ヨーロッパ、特にフランスで評価の高い映画監督、黒沢清。フランスでは新作は必ず一般公開される数少ない現役、日本映画の監督。(他には宮崎駿、是枝裕和など)
その人気のフランスで製作されたのが「蛇の道」。娘を殺された父親が復讐する物語。この復讐に協力するのが柴咲コウ演じる謎の女。柴咲コウが流暢にフランス語のセリフで演技する。
「蛇の道」★★★☆☆
フランス映画でも、東宝のようなカチカチのメジャー映画会社でも、黒沢清は、どこまでも黒沢清。そこが潔い。
この映画はかつて黒沢清がVシネマで発表した作品のリメイク。フランスのスタッフが「自身の作品のリメイクをフランスを舞台に」と提案され浮かんだのが、この作品だったそうだ。
柴咲コウは数ヶ月の特訓でフランス語をマスターしたとか。フランス人には、どれほどのレベルのフランス語なのだろうか。
基本は日本人という役なので、訛りがあっても許される。しかし、この女性が日本人である必要は感じない。唐突にインサートされる西島秀俊とのシーンや夫役の青木崇高のシーンの意味が良くわからなかった。
それが黒沢清映画なのだ、ということなのだろうけど、それにしても不可解。柴崎コウの役も、フランス女性で良かったのではないか。