「彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず」
「彼」=「中学入試」の情報収集を思い立ち、
いくつかの学校の入学試験情報を調べてみました。
各学校の入学試験情報を調べるにあたって、
個人的に重要項目だと考えるのは次の3点です。
・教科別の出題傾向
・教科別の配点(配点比率)
・合格最低点(必要得点率)
今回は「合格最低点」についての後編。
■シミュレーション
前編で取り上げた2校の入試を用いて、
教科ごとの得意不得意を反映する形の
合否シミュレーションを作成してみました。
例えば、国語が苦手なパターンの場合、
・国語:不合格者平均点
・他3教科:合格者平均点
として、合格最低点を超えるかの確認です。
かなり衝撃的な結果になっていますが、
下表をご覧いただければと思います。
●例:豊島岡女子学園 2022年 第1回
●例:浦和明の星女子 2022年 第1回
両校とも算数苦手シミュレーションの場合、
他3教科で合格者平均点を得点できても、
結果は「不合格」
個人的にはこの結果に衝撃を受けました。
「算数できないと絶対受からないじゃん」
算数一点突破のシミュレーションは、
・算数:合格者平均+10点
・他3教科:不合格者平均点
ですが、結果は両校とも「合格」
算数無双女子に限っては、
多少の「国語が苦手」や「理社が苦手」は
全く問題にならない可能性が高いです・・・
今年の入試に限ってなんじゃないの??
偶々なんじゃないの??とも思いましたので、
21年度入試分でもシミュレーションしました。
●例:豊島岡女子学園 2021年 第1回
●例:浦和明の星女子 2021年 第1回
21年度入試の結果も22年度と同様、
この2校は算数が最重要科目と言えそうです
■総合偏差値だけでなく、教科偏差値も
国語と理社が合格平均点を得点できても、
算数を失敗すると不合格って怖すぎます。
各塾が公表している80%合格偏差値ですが、
これは4教科の総合偏差値に基づいています。
しかしながら、
女子難関校の合格最低点を超えていくには、
4教科の総合偏差値の値だけではなく、
各教科の偏差値構成も重要になると言えます。
偏差値64の浦和明の星 第1回入試において、
・国語68、算数58、理社68、4科総合66
・国語60、算数68、理社60、4科総合63
このような二人の子が受験した場合、
前者は、まさかの不合格があるかもしれませんし、
後者は、逆転合格の確率が高いかもしれません。
今回のシミュレーションについては、
豊島岡と明の星の第1回入試での傾向であり、
他の中学校に通用する内容ではありません。
読者の皆さまにおかれましても、
志望される学校の受験結果情報を確認いただき、
データ分析されても面白いかもしれません