深田晃司が監督した「恋愛裁判」。企画・脚本・監督が彼なので、ストーリーはオリジナル。でも、物語の下になった事実があって、それをベースにしているそうだ。
齊藤京子演じるアイドルが、倉祐希演じる、同郷の大道芸人と恋愛関係になる。彼女はアイドルより彼を選ぶ。それが所属事務所から「契約違反」だと訴えられ、裁判になる。
「恋愛裁判」★★★★☆
多分、自分の世代がアイドル第一世代だと思う。小学校の時に南沙織を好きなり、中学前半は浅田美代子、後半から高校時代は山口百恵。
その世代から見ると、アイドルの恋愛禁止というのは信じられない。アイドルは好きになっても、その対象を虚像(アイドルの意味)だと認識してしていた。
それを承知で、ファンとして応援しているのだ。そこには確実に「フィクション」というフィルターがあった。小学生でも、そのことは理解していた。山口百恵は教室にいる同級生ではない。
その意味で、この映画の「アイドル」の意味は何なのだろうと考えた。どうも20世紀のアイドルと21世紀のアイドルは、同語でも、まったく違った意味のよう。(それも、いい大人が擬似恋愛の対象にしている)
映画では齊藤京子演じるアイドルが、作られたキャラを脱ぎ捨てて、一個の人格に目覚める。
結論は書けないので、ややもどかしいけど、結局、女(の子)は強い。男は社会制度に弱い。それが小気味いい。
これまでインディペンデントの星のような深田晃司が、こんなメジャーな作品を作るなんて思いもしなかった。深田監督、意外なほど女性の感情の機微を描くのが上手だなと再認識。(前作「よこがお」も女性の機微が描かれた映画だった。)
(映画の本質には関係ないけど、この映画、東宝が自社製作して、共同製作にはフランスのアート系のMK2が出資している。時代は変わった!)
