グローバル人財育成~商社の事例から | コンサルサルのぶろぐ-思考、読書、雑感などを語る

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三井物産のグローバル人財育成の記事を見つけました。


一昨日母校で関わらせて頂いているグローバルリーダー育成プログラムの新しいカリキュラムの検討をしました。


この5年間、プログラム運営し研究してきたの一つの結論として、


・ 基礎学力、読書そして語学はMust


・ 「世界に出る」「一流の環境・人材に触れる」「Crusibleな経験をする」「先駆者・開拓者精神を持つ」


これらの要素が、これからのグローバルリーダーにとって必要であると定義づけました。


本日たまたま商社のグローバル人財育成に関する記事があり、今後の参考になるかと思って、備忘録的に投稿します。



三井物産 世界共通の研修 ハーバード流で幹部育成…日経新聞8月8日13面より

[引用元]
http://dreammakerk.blog92.fc2.com/blog-entry-3428.html


三井物産は米ハーバードビジネススクール(HBS)と組み、新たな幹部候補育成研修を導入した。日本人だけでなく海外拠点などから優秀な外国人社員を選抜。

国籍や採用地を問わない世界共通の研修制度にしたのが特徴だ。外国籍社員を幹部に本格登用することもにらんで、グローバル人材の育成を急いでいる。

「これからの企業の持続成長には目先の利益追求ではなく、社会に受け入れられる共通価値の創造が大切です。皆さんはどう考えますか?」

7月12日、米ボストン市。HBSの講義室でマイケルーポーター教授が話し出すと、受講者からは質問や意見が続出。白熱した講義は予定を30分以上超過した。

これは、三井物産が今年度から導入した幹部候補育成研修だ。HBSと独自カリキュラムを作成し、日本や海外拠点から40歳前後の中堅社員約30人を選抜。5月の大阪研修に続き、HBSの第一線の教授陣を招いて約10日間米国で研修した。

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングやエーザイなど、日本企業を含む膨大なケーススタディーを用意。リーダーシップや新たなビジネスモデルを巡って朝から晩まで英語で議論する。日本人参加者のTOEICスコアは皆920点以上だが、中身が濃いため深夜まで予習・復習をしなければついていけないハードさだ。

参加した法務部のクレア・ウィーバーさん(37)は欧州三井物産の現地採用社員。「私にはすごいチャンス。チームマネジメントなど今後の仕事に生かしたい」と目を輝かす。

鉄鋼製品本部鉄鋼プロジェクト室の松尾武マネージャー(39)も「研修はハードだけど、いろんな意見が出て刺激になる。狭い範囲で仕事を考えていたことにも気づいた」と感想を語る。

三井物産には従来も幹部候補の育成研修はあったが、対象が日本人中心だったため、視野の広がりや研修内容に限界があると判断。

今回は半分を外国籍社員にし、一部は米ダウ・ケミカルやブラジル資源大手のヴァーレなど取引先からも社員を招いた。刺激を受けやすく、かつ人脈形成にも役立つ環境を整えた。

「世界トップレベルのHBSと組み、グローバル時代に合った研修作りを心がけた。今後も改良して充実させたい」と、石川博紳執行役員人事総務部長(56)は話す。

三井物産のグローバル人材育成はこれだけではない。今年度から若手社員を中心に、実務研修として3ヵ月~1年間、毎年約120人を海外に派遣する制度を導入。入社5年以内に全員が海外経験を積むようにした。

アジアなど海外の大学新卒採用も順次増やすほか、海外現地社員も本社に出向させて「物産流」の仕事の進め方を学ばせる。グローバル時代を見据え、海外人材の育成と日本人社員の活性化を同時に進める狙いがある。

遅れていた外国籍社員の登用も、少しずつだが進みつつある。例えば、韓国採用の現地社員だった兪承燁さん(39)。

実績が認められて数年前、東京本社採用に転換。今では欧州三井物産のゼネラルマネジャー(GM)として、プロジェクト開拓に奔走している。

三井物産は本社採用社員の6095人に対し、現地採用の外国籍社員も3000人規模に達する。だが現状では海外拠点長に抜てきされた人は3人、課長職は33人にとどまる。

石川部長は「今後大幅に増えるだろう。東京本社の部・室長にも外国籍社員を登用する可能性が高い」と話す。商社は資源高で業績好調だが、今後の主戦場である新興国での競争は一段と激化している。

「国籍を問わず優秀人材が切磋琢磨(せっさたくま)する環境」社長)を整えつつ、海外の商慣習に精通した人材育成を急ぐ考えだ。


 海外で活躍できる人材確保 産業界全体の課題

産業界では世界規模で活躍できる社員の育成が共通課題に浮上している。人口減による内需減少に加え、欧米先進国も景気が停滞。主戦場となる新興国での事業を拡大するには、異文化の商慣習を理解し現地社員を束ねられる人材が不可欠になっているからだ。

成功のカギはいくつかある。日本能率協会の近田高志・事業創発グループ長は 「グローバルに共通する理念の明確化と浸透が重要」と強調する。

単に研修を実施するだけでなく、その後の経験を積ませるキャリアパスの設計もカギという。
もっとも、グローバル人材の育成に正解はない。産業能率大学総合研究所の杉原徹哉マネジメントリサーチセンター長は「自社の発展段階やグローバル化の進展度合いを見極めた上で、どんな人材が必要か。それぞれの企業ごとに対応策を考える必要がある」と指摘する。


あとこれも参考になりそうです。
http://leaders-post.com/blogger/article/blogger_id/2/article_id/7438