誰がこの作品を選んだのか?理解出来なかった木村伊兵衛賞受賞作 | con-satoのブログ

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 第48回を迎えた写真界の芥川賞「木村伊兵衛賞」。その受賞作品の写真展が銀座のソニーイメージングギャラリーで開催されている。

 「Eye to Eye,sideC」というタイトル。作者は金仁淑という女性。写真界にとって、大きな賞の受賞作ということで見に行った。しかし、正直なところ、これが写真かと疑問に思うような写真展だった。


 いわゆるパネルになっているスチルの作品はほんの数点。あとはモニターが並んでいる。そのモニターに映るのも作品ではなく、撮影している風景や、それを見ている人たちの模様。さらに作者と思しき人のメッセージ動画。

 これは、例えば芥川賞で、小説ではなく、詩歌を選ぶようなもの。詩歌でも、文字だし文学でしょ、というようなもの。もし、そうなれば、小説の賞という存在意味が問われる。

 この展示でも作者は「写真」という言葉を使わずに「インスタレーション」と言っている。つまりピュアな意味での「写真」ではないという作者の意識。

 その作品に歴史ある賞を授与することの意味はなんだろうか?と考えてしまった。この手の作品ならリクルートが開催していた「1WALL」こそ相応しいはず。(あれは写真を現代アートとして捉えていた)

    木村伊兵衛賞の審査員たちは何をもって、彼女に賞を与えたのか?と疑問ばかりが残る写真展だった。