中国で、だだひとりと表現してもいい、現役の巨匠ジャー・ジャンク。昨年のカンヌ国際映画祭のコンペ参加作「新世紀ロマンティックス」が公開されている。
2006年に建設された世界最大の「山峡ダム」。そのために、中国・大同に住む100万人が移住した。その街に住んだチャオとビン、ふたりの恋人の四半世紀が描かれる。
「新世紀ロマンティック」★★☆☆☆
ジャー・ジャンク、実は苦手。力のある監督だとは思う。政府の力が強い、今の中国の映画監督で作家性を保っている、唯一と断言できそうな監督。
新作はかつての「長州哀歌」などの映像を使い2000年初頭から現在までの四半世紀描いている。
主人公はチャオとビン。廃れゆく炭鉱町、大同に住む若き恋人。100万人の大都市なのに、ダム建設のために移住させられるふたり。
四半世紀の中国の変遷を描く映画なのだけど、ラストの現代のパート以外はほとんどセリフがない。これは予備知識がなければ、なかなかわかりずらい。言ってみれば、ファンミーティングのノリ。
途中までは何の話なのかわからなかった。だだし、水没した大同の街はなかなかに魅力的。尾道みたいにフォトジェニックなのだ。ラストは今の中国らしい完全整備の新しい大同が登場。
主人公の恋人たちはすっかり中年になって再会する。すれ違った四半世紀の歴史。物語としてはタイトル通り、ロマンティックな話なんだけど、ジャー・ジャンクはストレートには表現しない。
これが彼の作風なのだろうけど、それがどうも肌にはあわない。自分には彼の映画を理解するインテリジェンツがないのだろう。(この邦題はステキ。これはプロデューサー市山尚三のセンスだろうか)

