翌週、同じ工務店が建てたという建売物件をモデルハウスとして見せてもらえることに。

なんの面白みもないTHE建売という感じだったが、特段変わったところはないのでヨシ。

 

そしてポンコツ営業から、担当を営業部長と名乗る27歳の男性に変更してもらった。

こいつも中々鼻につくところはあるが、まあ我慢。

 

家のイメージを固めていくため、質問をしまくってみる。

 

Q.間取りはここから自由に変えられるのか?

A.土地の契約後に工務店にバトンタッチするから、そこで調整してくれ。

 

Q.今現在で土地+建物で○○万円と聞いているが、これより安くなることはないか?

A.むしろ、標準仕様から充実させた分は高くなるから覚悟しとけ貧乏人。

 

Q.標準仕様って?

A.床暖とかダウンライトとか。お前の好きな食洗機もあるで。

 

 

熟慮とノリを相乗りさせた声色で、「じゃあ買いますわ」と宣言。

 

ノリの根拠となるものとして、建築条件付き土地は、土地売買契約締結後、

3ヶ月以内に工務店と建物の請負契約が締結されなかった場合は契約は白紙となり、頭金も全額返しになるという消費者優位な背景がある。

最悪、途中で嫌になってきたら「工務店がオレの理想を実現してくれない」とゴネたらええという魂胆である。

 

では、次回契約するので頭金100万持ってこいとカジュアルに宣うクソガキ営業部長。

謹んで用意させていただきます。

(ATMでは1日50万しか下ろせなかったので、2日に分けて下ろしましたとさ。)

「守銭奴」と辞書を引けば『ーお前のこと。』と記されていてもおかしくないほど、俺はお金を使わない。

投資(投機)を除けば、人生最大の買い物は30万円程度のドラム式洗濯機のような気がする。

 

そんな人間が少し尻を叩かれた程度でうん千万の買い物をするわけがない。

となれば、ひたすらあれこれ調べるしかない。

 

・工務店の名前を検索

⇒Googlemapで✩1が二つ。不安になる。

 

・営業に聞いてみる

⇒足りないのは経験かおつむか、こちらの質問に全く答えられない。

 あげくイライラし始めてしまうため、担当者の変更を店舗に求める。

 

・住宅ローン

⇒営業から出された超概算の見積もりの中に「住宅ローン事務手数料」なるものが。

 要するに、手数料10万円を拝借するが、住宅ローン締結に係る手続きを代行しますというもの。融資元も金利がやや割高な地元地銀。1つも旨味がない。

 適当に調べると、やはり金利はネット銀行が安い。デメリットは審査が通りづらいこと。

 アリさんマークの引越社に次いで真面目にやってきているから、我の与信管理にぬかりなし。

 

・控除とか補助金とか

⇒はからずも、今でしょ、としか言えないタイミングのご様子。

 今(R5.4時点)契約したとしても余裕で年内には完成するとのこと。

 

 

…ついに住宅ローン債務者になる時がきたかと、いささか早い段階ではあるが身震いをする。

その傍らで、飼っているハムスターが寝床に床材をパンパンに詰める作業に勤しんでいる。寒いよな。ごめんな。

時は3月某日。

仕事は最繁忙期を迎え、残業時間は優に100時間を超えてくる。

その中の休日の合間を縫って、家探しを進める過酷な環境…というわけでもなく、家探しが最高の余暇となっていた。

それこそ、従前から暇なときには、引っ越す予定もないくせに近隣でいい賃貸がないか探し続けていたほどである。

 

程なく、その1のマンションの近く、駅から徒歩5分ほどの駅近の土地が現れる。

土地の広さは25坪程度と大きくはないものの、駅から徒歩5分の好立地で、土地の形は整っており、何より相場より2割程度は安い。破格である。

 

すぐさま問い合わせ、ケインコスギがイメージキャラクターを務める某FC店に向かう。

 

強気ではあるが素人感満載の営業マンに話を聞くと、建築条件付き土地ではあるものの、条件は悪くなさそう。

ハウスメーカーは地域密着タイプの零細工務店。

 

土地が安いだけあって坪単価は70万程度と、中堅ハウスメーカーばりの価格であるのがやや気になるものの、総額としては割安な印象。

 

他に検討している家族がいるらしく、その人の依頼で作られたパースや間取りを見せてもらう。良い。

はよ決めんと取られまっせと尻を叩かれるものの、得意の片上げ口角で一旦検討しますと帰宅する。

 

帰ると、迎えるは凍てつく1LDK。

その日だけは、この寒さが我々の背中を押してくれるような気がしたのでありました。

ホームズ・スーモ・アットホームの不動産御三家(非公式)を、毎日ぐるぐる回る日々を続け、なかなか良さげな新築戸建を見つける。

その1のマンションからほど近い場所に位置し、値段もマンションより1000万以上安い。

いわゆる建築条件付き土地である。

(この土地買うなら、指定の工務店使って建ててねってやつ。)

 

チンピラみたいな営業マンと現地で落ち合い、土地を拝見。

チンピラ曰く「この土地は営業マンいらずですわ。」とのこと。

 

 よろしいやんよろしいやん。

って全部の区画から墓見えとるやないかい。

 

意外と気さくなチンピラは、ならばと他の物件を見せてくれるも、いまいちピンとこず。

「墓をコンビニに変えてくれたら検討する。」と告げ、苦笑いのチンピラと今生の別れとなった。

 

御三家の検索条件の項目に「墓が見えない」を切に追加して欲しいと願う我々でありました。

 

(ちなみにこの物件、未だに3区画中2区画が売れ残ってます。)

マンションがダメなら次は一戸建てだ!と意気込み、

市内で多くの分譲地を抱える地場企業に訪れる。

先日見た大手不動産の営業の女性より3ランクくらい下の頼りなさそうな男性が出てくる。

 

今イチオシだという建売物件に。

いわゆる旗竿地で、分譲エリアの最奥に位置。

もちろん四方が建物に囲まれており、日当たりは悪いものの、

リビングの天井が一部ガラス仕様になっており、工夫がなされており好印象。

 

ええやんええやんと二階の窓を開けると、墓。

 

山田亮一よろしく、口角の片側だけ吊り上げ、ノーサンキューと踵を返す。

 

そもそも我々夫婦は築35年のボロマンションで貧乏な暮らしをしているため、

家にこれといったこだわりは持ち合わせておらず、明確な欠点がなければよいという所感であり、

であれば建売で十分やね、という認識を妻と共有できたことが収穫。

 

ちなみに、と概算費用を訪ねてみると、物件価格の5000万円の上に、

外構費や登記移転費用など諸々かかってくることが分かり、その総額は5500万円以上に丸々と膨れ上がった。

これ、しんちく、むり?

 

冴えない営業マンの悪態をつきながら、家に帰ると、襲い来る冷気。外より寒い。

何を隠そう、我らのマンションには断熱という概念がなく、

ありとあらゆる壁から冷気が押し寄せてくるのである。

「次の冬までには必ず引っ越したい」と、言葉にせずとも思いを共にしたのでありました。