柴咲コウ、満島ひかり、オダギリジョーという魅力的な俳優の組み合わせの映画「兄を持ち運べるサイズに」。
柴咲コウはふたりの男の子のママでありながら、成功したエッセイスト。彼女に遠く離れた宮城・釜石の警察から連絡が入る。
多賀城に住む、長らく付き合いのなかった兄が亡くなって、遺体が警察に安置されているという。付き合いがなくなったのは、このぐうたらな兄からの金の無心が続いたこと。
仕方なく、宮城まで赴く。そこには満島ひかり演じる兄の元妻も来ていた。
「兄を持ち運べるサイズに」★★★★☆
兄妹関係の複雑さ。年を取ると実感する。妹にとって兄はずっとお荷物だった。
母はそんな兄を可愛がる。母には「あの子は気持ちの優しい子。あんたは冷たい」とまで言われてしまう。
チャランポランな兄をずっと許せない気持ちでいた妹。しかし、元妻の満島ひかりは、彼のことを今でも好きなのだという。では、どうして離婚したの?と問うと経済的な問題だったという。
元妻、娘は引き取ったけど、息子は夫に渡した。それも問うと「だって、あの人、絶対に幸せにするって言うんだもん」と。
そんなやりとりで妹には見えなかった、見たくなかった兄が見えてくる。
このチャランポランのお兄ちゃんのオダジョーが最高。自分では自虐的に言っているように、グズな人間を演じさせたら日本一!まさにその通り。そのいい加減な男が、最後には(この映画の妹のように)許せてしまう。
中野量太監督「熱い湯」以来の傑作。このオダジョーのキャラの描き方が巧み。そして巧みさで唸ったのは満島ひかりの演技。元夫への複雑な心境を見事に体現化している。
もし、こんな人は実の兄だったら、許せる自信はないけど。


















