オンライン平和学習会のご案内(Jitsi-Meetアプリ使用)

「憲法審査会の動向や地方自治法改正案の問題を考える」

◎講師:清水雅彦さん(日本体育大学・憲法学教授)

◎日時:5月31日(金)19:00~20:30頃 ◎無料

 

【自公や改憲野党が進める改憲の最近の動き】

衆議院憲法審査会で、大規模災害など緊急事態での国会機能の維持について、自民党、日本維新の会、公明党、国民民主党は国会会期期間中の6月23日迄に、可能であれば改憲原案をまとめたいと主張。それに対し、例えば立憲民主党は「安易に国会議員の任期を延長すべきではない。政治とカネの問題を解決していない自民党に改正を論じる正当性はない、慎重かつ多角的に議論すべきだ」と主張しています。参議院憲法審査会では、憲法で規定されている「参議院の緊急集会」を巡り、大規模災害などの緊急時に国会機能を維持するには、緊急集会で十分なのか、それとも憲法改正による衆院議員の任期延長が必要なのか、自民と公明の意見も異なり、各党の主張が割れています。

 

【地方自治法改正案の問題点】

辺野古基地建設に反対する県に替わって国が工事を承認する代執行の訴訟では、国の勝訴が確定されています。今国会で審議されている地方自治法改正により、政府が地方自治に対し、非常事態などに、国が地方自治体に従わせる「指示権」の拡大が行われようとしています。中島岳志・東京工業大教授は、国による地方の「統制」の流れが強まりかねないと指摘しています。

 

【オンライン平和学習会への接続の方法】

主催者の戸井田宗二郎さんに申し込んでオンライン平和学習会に入るURLとパスワードを教えてもらうことになりますが、全くの個人で連絡先を携帯電話番号にしているので、ここには記載しません。私から戸井田さんに連絡しますので、30日までにご連絡ください(戸井田さんとは、1990年代の市民平和訴訟でご一緒していました)。

18・19日の土日は学会でした。18日は上智大学で全国憲法研究会、19日は早稲田大学で憲法理論研究会。コロナ後、やっと対面のみでの開催となったため、18日は事務局がレジュメを増し刷りするほどの多くの参加者がありました。やはり、同じ場に集うというのは大事なことで、学会前後や休み時間など、久しぶりに会う研究者仲間同士で直接話ができるのは本当にいいですね。一方、報告を聞いていて、憲法学界の保守化を感じました。これで今後大丈夫なのかと

20日は授業2コマ以外に、お茶の水での1000委員会会議や帰宅後もオンラインでの会議もあり、忙しい1日でしたが、午前中は札幌学院大学で私の授業を取っていた元学生(ゼミ生ではない)が相談したいことがあるとのことで研究室に来たので対応しました。お土産に人気酒造株式会社(福島県二本松市)の「人気一 ウルトラマンシリーズ基金 純米総攻撃」をもらいました。このようなお酒があるのですね。

 

西尾正道『被曝インフォデミック』

寿郎社、A5判132頁、定価:本体1100円+税

 

本書は、国立病院機構北海道がんセンター名誉院長の西尾正道さんが、2011年の福島原発1号機は水素爆発したが、3号機は核爆発を起こしており、これにより放射性物質が拡散され、今後、内部被曝による被害者が出てくることに警鐘を鳴らす1冊。「インチキ」「ゴマカシ」「デタラメ」などの表現の多用はよくないと思いましたが(西尾さんにも伝えました)、写真や図表など多く使い、視覚的にもわかりやすくまとめられています。本書は、西尾さんからいただきました(講演時のレジュメも)。

 

寿郎社ホームページ

https://jurousha.official.ec/items/41229491

 

 

 

濱中都己『世にも恐ろしい損保犯罪の話』

平成出版、本体価格1300円

本書は、母親が交通事故に遭い、加害者の任意保険で母親の治療費などが支払われることになるのですが、途中で損保会社が一方的に治療費を打ち切り、さらに債務不存在確認訴訟まで起こすような経験をした著者が、この経験と、さらに損保会社が利潤追求のために行っていることを暴く1冊。交通事故被害者になった場合、加害者が任意保険に入っていれば、損保会社と交渉することになりますから、時に大変かと思います。私自身、以前、バイク走行中に横から出てきた車にぶつけられ、確かにこれまでの過失割合の事例からすれば車90対バイク10なのですが、損保会社と交渉して車95対バイク5にさせたことがあります。ただし、これは珍しい事例かと思いますが、油断するといくらでも損保会社は保険金支払額を抑えようとする可能性があるでしょう。なお、濱中都己さんは、現在選挙中の静岡県知事選挙に立候補されている方です。本書は、濱中さんから直接いただきました。

 

平成出版ホームページ

https://syuppan.jp/books/article_000821.php

 

上掲チラシの通り、6月30日(日)14時から16時15分まで、神奈川県相模原市・杜のホール・はしもとセミナールーム2で、神奈川子どもの今と未来を守る会主催の「学習会★教えて清水先生!」が開催され、私が「『安保関連3文書』と九条」というテーマで講演をします。相模原・橋本周辺の方で、ご関心のある方は、ぜひご参加下さい。

本作品は、戦争で家族を亡くし、体を売って1人暮らす女(趣里)の下に、同じく戦争で家族を失い、闇市で食べ物を盗んで暮らしていた子ども(塚尾桜雅)が転がり込み、2人で生活するようになるという話。塚本晋也監督・脚本・撮影・編集・製作による2023年日本映画。

 

