下川裕治本を読んで思い出す世界旅⑥早朝、台北で観た「フィフス・エレメント」 | con-satoのブログ

con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 下川裕治さんの旅本を連続して読んで、自分の旅を思い出した。お酒が好きなのは下川さんと共通する。しかし、決定的に違うのが、移動が好きな下川さんに対して、移動するより都市でノンビリしたいということ。

 ノンビリ過ごすためには温暖な国がいい。90年代前半まではハワイ・オンリーだったけど、90年代半ばからはアジアの国にも、数多く出かけた。最初に行き始めたのは台湾。

 日本から近いというのが1番の理由。さらに台湾の人は親日的。当時は台湾のチャイナエアラインが羽田から出ていた。中国本国の横槍で成田が使えなかったのだ。今の国際線ターミナル(第3ターミナル)のような立派な施設ではなく、空港のはずれにある、今では考えられないほど、ちゃちなチャイナエア専門のようなターミナル。

 羽田発着というのは便利だった。金曜の羽田発1730の便にのれば、現地のホテルに2230には到着する。それから金曜日の夜遊びが出来た。帰りは日曜日の最終便。確か、現地1800ぐらいだったと思う。それで羽田には2100には戻って来られる。まさに「週末旅」。

 もうひとつ、下川さんとの決定的な違い。それは現地で映画館にいくこと。映画好きでなければ、なんで海外で映画など観るのかと思うだろう。しかし、これが意外に楽しい。

 自分にとっては現地のスーパーで、その土地を実感することと同じ意味。現地の雰囲気に浸るには一番ナイスな方法。(基本的に現地の人しかいないから)

 90年代までの台湾では、いわゆるシネコンのような立派な施設がなかった。普通のビルに数館入っているけど、まとまったシネコンスタイルでなく、ビルのテナントのように適当にスクリーンが分かれていた。ビルの中をウロウロしながらスクリーンをさがすような雰囲気。それが雑で「ああ台湾ぽい」と逆に感心する。

 97年に台北で観たのはリック・ベッソンの「フィフス・エレメント」。キッチュなノリのSF。台北の寂れた映画館の雰囲気に妙にマッチしていた。

 映画を見たのは8時台。最近は新宿のシネコンでも9時前にスタートするタイムスケジュールもあるけど、当時は8時半前に映画を観るなんて斬新に感じた。


 日曜日の朝、映画を見て、街歩きをして、ランチを食べて、お土産を買ってから、空港へ向かった。そんな台湾旅。