自民党の総裁選。小泉、高市、石破の3人に絞られてきたようだ。総裁選が始まってから、一段と注目度が高くなったのが、高市早苗。日本では女性首相など当分先なのかと思っていたけど、来る時は来るのだと思う。日本の政界については、女性議員の数が少ないと批判の的になっていた。しかし、これで女性首相誕生となれば、女性の社会進出のシンボルにもなるのではないか。
アメリカでも、現役バイデンが離脱、思わぬ形でハリスが大統領候補になった。トランプとは支持率では拮抗しているので、結果は見えないけど、可能性は大きい。
ヒラリー・クリントンは用意周到に初の女性大統領になるべく準備を進めていた。しかし、2004年には民主党の候補選びの段階で、思わぬ伏兵、経験のないオバマに敗れ、さらに12年の選挙では、勝利確実と言われながらもトランプに敗れた。
その時出てきたのが「ガラスの天井」というフレーズ。見えない障害が女性の社会進出を阻んでいるのだというヒラリーの嘆き。しかし、ヒラリーのように戦略的ではないのに、ハリスは「初」に近づいている。
安倍、岸田が現役だったときに次期首相として高市と考えた人がどれほどいたか。自民党の裏金事件がなければ、女性首相に、という流れも見えなかったと思う。高市早苗も「いつかは」と思っていたはず、でも、こんなに早くと思っていたかどうか。
時代が変わる時はそんなものだと思う。そして、それでいいと思う、男だから、女だからは関係ない。その能力があるか、ないのかが大切なのだ。
ただ、日本の場合は制度では遅れているけど、実社会では女性の地位は高い。レディファーストと、一見、女性に優しいそうに見えるアメリカ社会では、家庭に入ると女性の決定権が限定的。日本では家庭では女性が主導権を握っているのが実態ではないか。その意味で制度化する必要がなかった。
かつて働いていた出版界では1980年代までは男性優先人事だった。女性ファッション誌でも男性編集長が当たり前。女性は「副編」どまりだった。しかし、それが10年程度で様変わりして、90年代後半には女性誌の編集長が女性が当たり前になった。
誰が音頭を取ったわけではなく、自然とそういう流れになった。元々、編集という仕事は女性向き。自分の働いていた出版社でも、雑誌創刊時には数人しかいなかった女性編集者が10年も経った時には大勢を占めていた。男の子の比率を少しは高めようとしたけど、優秀なのは女性ばかり。世の中って、そういう形で変わっていくのではないか。