1960年生まれなのに(先の戦争を知らない世代なのに)、『野火』(2014年)といい、先の戦争を描く塚本監督はなかなかすごいですね。この映画では、若い復員兵(河野宏紀)やテキ屋の男(森山未來)も登場しますが、2人ともあの戦争を引きずって生きており、4人それぞれが戦争犠牲者なのです。大金をかけたCGで作らなくても、これだけのものを作ることができるという作品です。

 

映画公式サイト

https://hokage-movie.com/

 

本作品は、シーザーが死んでから300年後、人類はさらに退化し言葉も話せない野生動物のような存在になる一方、平和に暮らしていたチンパンジーのイーグル族のノア(オーウェン・ティーグ)が、言葉を話せる人間のメイ(フレイヤ・アーラン)と出合うが、新しい王国(キングダム)を建設しているボノボのプロキシマス・シーザー(ケヴィン・デュランド)らに捕らえられるという話。ウェス・ボール監督による2024年アメリカ映画。

 

本作品は、1968年から73年まで作られた『猿の惑星』シリーズの後、2011年から17年までのリブート3部作に登場したシーザーの死後300年という設定で新たに作られたわけですが、人類と猿は共存できるのか、猿の中にある対人間支配派と共存派の対立といった、『X-メン』シリーズにもあった構図があり(『X-メン』シリーズの人間対ミュータントの関係は白人対アフリカ系がベースになっていると言われていますからね)、娯楽作品としてこういう映画を作るとは感心します。145分はちょっと長いと思いますが、日本映画はここまでお金をかけてCG作品を作ることもできず、さすがアメリカ作品だと思いました。今回の作品、終わり方からすると、続編がありますね。

 

映画公式サイト

https://www.20thcenturystudios.jp/movies/kingdom-apes

 

 

本作品は、互いに相手のことが好きでありながら言えなかったソウルに暮らす12歳のナヨンとヘソンが、ナヨンの親の仕事の関係でカナダに移住することになり離ればなれになってしまうが、12年後、英語名をノラとして劇作家の仕事をしていたナヨン(グレタ・リー)とヘソン(ユ・テオ)がオンラインで再会したものの2人の関係は進展せず、さらに12年後、作家のアーサーと結婚し、ニューヨークに住むノラにヘソンが会いに行くという話。セリーヌ・ソン脚本・監督による2023年アメリカ・韓国映画。

 

たまには純愛映画でもと思い見に行ったのですが、韓国の言葉のイニョン(摂理、運命)をキーワードに、前世からの縁と来世ではどうかという話が私には全く無理で、「好きだったら何で言わないの。じれったい」と思ってしまいました。

 

映画公式サイト

https://happinet-phantom.com/pastlives/

 

本作品は、1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が殺害され、94年に逮捕された久間三千年氏が、2006年の最高裁判決で死刑が確定し、2008年に死刑が執行された飯塚事件について、事件捜査にあたった当時の元警察官、久間氏の弁護士、事件を報道した西日本新聞記者らのインタビューを中心に構成されたNHKBS1スペシャル番組の映画化作品。木寺一孝監督による2024年日本映画。2022年度文化庁芸術祭テレビ・ドキュメンタリー部門大賞受賞(NHK番組)。

 

これはすごい作品です。普段、テレビを見ないので、BS番組の方は知りませんでした。158分という長さを感じさせることなく、ぐいぐいと引き込まれていきます。飯塚事件について、3者の言うことが異なり、まさに『羅生門』の世界。しかも、飯塚事件の真相は未だわからず、「藪の中」。元警察官らは今でも久間氏の犯行を疑わず、状況証拠だけで十分だとか、この手の事件がその後起きていないから犯人は久間氏だと言い、「弁護士は証拠を作る」「裁判ちゅうのは検事と弁護士の芝居、どっちが上手かで有罪になるか無罪になるかです」とまで言うのです(よくこのような発言を引き出したものです)。証拠となったDNA型鑑定のMCT118は足利事件では否定されたのに。西日本新聞記者らの、当時は久間氏が犯人だと考え報道したものの、その後、疑問を抱き、2018年から2年間83回の検証報道をしたというのは真摯な姿勢ですね。そして、記者の言うとおり、「疑わしきは被告人の利益に」のはずなのに、確かに怪しいのかもしれませんが本人が否認し、状況証拠しかないのに、なぜ死刑判決を出して、わずか2年で執行できるのか。これ、どう考えてもおかしいです。いつ誰が冤罪事件に巻き込まれ、最悪、国家に殺されるかわかりませんから、多くの人にこの映画は見てほしいものです。

 

映画公式サイト

https://seiginoyukue.com/

 

昨日(5月12日)は、5月2日ブログでお知らせした、LEPIA主催の「憲法Café&Bar」が開催され、私が「憲法基本のキから希望のキまで対話しよう!」というテーマで話題提供をしてきました。形式は、まず最初に参加者一人ひとりが自己紹介を行い、私の話題提供の後に質疑応答・討論をするというもの。主催者の依頼内容が憲法全般で、絞り込まれていなかったので(連続講座ならわかるのですが)、私からは消化不良を起こすことを先に述べておいたのですが、質疑応答では参加者それぞれの関心のある憲法問題を質問されるので、あちこちに飛んでしまい、一つのテーマで深入りするのが困難だったことは残念でした。やはり、テーマは絞り込んだ方がいいです。北海道にいた時は、飲みながら講演をする4回連続の「憲法居酒屋談議」を行いましたが、飲みながら憲法について考えるという形式自体は大変いいと思いました。