24年映画は映画館で164「かくしごと」久しぶりの杏主演作、家族の意味を問う映画 | con-satoのブログ

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 杏が主演している「かくしごと」。彼女が演じたのは童話作家。疎遠になった父が認知症になり、故郷に戻って父の世話をすることになる。そんな田舎で、事故で記憶を失った少年を助ける。しかし、彼の体には虐待を疑わせる痕跡がある。記憶がないという理由をつけて、彼の母代わりの生活を始める。父と息子もどきの少年の3人で、家族のように暮らし始める。

「かくしごと」★★★★★

 あまり映画にが出ない杏の主演作。家族の意味を問う映画。少年は記憶喪失。父親が認知症。なので、彼女の嘘が通ってしまうという設定はいい。

 父との関係は疎遠になっているので、認知にでもならなかったら、修復することもなかった。

 そして、少年の存在。ボケてしまっている父は、彼女の息子だと信じている。そんな騙し合いが可能の世界。この少年の俳優の目力が凄い。決意の意思。しかし、ずっと世の中を騙し通すことはできない。

 擬似でも家族であることは幸せなのではないか、という問いかける映画。

 夫のスキャンダル以来、家族が世間に晒されている杏は、どんな気持ちで、この役を演じたのだろうかと、つい余計なことを考えてしまう。奥田瑛二のボケ老人の演技も真に迫る。

 全体に嘘臭さがない展開。俳優それぞれが真摯に演じている。ラストの瞬間で、物語が救いの話になるのも、心安まる。