たとえ売上が半分になったとしても・・・ | 組織変革成功講座
宮崎駿監督が引退を表明しました。

特にファンというわけではありません。

「ハウルの動く城」を当時まだ幼稚園児だった娘と映画館に

見に行ったぐらいで、その他の作品は見たことがありません。

こんなこというと、かなり驚かれます。

というか、引かれます。

「『となりのトトロ』、見たことないんかぁ!?」って。

まぁ、それはさておき、

宮崎駿監督が引退会見の席上でいっていたのが以下の言葉。


「子どもたちに『この世は生きるに値するんだ』と言うことを

伝えるのが、自分たちの仕事の根幹になければいけないというふうに、

思ってきました」。


カッコよすぎます・・・。


やはり仕事をやり遂げるというか、成功している人や組織って、

こうした「根幹」を持っているんですよね。

もう少し違う言い方をすると、

「自分たちが仕事をするうえで何があっても譲れないこと」

「もし、これを踏み外したら、自分たちが仕事をする意味はない、

自分たちの存在価値はなくなること」

というものでしょうか。


揺るぎのない信念に裏打ちされた使命感といってもいいかもしれません。


残念ながら、先述のとおり、

宮崎駿監督の作品は、ほとんど見たことがないんで、

宮崎駿監督が言う「根幹」がどれだけ作品に表現されているのか、

自分では実感を持つことができません。


が、これだけ多くに人たちに映画が見られているということは、

きっと作品から「生きる喜びや生きることの意味」が、

見た人には伝わってくるのでしょう。

今放映中の「風立ちぬ」は見に行ってもいいかなという気にはなってます。


話は少し変わりますが、

先日(9月5日)のカンブリア宮殿に

三井物産株式会社の社長 飯島 彰己(いいじま・まさみ)氏

が出ていました。

飯島社長も、宮崎駿監督と同じことをいっていたんです。

http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/20130905.html


司会の村上龍から、

「現代の総合商社は何をする会社か、

できるだけ分かりやすく短くいうと、どうなりますか?」

と言う質問を受けて、以下、飯島社長の発言。

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端的に申し上げますと、世界中の人々が必要としている

「モノ」、「コト」をですね、お届けする仕事。

だから、私どもが一番得意とするのは、国と国をつなぐ、

企業と企業をつなぐ、人と人をつなぐ、「つなぐ」ということが、

ものすごくひとつのキーポイントではないかと考えています。

国と国をつなぐ、企業と企業をつなぐ、ということが、

ちゃんと守られていれば、やらないことはない、

できないことはない。

基本は、それが本当に「良い仕事なんですか」とか

「コンプライアンス上問題ないんですか」と。

ここだけを基軸として持っておけば、どんな仕事でもやっていける。

ただ、そこは必ず基軸として持っていなければいけないのは、

「国づくりにお手伝いできるか、貢献できるか」

ここのポイントは一番大きいですね。

(以上)

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三井物産もやっぱり宮崎駿氏が言う「仕事の根幹」を持っていますよね。

「自分たちが仕事をするうえで何があっても

国づくりにお手伝いするということだけは守る」、

「もし、国づくりのお手伝いではない仕事をしたら、

自分たちが仕事をする意味はない、

自分たちの存在価値はなくなる」

と言うように言い換えられるはずです。


あなたの会社が仕事をするうえで、

もしくは、あなたが個人的に仕事をするうえで、

「絶対に譲れないこと、守るべきこと」は何ですか?


例えば、

「これをやったら売上が倍になる。

でも、○○だからこの仕事は受けない」

とか、

「これをやったら売上が半分になってしまう。

でも、○○だから自分たちが引き受ける」

と言った場合の○○に入ることっていってもいいでしょう。


もちろん、法令を遵守するのは当たり前のことであって、

それ以上のことですよ。


宮崎駿監督に当てはめれば、

「子供たちにこの世は生きる価値があることを伝えられないような

仕事は絶対にしない。売上が倍になったってやらない」

「たとえ売上が半分になっても、

子供たちにこの世は生きる価値があると伝えられるなら、

この仕事をやろう」と思えるってことでしょうか?


もちろん、ビジネスですから、採算は考えなければいけません。

が、あえてこの仕事の「根幹」ってやつを明確にしようとしたら、

こんな質問もありかなと思います。


弊社の場合は、ちょっと宮崎駿風に言わしてもらうと、こんな感じ。


「働く人たちに、

『一生懸命働くってこんなに素敵なことなんだ』ということを

今以上に実感してもらうのが、自分たちの仕事の根幹になければ

いけないと思っています」