BSで見たロビン・ウィリアムズを見て思い出す悲しい死。どうしてなんだったろう? | con-satoのブログ

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 先日BSでロビン・ウィリアムズ主演の「パッチ・アダムス」を見た。ロビンが演じたのは笑うことで患者の治癒力を向上させる青年医師。大学の教授からは疎まれながらも、病院にもぐり込み患者を笑わせることに全力を注ぐ。

 数多いロビンの主演作の中でも、とりわけストレートなヒューマンな作品なので、日本では人気の高い作品。

 でもロビンって、単にいい人というキャラではない。本当の意味でコメディアン。

 そんなロビンを最初に意識したのは80年の「ポパイ」。ロバート・アルトマンらしい、ひねりの効いた「ポパイ」。コメディではないのだけど、ディズニー映画にしては、随分とアイロニーが利いたポパイの実写化だった。

 続いて「ガープの世界」。ジョン・アービングの小説を「スティング」のジョージ・ロイ・ヒルが監督した作品。ロビンは主演のガープ。

 その2年後にはポール・マザースキーの「ハドソン河のモスコー」その3年後にバリー・レビンソン監督の「グッドモーニング・ベトナム」が登場した。

 さらにテリー・ギリアムの「バロン」ピーター・ウィアーの「今を生きる」と続く。

 80年代のロビン映画。巨匠、鬼才が監督した作品がずらりと揃っている。当時は「ハリウッドで一番「使いたい」俳優」リストのトップにいたのではないか。コメディ俳優というよりシリアスな役が多かった時代。

 90年代以降もキャリアは順調。ロバート・デ・ニーロと共演した「レナードの朝」、スピルバークの「フック」から「アラジン」のあのジェニーまで、話題作に続々と出演。97年には「グッド・ウィル・ハンティング」でアカデミー賞に輝く。

 そんなロビンの作品をずっと見続けて来た。一度、来日記者会見に行ったことがある。確か「今を生きる」の時。60分記者の質問に答えながらも、さながらスタンドアップ・コメディの公演のようだった。

 こんな記者会見、後にも先にもロビンだけ。そこまでサービスする必要はないのに、この人の性のような気迫さえ感じた。でも、そんな生き方は大変じゃないかと感じた。

 自死の報を聞いた時、信じられない気持ちだったけど、どこかで「やっぱり」とも思った。あれほどの緊張の中に生きていれば、プツンとキレてしまうこともあるだろう。そこまで自分を追いつめたロビンが悲しい。