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映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 盛夏の時期の温泉旅。誘われなければ、行かない。暑いのに「温泉か!」と最初は思ったけど、箱根は想像よりも遥かに高原だった。体感気温が全然違う。

 

 1泊の旅。翌日はやや早めにお宿を出て「強羅公園」へ朝散歩。この公園、バラ園が有名な場所。もちろん夏なのでバラはない。それでも、なかなかに楽しい公園タイムだった。






 お宿は強羅駅からケーブルカーで3駅目の「中強羅」。つまりはかなり上の方。強羅公園はこのケーブルカーに沿っているので、下の入り口からだと、相当急坂を登らなければいけない。でも、上から入れば下るだけ。楽ちんなのだ。

 

 入場料(650円)を払い、いざ園内へ。最初は日本的な庭園スタイル。ほどなくバラ園が見え、この公園の中心部にある大きな噴水公園がある。





 太陽は次第にのぼり、さすがに高原にも激しい光線が照りつけるけど、木陰は涼やか。ここのベンチでのんびりと過ごした。




 メガヒットしている「国宝」の登場人物の中で唯一と言っていい嫌味な男を演じた三浦貴大。彼が主演しているのが「行きがけの空」。


 昔、付き合っていた彼女が死んでしまう。残された一人娘は、実の父親は彼ではないかと、会ったこともない男に手紙を出す。男は「もしか」という思いもあって、この娘が住む小樽へと向かう。



「行きがけの空」★★★★☆


 低予算の映画なのだろうけど、丁寧に作られていた。監督はNHK出身の西谷信二。確かに予算のあるテレビのスペシャルドラマの体裁。大きな話ではないけど、映画としてもきちんと成立していた。

 

 三浦貴大が惑える中年男を好演している。妻はがんの闘病中、そこに出てきた隠し子のような娘。その母親とは若い時に付き合って、捨てた女。この娘の存在で、そんな過去を思い出す。

 

 売れっ子になった若い俳優。付き合っていた女が邪魔になり、邪険にして別れる。女は故郷へ帰り結婚するが、それは不幸な結婚だった。そんな不幸な記憶を共有する親娘。

 

 そんな娘を演じるのは「ミッドナイト・スワン」でヒロインを演じた服部樹咲。踊れる彼女の個性を活かしたダンスが得意な女子高校生役。

 

 さて、彼女は三浦貴大演じる男の娘なのか?それを小樽の美しい風景を活かしながら語られる。彼女の進路の描き方など、ツッコミどころはあるけど、基本的に優しい話なので許せてしまう。

 

 

 このところ大河ドラマの「べらぼう」がいまいち。話の中心が蔦重の江戸庶民の話ではなく、田沼を巡る幕府内の権利争いばかり。

 

 主人公を演じる横浜流星の登場シーンは少ない。これ一体、何のドラマ?になっている。




 横浜くんは主演映画「国宝」も好評で、まさに時の人なのに。前半の好調ぶりがウソのようなチンタラした展開。

 

 先週までは、それでも、なんとなしに見ていたが、今週はとうとう脱落。


 地上波に変えたら「カネオくん」だった。「侍タイムスリッパー」の特集。あの時代劇を「カネオくん」スタイルで解説。


 この番組で東映、太秦のスタッフの偉大さを再確認。今さらなのだけど「侍」は、そのスタッフさんたちに敬意のある映画だった。



  

 後半は「べらぼう」の番宣を兼ねた大奥特集。本編のドラマより遥かに面白かった。この番組で初めて知ったのは江戸城の約半分の土地を大奥が占めていたこと。


 「玉の輿に乗る」という言葉は大奥の女官がモデルになって出来たこと。(「お玉ちゃん」が将軍に見染められて出世したことから)


 大河は横浜流星が頑張っているのに、後半は全然、活かされていない。どうして、あんな中身のないドラマになったのか?好きだっただけに、残念感が倍増。

 市川崑の1959年の作品「野火」。原作は1951年に発行された大岡昇平の小説。小説が発売された頃はまさに戦後の記憶が鮮明なころ。大岡昇平は戦争の現実を描き、多くの支持を集めた。


 それから8年後の59年に公開された映画は市川崑の代表作と語り継がれ、その年の「キネ旬ベストテン」で2位。主演した船越英二は数多くの主演男優賞を得た。

 

 現在ユーロスペース&角川シネマなどで戦後80年の特集上映中。この名作を初めて観た。今まで何度も日本映画の名作特集などでは上映されていたけど、何となく敬遠していて、観ることはなかった。

 

 

 まだ多くの人が戦争をはっきりと記憶していた時代に製作された作品。それでも少し時間が経ち、あの戦争がなんだったのかを記録しなければという意思を感じる。

 

 舞台はフィリピンのレイテ島。あの戦争の中でも凄惨な戦場だった場所。そこで生き延びようとする日本兵たちが描かれる。船越英二演じる主人公はまったく勇敢ではない兵士。しかし、生き延びるすべを持っていて、不思議に危機をすり抜けている。

