新潮社の「トンボの本」。モディリアーニを1冊特集した本。解説もわかりやすかった。 | con-satoのブログ

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 昔は書店に行くと新潮社の「トンボの本」を置いてあるコーナーを見るのが楽しみだった。美術や旅などをテーマにビジュアルが充実した内容。

 旅なども文化的な背景への考察も深くて、単なる旅ガイドとは違う、内容の濃い視点があった。「パリの美術館」などというテーマでも、赤瀬川原平のような曲者が書いているので、事前に読むと、絵画を見る楽しみが倍増した。


 ありふれた言葉で恥ずかしいけど、知的な興奮を感じさせてくれる内容が揃っていた。そんなシリーズの1冊。ベル・エポックのスター画家モディリアーニを1冊まるまる特集した冊子を購入した。

 この原稿にも書かれているけど、モディリアーニには、50年代にフランスの貴公子ジェラール・フィリップが彼を演じた名作「モンパルナスの灯」という名作伝記映画がある。大半の人のモディリアーニのイメージは、この映画に影響されている。自分もそう。しかもヒロイン・ジャンヌをアヌーク・エーメが演じたので彼女のイメージが強い。

 映画が名作なので、本人の実態を超えて、映画のイメージが強く多くの人の頭に残る。モディリアーニの実際の写真を見ると、ジェラール・フィリップよりも(イタリア人ということも含めて)マルチェロ・マストロヤンニの方が本人に近い。

 そんなモディリアーニの生涯から作品の特色まで、こと細かく書かれていた本。どうも日本でモディリアーニ展が開催された時に芸術新潮で特集された内容をまとめたものらしい。

 楽しく読みやい内容で1日で、この画家を知った気分になった。(以前、箱根の彫刻の森美術館に行った時に彼の彫刻があったので、立体もしていたのかと驚いた。実は彫刻は彼の本業の領域だったということを、この本で知った)