河合優実が主演している「あんのこと」。映画は売春相手がオーバードーズで死んでしまうシーンからはじまる。警察に捕まる若い女の子は21歳。
子供の頃から不登校で漢字も書けない。12歳の時から親に強要されて売春をして、14歳の時にはクスリを経験。そんな主人公「杏」が型破りな刑事(佐藤二朗)に出会い、人生を立て直す。
「あんのこと」★★★★★
映画のはじまりに「実話を元にした話」と出る。これが実話なら切な過ぎる。河合優実には過酷な役だったと思う。俳優が演じているということを忘れて、まるでドキュメンタリーのように感じた。
佐藤二朗は風変わりな刑事。いつものくせをやや封印して、型破りで熱のある男を表現している。
話は切ない。負のスパイラル。彼女を救った刑事は問題を起こし、彼女はコロナで働く場所も失う。
許されることではないけど、母親を殺してしまえば良かったのに、とさえ思う。その強さは生きていく上では必要。それは、決して楽な人生ではないけど。
ヒリヒリとする映画。監督は入江悠。彼らしい素材を見事に表現。今年の日本映画を代表する
1本なのは間違いない。それにしても、このどん底な人生、どう救えばいいのだろうか。キレイごとではない解決法があればと思った。