイヤ」

 

ここでいう「細かいコミュニケーション」とは、

業務以外のコミュニケーション、

いわゆる雑談のことを言っていました。

 

仕事中、職場がし~~~んとしているらしいです。

 

新入社員にとっては辛いでしょうね。

 

 

 

他には、意識高い系というか、

仕事をもっとしっかりとやりたいという悩みも

挙げられてました。

 

●「もっと一人でできることを増やして、

   部署に貢献したい」

 

●「スキルが思うように身に付かない」

 

●「自分のできる仕事の範囲を広げたい」

 

●「ひたすら流れ作業で、考えることができずに

      仕事をやらされている感がある。

      仮説を立てて、検証するような仕事をしたい」

 

●「職場内に過去データがせっかくあるのに、

   部署全体としてそれらのデータを活かせていない」

 

 

まだまだ挙げられていたのですが、

私がメモできたのはこれぐらい。

 

で、新入社員がこうした悩み・問題を

感じているときこそ、

人材育成の絶好機だと思うのです。

 

まずは、こうした悩みや問題を

否定することなく聴いてあげる。

 

「新入社員なんだから、そういうもんだよ」

と勝手に終わらせず、

ちゃんと共感して聴いてあげる。

 

 

そのうえで、様々な質問を投げかけながら、

考えさせていく。

 

 

視座を高めるために、目的を明確にする

問いを投げかける。

 

例えば、

 

先輩・上司:

「なるほど、スキルが思うように

身についてない感じがしてるんだね。

 

もどかしいところがあるよね。

 

で、例えばだけど、

スキルを高めて、どんな成果が出せたら嬉しい?

 

もしくは、スキルが高まらないことで、

今、出したいけど出し切れてない成果が

あるとしたらどんなことかな?」

 

新人:

「それで言うと、資料作成が他の同期よりも

遅いんです。もっと早く資料を

作れるようになりたいです。」

 

 

問題を明確にする問いを投げかける。

 

先輩・上司:

「今は、資料作成にどれぐらいの時間が

掛かっているのかな?」

 

新人:

「他の同期が半日でやれることが、

私の場合は、1日かかるって感じです。

その分、どうしても他の業務ができなくなっちゃうし」

 

 

具体化する問い、優先順位をつけるための問いを

投げかける。

 

先輩・上司

「資料作成を同期と同じレベルの半日で

やるために、最も身に付けたいスキルって

具体的にどんなスキルかな?」

 

新人:

「それで言ったら、やっぱり

Excelのスキルかなと思います」

 

先輩・上司:

「Excelの中でも、特にどんなスキル?」

 

目標を決める問いを投げかける。

 

先輩・上司:

「Excelの○○に関して、

いつまでに、どのレベルを目指そうか?」

 

行動を決める問いを投げかける。

多面的に考える問いを投げかける。

欲しい支援を明確にする問いを投げかける。

 

先輩・上司:

「まず、何から取り組もうか?」

「周りの人にどんな支援をしてもらえたら、

そのスキルが高められそう?」

 

こんなスムーズに、新人が

答えられるかどうかは分かりません。

 

(フォロー研修では、私からの問いに、

比較的スムーズに答えてくれてはいました)

 

 

が、こうした質問を投げかけることにより、

仕事に必要な

 

「視座高く目的を捉える」

 

「何が問題なのかを明確にする」

 

「具体的に考える」

 

「多面的視点で考える」

 

「絞って考える(優先順位をつける」

 

等のことを教育できるのではないかと思うのです。

 

 

ただ、大前提となるのは、

こうした質問を先輩・上司が

できるようになっていることですね。

 

こうした問いは、

問題解決の基本的な考え方とスキルを

身に付けておければ、

そんなに難しくなく投げかけられるようになります。

 

弊社にて、

先輩社員、管理者の問題解決スキルを

高める支援をしております。

 

問題解決の基本的な考え方とスキルを

学んでいただきます。

 

そのうえで、御社における実際の問題を取り上げ、

問題解決を実践していただきながら、

問題解決力を高めていきます。

 

そうすれば、問題解決力を

高められるだけではなく、

 

人材育成に必要な“質問力”を

高めていくことができます。

 

ご興味のある方は、ぜひご一報ください。

 

お問い合わせは、こちらから

 

御社のご要望・実情に合わせて、

ご提案させていただきます。

複数の人、複数の部署が絡んで

チームで問題を解決していく場合、

非常に大事なことがあります。

 

 

 

大事なことなのですが、

意外と見落とされていることでもあります。

 

 

なにか?

