晩年は悪役専門だったエドワード・G・ロンビンソン。彼が主演した1931年の映画「特集社会面」。ロビンソンが演じたのは新聞の編集責任者。スキャンダルな記事で部数を伸ばした新聞をなんとか正統派の新聞にさせようと奮闘する男。しかし、部数は落ち込み、オーナーは元の下品なスキャンダルを売り物にせよと迫る。
「特集社会面」★★★☆☆
監督は「哀愁」「心の旅路」などの腕の立つ職人監督マービン・ルロイ。この映画は直球の社会派映画。それを悪役ずらしたエドワード・G・ロビンソンに演じさせる妙。うまいなと思う。
でも傑作にはならなかったのは、ルロイが本気でそんな正義を信じていないからではないか。その意味で「社会派」になりきれなかった映画な印象。
売るためにかつての殺人事件を持ち出して、今は平穏な家庭を築く夫婦の過去をおもしろ、おかしく暴く。
大衆は真面目な記事より、そんなスキャンダラスな記事に食いつく。時代はネット社会になっても、大衆というのは、その手の話が好きというのは変わらない。その意味では今に通じる作品。
悲劇的な結末を迎える黄金期のハリウッドでは珍しいタイプの映画。しかし、メディアの横柄さを暴くというのは、ハリウッドでは定番の設定。わかりやすいのはフェイ・ダナウェイ、ピーター・フィンチが共にアカデミー主演賞を得た「ネットワーク」。視聴率を上げるためにキャスターが自殺予告をするという話。
昔も今の「人の不幸は蜜の味」というのは変わらない人間の悲しい心理なのだろうか。そうでは、ありたくないと思っているけど。


