野村萬斎主演でかつて大ヒットした「陰陽師」が山崎賢人主演でリブート。安倍晴明の若き日を描く「0」。現在放映中の大河ドラマ「光る君へ」ではユースケサンタマリアが演じている清明。この映画では、清明が陰陽師になるまでの学生時代が描かれる。
「陰陽師0」★☆☆☆☆
安倍晴明(921-1005)は実在した人物。生まれは道長(966-1028)よりも40歳年上。しかし、この映画の設定は若き晴明が生きているのは道長の死後。
いくらフィクションでも実在の人物が描かれているのに、その設定が100年以上も違うなんて。もう、この時点で、山崎賢人主演のコミック実写化映画のように思えた。
それにCGも全体的に安い。元来なら東宝が手がける作品のように思えるけど、ワーナー映画に落ち着いたのは、この映画の安っぽさが嫌われたのだと思う。(観る前までは東宝の作品だと思っていた。野村萬斎作品は東宝。)
「ゴールデンカムイ」の山崎賢人は良かった。この映画でも、健闘はしているけど、映画自体がチープなので、魅力的ではない。
染谷将太は相変わらずうまいけど、これも作品の出来が悪いので染谷のうまさの無駄遣い。全体的にこの安物感、なんなのだろうか。
安倍晴明モノというと怪奇映画のノリになりがち。でも、この時代では呪術というのは、決して怪奇なものではなく、生活情報的な面があったのではないかと思う。それを茶化すのは方向的に間違っていると思う。この出来なら続編はいらない。