「彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず」
「彼」=「中学入試」の情報収集を思い立ち、
いくつかの学校の入学試験情報を調べてみました。
各学校の入学試験情報を調べるにあたって、
個人的に重要項目だと考えるのは次の3点です。
・教科別の出題傾向
・教科別の配点(配点比率)
・合格最低点(必要得点率)
今回は「教科別の配点」について。
■四科目に占める国算配点比率
下記は首都圏の代表的な難関中学校の
受験全科目(四科)の合計点に占める、
国語+算数(二科)の配点比率の一覧です。
●男子校
・筑波大学附属駒場中学校_50.0%
・開成中学校_54.8%
・麻布中学校_60.0%
・武蔵中学校_62.5%
・駒場東邦中学校_60.0%
・聖光学院中学校_60.0%
・栄光学園中学校_58.3%
●女子校
・桜蔭中学校_62.5%
・女子学院中学校_50.0%
・雙葉中学校_66.7%
・豊島岡女子学園中学校_66.7%
●共学校
・筑波大学附属中学校_66.7%
・渋谷教育学園渋谷中学校_66.7%
・渋谷教育学園幕張中学校_57.1%
・慶應義塾中等部_66.7%
・早稲田実業学校中等部_66.7%
■配点比率の考察
●男子校の特徴
「国3:算3:社2:理2」=国算:60.0%
国算6割が男子校の定番比率のようです。
(上記以外では海城、浅野なども60.0%)
●女子校の特徴
「国2:算2:社1:理1」=国算:66.7%
この比率が女子校の定番比率のようです。
(上記以外では浦和明の星なども66.7%)
男子校と比較して、国算重視の配点です。
裏を返せば、理社軽視の配点とも言えます。
●共学校の特徴
筑附と渋渋は女子校的配点になっていて、
反対に渋幕は男子校的配点になっています。
同じ渋谷教育学園の系列校であっても、
渋谷と幕張で10%近く配点比率が異なります。
この2校を併願した場合、ボーダー付近の子は、
得意科目によって合否が分かれる気がします。
●特異性のある学校
・筑波大学附属駒場中学校
・女子学院中学校
この2校は四科目均等配点校です。
「総合力勝負!」と学校が主張していますね。
得意科目を伸ばしていくよりも、
不得意科目を無くす戦略が必要そうです。
■所感
中学受験の配点は大学受験と似ており、
科目ごとに傾斜があることが普通のようです。
首都圏の代表的な難関中学校の中で、
四科目均等配点の学校は2校のみ。
ということは、この2校を除いた進学校では、
「国語と算数」が「理科と社会」よりも
配点的には重要視されているということです。
加えて、男子校では配点傾斜が緩やかで、
女子校では男子校よりも傾斜が顕著です。
配点だけでシミュレーションすると、
「算数が苦手、理社が得意な女の子」は、
女子学院では善戦する可能性が高いと言え、
桜蔭や豊島岡では苦戦するかもしれません。
本命校はもちろんですが、併願校含め、
配点と配点比率をしっかり把握することも、
合格への重要な手がかりかもしれません。
■余談
女子学院の募集要項を確認している際、
四科目均等配点というトピック以外に
もう1つ驚くべきことを発見しました。
試験順序が特徴的な順番になっています。
・女子学院:国語→社会→理科→算数
・一般他校:国語→算数→社会→理科
算数に苦手意識を持つ女の子が多い中、
一番動揺しやすい教科が一番最後というのは、
他教科で実力発揮しやすい順序だと思います。
加えて、試験の最後で算数を配置するのは、
集中力の持続性を試している、とも言えますね。
「優しさの中に厳しさもある学校なのかな」と
均等配点と試験順序から勝手に推察しました。