目指せアンギラス型組織~VUCAの時代を生き抜くために(後編) | 組織変革成功講座

前回では、現在公開され、

国内外で高い評価を得ている「ゴジラ‐1.0」にちなみ

 

「目指せアンギラス型組織

~VUCAの時代を生き抜くために(前編)」

 

と題し、組織論に関するお話をお伝えしました。


 

今回は、その後編です。

 

ざっくり前号の内容をお伝えします。

 

ゴジラと最初に戦ったアンギラス・・・
 

特長は、動きが俊敏であること。

 

なぜ、俊敏な動きができるのか?

 

「体の様々な部位に主となる脳とは違う 

 別の脳が存在していて、 

 その脳が自律的にその部位を制御するから」。

 

これは現代の会社組織にも必要なこと。

 

会社組織も各組織に散らばった脳が

主となる脳と統一感を持って

同じ方向性で判断できる必要がある。

 

その統一感を引き出すには、

「各組織、各社員の役割(責任と権限)を

明確にすることがポイントになる」。

 

 

 

 

 

今回は

どうしたら組織の動きを俊敏にできるだけの

組織や個人の役割を明確にすることができるのか、

その方法についてお話しします。

 

 

 

 

 

まず、考えてみてください。

 

あなたの所属されている部署の

会社における役割は何でしょう?


 

また、あなたご自身の

会社・部署内における役割は?

と聞かれたら何とお答えになりますか?

 

会社全体を俊敏に動かすには、

各部署や各社員が、

各々の目的を明確に認識する必要があります。

 

その目的の認識が不十分だと

各部位を俊敏に動かせる脳になりきれません。

 

具体的にお話ししましょう。

 

以下は、今までに、私が

「あなたの部署(もしくはあなた自身)の役割は何ですか」と

聞いて、答えていただいた内容です。

 

「私の役割は、量産化の体制を整備することです」

 

「私の部署の役割は、工程の改善です」

 

「(生産技術部として)設備の製作です」

 

「医療用チューブの開発です」

 

 

これだけでは、単にやっていることを

表現しているにすぎません。


 

確かにやっていること=役割と言えなくもありません。


 

が、これでは組織を素早く動かせるだけの

脳にはなれないのです。

 

では、どう役割を表現したらいいのか?

 

やっていることだけではなく、

「どんな価値を提供するために」という

目的を明確に表現するのです。


 

 

以下、上記内容をお答えいただいた社員さんに

考えを促し、「価値」を文章化してもらったものです。

(青字の部分が「価値」であり目的です)

 

作業に慣れていない人でも

すぐに製造にあたれるだけの

(そんな価値を付け加えた)

量産化の体制を整備すること」

 

「他の人と違った発想で、

労災のない安全であり、かつ低コストな

生産が実現できるだけの工程改善」

 

「単なる設備の政策をしているのではなく、

誰が使っても安全性が担保されるだけの

設備の製作」

 

「単なる医療用のチューブの開発ではなく、

本当に患者さんに負担のない医療用チューブの開発」

 

 

この「価値」を仕事を通して生み出すことが

自分の仕事の目的であり、役割ということです。

 

この「価値提供(目的)」が

考えられてこそ「脳」になれる。

 

なぜなら、「やること」ではなく、

「何のため」にその「やること」を行う必要があるのかが、

認識されるからです。

 

以下のような感じです。


 

「自分たちがやっていることは、

単に量産化の体制を整備することではない。

作業に慣れていない人でも

すぐに製造が行える量産化の体制を

整備しなければならない。

どうしたら、もっと高いレベルで

作業に慣れていない人でも

簡単に製造ができる体制にできるだろうか?」

 

と価値のレベルを上げるために

「考える」ことが必要になるのです。

 

 

「単なる医療用のチューブを開発しているのではない。

患者さんに負担の無い医療用チューブを開発することが

我々の部署の役割だ。

今よりももっともっと患者さんに負担の無い

医療用チューブにしていくにはどうしたらいいだろう」

 

 

自分たちが提供すべき価値を

明文化することで、

このように考える必要が出てきます。

 

だからこそ統一感を持って、素早く動ける。 

 

組織の長は、「自部署の役割」を

「提供すべき価値」を含めて

明確にする必要があります。

 

「○○な価値が付け加えられた

    ××(モノ・サービス)を提供すること

   これがうちの部署の役割」

と。

 

それがあってこそ、社員一人ひとりの役割が

明確に描けるはずです。

 

社長は社長で体の全体に散らばった脳が

責任と権限を逸脱した勝手な判断をせず、

組織全体としての統一感を出すために、

動くべき方向性を明確にする。

 

各組織の長は、自部署の役割を、

単に「やるべきこと」ではなく、

提供すべき価値(目的)を付け加えて明確にする。

 

社員一人ひとりは、自分の役割を

同じく、やっていることではなく、

価値(目的)を含めて明確にする。

 

これができてこそアンギラス型組織になれる。

 

ちなみに、初代アンギラス・・・。

 

2代目ゴジラに放射火炎で

大阪にて焼かれてしまいます。

 

どんだけ体の各部位に脳が散らばっていて、

素早く動けても、怪獣の王ゴジラには

敵わなかった・・・

 

であれば、どうした生き残れるのか・・・

 

2代目アンギラスは、

ゴジラの味方になりました。

 

ゴジラの味方になり共に、

キングギドラやガイガンと戦いました。

 

メカゴジラには、

口を裂かれて血まみれになるぐらい

ゴジラに忠誠を誓っていました・・・

 

中小企業・小規模事業者(アンギラス)は、

大企業(ゴジラ)と協業するか、

もしくは大企業(ゴジラ)がいないところで

自分の強みを発揮するということでしょうか?