 

 生きるために切実なさまが描かれる。個人的な好みの作品ではなかった。これが戦場でのリアルかもしれないけど、それにあえて触れたいと思えない。


 この時代、海外でのロケが叶わないので、国内でロケをしている。それが画面的には南国のあの熱気に包まれた空気感が出てはいない。

 

 それでも映画として高い評価を得たのは、観客の戦争の記憶が鮮明だったからだろう。


 洒脱な作風の映画作家と市川崑のことを思っていたので、その特性もこの素材とは合わない。個人的には、ユーモアのある市川崑映画が好き。さすがにこの素材ではユーモアを挟み込む余裕がない。

 

 戦争の悲惨さを忘れないために観るべき映画だろうけど。好きなのかと、問われれば、好きな作品ではなかった。教科書を読むような気分でお勉強した。

 箱根のポーラ美術館。かねてより、日本の企業が運営する美術館の中では特別な存在だと認識していた。

 

 久しぶりに訪れて、その認識を再確認した。まず、ハコだけでも、企業美術館のワクをこえている。

 

 

 

 

 緑豊かな環境。真夏の盛夏でも、ここには涼風が吹いている。その極みは、美術館を取り囲む遊歩道。

 

 

 

 この日、街中は37度の猛暑だったらしいけど、ここは半袖では寒さを感じる涼風が吹く。まさに高原の空気。

 

 

 その森の中にアートが点在する。それを探すのも楽しみ。

 

 

 

 ガラスで出来たアート。専門家によれば、これほど大きなガラスは存在することすら不思議なのだそう。気温差のある環境なら割れたりするのだ。

 

 
 作者はこの人。こんな不思議なアートが遊歩道に点在する。探すのも楽しい時間。もっともっと時間が欲しい!

 ラッセル・クロウが軍人を演じている「ランド・オブ・バッド」。クロウは戦地に赴く軍人ではなく、ラスベガスの空軍基地でモニターを見ながら現場を支援をしている。

 

 現地に行くのはリアム・ヘムズワース。若き軍曹がイスラム組織に拉致されたエージェントの救出へ向う。深い森林の中、次々と襲ってくる反政府軍のゲリラたち。彼を救うのはラスベガスから状況を観察して、無人機で援助するクロウ演じるオペレーター。



「ランド・オブ・マッド」★★★★☆


 今どきの軍事事情はこんなものなのだろう。ラスベガスの空軍基地の緊張感のなさと、リアムがサバイバルする緊張ある現場との格差。

 

 クロウが演じるのはアウトローな軍人。規律よりも事実に重きを置くゆえに煙たがられている。彼の上にいるのは、事なかれ主義の大佐。大佐にとっては規則に従わないクロウのような男は軍規を乱す男でしかない。

  

 そんなありふれた日常と戦場になる現場。その現場にいるのはリアム・ヘムズワースの若い兵士。最初にヘリに乗り込んだ時はベタラン兵士にバカにされる。しかし、急場をしのぐうちに立派な兵士に成長する。ある意味古典的な戦争映画の兵士成長物語。

 

 ラッセル・クロウはさすがの貫禄。というか貫禄を飛び越したでっぷりとした体型。スターであることを拒否するような体型は、彼が演じた組織に属すつもりのないヒラの兵士の心意気に通じる。

 

 肉体派ヘムズワース兄弟の3男リアム。さすが肉体派ぶりを見せる。兄のルークも兵士役で登場。ならば2男のクリスも出て3兄弟共演だったら、もっと盛り上がったのに。

 21世紀最高のジャズシンガーという名を欲しいままにしているダイアナ・クラール。オリジナルアルバムで唯一のライブ盤が2002年にリリースされた「ライブ・イン・パリ」。

 


 パリの名門オランピア劇場での演奏の録音。長い歴史を持つ劇場。アーティストにとって、歴史ある劇場でパフォーマンスすることには、特別な感慨があるのだろう。

 

 残念ながら日本はクラップ&ビルドが激しいので半世紀以上の歴史にある劇場なんて、ほとんどない。東京では日生劇場ぐらいではないか?歌舞伎座も新橋演舞場も明治座も同じ場所には建っているけど、劇場は新しくなっている。

 

 音楽でいえば、かつて日本を代表した国際劇場も日劇も完全になくなっている。大劇場だけでなく、シャンソンの名門・銀巴里ですらなくなっているのだ。

 

 そんな歴史あるオランピアでの録音。これがダイアナらしく完璧な演奏。観たかったな、昭和記念公堂ではなく、オランピアのダイアナのライブ。

 

 それにしてもダイアナのハスキーな声はジャズを歌うためにあるようなもの。クールな容貌もジャズメンにふさわしい。ちょっと心配なのは、ここ8年も新作がリリースされていないこと。

 

 今年60歳。ジャズメンとしては一番いい年齢。何か問題でもあるのかな?

