映画を観始めたのは中学生になってすぐ。実家が商売をしていたので、物心つく頃より前に親に銀座などに連れて行かれた。小学校高学年になると、ひとりで電車にのって繁華街へ出かけるようになった。
実家は練馬だったのでホームタウンは池袋だけど、そこから丸の内線に乗りかえ、銀座へは良く出かけた。中学になり、ひとりで映画館へ通うようになると洋画を見るのは銀座、日本映画なら池袋と決めていた。
当時はまだ有楽町に日劇があった時代。この周辺には東京を代表する大スクリーンの映画館がたくさんあった。
一番好きだったのは丸の内ピカデリー。60年代には「ウエストサイド物語」を1年ロングランしたことが記録に残る大劇場。大作映画はここで上映されることが多かった。
そんな時代に最初に覚えたハリウッドの脚本家のひとり、ウィリアム。ゴールドマン。「明日に向かって撃て!」は同時代に観ていないけど、彼が2度目のオスカーを得た「大統領の陰謀」は丸の内ピカデリーで観た。
彼が原作・脚本を担当したロバート・レッドフォードが主演した「華麗なるヒコーキ野郎」「遠すぎた橋」も丸ピカで観ている。
当時、ゴールドマンはハリウッドで一流というだけでなく脚本の神様のような存在だった。
ゴールドマンが小説を書いてたことは当時も知っていたが、読んだことはなかった。およそ、半世紀を経たゴールドマン小説体験は、時間を経た分なかなかノスタルジーにあふれた刺激があった。
出てくる固有名詞が懐かしい。ダスティン・ホフマン、スティーブ・マックイーン、クリント・イーストウッド、バーブラ・ストライサンド。
この物語を読みながら、自分の映画体験が思い出される。映画の内容もそうだけど、目に浮かぶのは映画館。丸ピカは大劇場だったけど、ニュー東宝シネマ1&2、みゆき座、丸の内松竹、スバル座などこじんまりとした映画館の姿。
今はどれもなくなって、記憶のかなた。そんなことを思い浮かべたハリウッドの大物の内幕小説。
シネマ2で観た映画。何故か邦題は忘れたけど、原題ははっきりと覚えてる。78年の映画。この手のBクラスのハリウッド映画が好きだった。