旅行ライター下川裕治さん。基本的にバックパッカー的なスタイルで東南アジアを中心に旅するオジサン。
下川さんの旅本が面白いのは、各国の社会情勢などの知識の深さ、正確さがベースになっていること。
表面だけの旅レポではなく、各国が置かれた社会情勢などが旅レポに反映されている。それは普通の観光旅では見ることのない、感じることのない、それぞれの国の事情。
「映え」する旅グルメなどの情報の対局にあるリアルな市民生活を伝えてくれる。
今回の旅本は東南アジアの表の国境(空港)などではなく、旅行者がほとんど訪れることのない陸路の国境(裏国境)を突破しながら続ける旅レポ。
始発点はタイから。下川さんはタイに留学、タイ語は堪能。それに東南アジアの旅のハブとしては最適な場所。
下川さんの今回の旅はタイ→カンボジア→ベトナム→ラオス→タイ→ミャンマー→タイという順番。
まずはタイからカンボジアへ。
確かに日本のような島国では味わうことのできない体験。東南アジアは陸で繋がっている。それに東南アジア各国の政治情勢も微妙に違う。
タイは基本的には民主主義で運営されているけど、軍事クーデターで軍が政権を握ることがしばしばある。
それでも、民衆の自由度は東南アジアではトップクラス。経済的には解放されているベトナムは社会主義国家であることを捨てたわけではない。ミャンマー至っては、混乱の極み。アジアはいつでも混沌としているのだ。
この本で、そんな東南アジアを下川さんのガイドで旅する気分になれる。
自分じゃとても、こんな困難な旅はできない。