 ブラジル出身の巨匠ウォルター・サレスの新作は「アイム・スティル・ヒア」。描かれるのは70年代初頭のブラジル、リオデジャネイロに住む幸福な一家に突然訪れる悲劇。


 父親がある日警察に連行される。妻は必死に彼の行方を探すが、なかなかどこにいるかもわからない。そして数年の年月が経つ。



「アイム・スティル・ヒア」★★★★★

 

 今年のアカデミー賞で作品賞などにノミネートされ国際映画賞を受賞した作品。その価値が十分にある作品。この映画には、出来の良し悪しを超えた、真実が持つ重みがある。

 

 警察国家の怖さ。今年は終戦80年で多くの人が「戦争はいけない」とお題目のように語る。それは当然なのだけど、世の中はそんなにキレイごとだけでは片付かない。この映画のように、国家が軍指導になれば、国民には悲劇が訪れる。

 

 この映画が怖いのは、一家の大黒柱が連れ去られるだけでなく、他の多数の人々は無関心なこと。


 例えば、お手伝いさん。ご主人がいなくなり銀行の扱いが止められて給与の支払いが滞ると「今月まだです」と奥さんに訴える。もちろん彼女にも生活がある。それでも、一緒に住んでいれば、家庭がどんな事情かはわかるはず。

 

 もちろん、それ以外の人はもっと無関心。人々は当たり前の生活を過ごしている。それでも誰かには悲劇は起こるのだ。今だってミャンマーは強硬な軍事政権。多くの人々が国を追われている。一見、平和そうなタイだって先日までは軍が政治を指導していたのだ。

 

 自分たちの平和を守るにはどうすればいいのか?正解などはない。この映画の女主人のように毅然と生きられる人がどれほどいるか?もし自分に問われたら、戦う覚悟などできていない。

 友人に誘われた箱根強羅の旅。お盆は過ぎたとはいえ、まだまだ猛暑の夏。暑がりなので、自分なら、この猛暑の中、温泉に行こう!とは思わない。

 

 でも、誘われると弱い方なので、盛夏の温泉旅へ。盛夏といっても、さすがに箱根。東京にいるよりは涼しい。気温なら3度程度だけど、実感なら5度ぐらい。

 

 温泉でのんびりして、翌日、何するか?前回は彫刻の森美術館へ行った。一度は、と思っていたけど、これが、なかなか良かった!

 

 さて、今回は?強羅の近くには立派なポーラ美術館がある。車なら10分もかからない場所だけど、バスだとちょっと不便と思っていたけど、なんと強羅駅からは無料の送迎バスがある!

 

 

 箱根のポーラ美術館。現在の完全耐震化される前とされた後に2度来ている。今回は12年ぶり、3回目。

 

 

 

 ここは、日本橋にあるアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)と並ぶ、私企業がバックにある美術館の最高レベルのコレクション。

 

 

 

 

 今はゴッホをテーマにした展示。日本人が大好きなゴッホだからなのか、平日なのに大盛況だった。

 

 

 

 竹野内豊と玉木宏が共演した「YUKIKAZE雪風」。激戦地に赴いても、必ず港に戻って来る幸運な船といわれた駆逐艦「雪風」の活躍が描かれる。

 

 ファーストシーンはミッドウェイ海戦。真珠湾の成功からイケイケどんどんだった日本の戦況が変わった戦い。

 

 その海戦で、海上に漂う兵士たちを必死に救う雪風の兵士に玉木宏。その海戦のあと、新しい艦長、竹野内豊が登場する。


 二人が出会うシーンでは、新艦長はミッドウェイのことを「やりすぎ」だと叱責する。しかし、そこに異議を唱える玉木宏の兵士。

 

 下の者が上に意見するというのが海軍らしさの一端。この映画では随所に、そんな海軍の風土が描かれる。

 

 事実はそこまで美しく正しいワケではないだろうけど、あの戦争のある側面。

 

「雪風YUKIKAZE」★★★★☆

 

 艦長役の竹野内豊。軍人役なのに淡々としている佇まいがいい。玉木宏の熱血な兵士もいい。その玉木にミッドウェイで救われた若い兵士に奥平大兼。

 

 この奥平大兼演じる若兵士の飄々とした風情もいい。男たちの、暑苦しい展開になりがちな戦争映画。それが、この映画にはない。

 

 美化し過ぎな面もある。でも、ここで描かれたすべてが絵空ごとではないだろう。レフトサイドの人から見れば、これも戦争を美化して、戦争讃歌の映画ということになるのだろうか。

 

 主役以外にも田中麗奈、當間あみ、石丸幹二、藤本隆宏、益岡徹、さらには中井貴一、有村架純まで登場する豪華なキャスト。


 雪風のことは聞いたことがなかったので新鮮だった。それに、何より驚いたのは、この船が戦争を生き残り、戦後は引き揚げ船として活躍したということ。人の命を救った船。こんな船があったのだ。