 

 

「関係者間で問題を共有すること」

 

です。

 

  

当たり前だろ、という声が

聞こえてきそうな気もします。

 

  

が、問題を共有した気になって、

会議等で問題解決を進め、

うまくいかないということが

意外に多いのではないかと感じています。

  

とある企業さんの事例をお伝えします。

 

人数にすると3,000人規模の製造業。

その会社のとある部署の課長さんの話。

 

その課長さんが、

問題解決したいということで、

私にこんな話をしてきました。

 

『うちの部署の“あるべき姿”としては、

やっぱり課の一人ひとりが明るく元気に

働けている部署だと思っています。

 

でも、恥ずかしいかな、

“現状”はどうかというと

どうも元気がないし、暗い感じなんです。

 

“問題”はちょっと忙しすぎることかなと

考えています。

 

忙しすぎて、中堅層が若手に対して

指導ができていないというか・・・

 

それで、若手が成長感を得られず、

元気がなくなって、全体として暗い雰囲気に

なっているのかなと思うんです。』

 

 

あるべき姿=明るく元気な部署

現状=暗く元気がない

問題=忙しすぎること

 

 

これ、日常会話レベルで

話をしているのであれば、

全く問題ありません。

違和感もありません。

  

でも、これをチームで

解決していこうとした場合は、

絶対的にNGなのです。

 

何がNGか?

 

これでは、チームメンバー間で、

問題が共有できないからです。

 

なぜ、問題が共有できないのでしょう?

 

“あるべき姿”と“現状”、それと“問題”が

“解釈”で表現されているからです。

 

“あるべき姿”と“現状”、“問題”は

“解釈”ではなく“事実”で表現されなければ、

問題を共有することができないのです。

 

解釈とは、

「他者から否定される可能性のある内容」、

 

事実とは、逆に

「他者から否定される可能性のない内容」です。

 

例えば、想像してみてください。

 

もし、この課長さんが、部下を集めた会議で、

次のような話をしたとしましょう。

  

課長:今日、みんなに集まってもらったのは他でもない。

           最近、どうもうちの課の雰囲気が暗い気がする。

    

        私としては、やっぱり明るく元気にみんなに

           働いてもらえる部署にしていきたい。

 

          で、今日は、どうしたらもっと

          明るく元気な部署にしていけるか、

          そのためのアイデアを出してほしい。

          率直な意見も聞かせてほしい。

 

課長がこう切り出したたら、

ひとりの部下が手を挙げて・・・

 

部下:あのぉ~、いいでしょうか?

          うちの課って、そんなに暗いですか?

          私はどちらかと言えば、明るい方かなと

          思っているぐらいなんですが・・・

      

          〇〇部と比べたら結構元気な

          部署なんじゃないでしょうか。

          私自身、元気に働いているつもりですし。

     

          課長が、突然「元気ない」とか「暗い」とか

          言い出されたんで、

          若干戸惑っているぐらいなんですが・・・

 

課長:いや、みんな元気ないだろう。

           これで明るく元気って感じではないと

           思うんだけどなぁ。

 

これ、現状やあるべき姿を“解釈”で表現して、

問題がメンバー間で

共有できていない典型的なケースでしょう。

 

身近なところで言えば、

 

「最近太ったんで、痩せたいんだよね」

 

「全然、太ってないじゃん。

ちょうどいいぐらいだよ」

 

というのと同じレベルで

問題が共有できてません。

 

 

解釈で表現しているから、

問題が共有できていないんです。

 

問題を共有するには、

あるべき姿と現状を

事実で語る必要があります。

 

太った、痩せたいではなく、

「現状、体重が80㎏ある。

日常生活で負担がないようにしたい。

そのためには72㎏にしたい」

というように。

 

課長さんの事例で言えば、

 

課長:なるほど、〇〇さんとしては、

   元気で働いていると自覚してるんだね。

    

     ただ、先日、全社ストレスチェックをやったでしょ。

          その結果が、対象となった全50部署中、

          うちの課、46番目に悪かったんだよ。

 

           順位が高ければいいってわけでもないと思うけど、

           やっぱりこれでは、

           明るく元気な部署とは言えないと思うんだよ。

 

           ストレスチェックの評価基準からすると

           真ん中より上に行けてこそ、

           明るく元気な部署と言えるんだよ。

 

           できたら上位10位には入れるようにしたい。

 

 

これであれば、

解釈ではなく事実で語っていることになります。

 

 

あるべき姿=ストレスチェック全社順位10位

現状=全社順位46位/50部署中

問題=36位のギャップがある

 

 

 

課長さんが一人で、

もっと元気な部署にしたいなぁ、

どうしたらいいだろう、と考える分には

解釈でも構わないでしょう。

 

でも、チームで問題解決する場合は、

事実で語り、問題を事実で共有する

必要があります。

 

その事実で語るときに一番有効なのは、

あるべき姿と現状とそのギャップを数字で語る、

ということです。

  

これを意識するだけでも、

あなたのチームの問題解決力、

少し上がると思います。