ディスクユニオンでワンコイン③シルヴィ・ヴァルタンの英語アルバム | con-satoのブログ

con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 ディスクユニオンでワンコイン(500円じゃなくて100円)で買ったCD。3作目はシルヴィ・ヴァルタンの英語アルバム「パリから愛をこめて」。1967年の発売。


 これは全曲英語で歌われている。60年代から70年代フレンチポップスはヨーロッパはもちろん日本などアジアでも流行った。

 しかし、アメリカだけは別だった。シルヴィもなんとかアメリカで成功しようとラスベガスでショーを開いたりして、アメリカのマーケットに挑戦していた。

 このアルバムはそんな背景があるのだろう。しかし、アメリカでは他の国のような成功はできなかった。

 このアルバムを聴くと、フランス語で歌った時のような可愛さがないのだ。音の響きが違うのだろう。これを聴いて思い浮かべたのが松田聖子のアメリカでのアルバム。

 何度も挑戦して、結果的には思うような成功を収めることができなかった聖子。これも日本語で歌う時の、あのキャンディヴォイスがアメリカの作品にはなかったから。むしろ、あの甘ったるさが、アメリカ人には奇異に映ってしまったらしい。

 20世紀まではアメリカの音楽市場は圧倒的だった。ビートルズさえ、アメリカでも成功を危惧されたほど。エルトンもクィーンも他の国ほど、アメリカのマーケットでは成功しているとは言い難い。

 同じ英語でもマーケットの性質が違うのだ。フランスのシンガーでアメリカでメジャーになった人はいないのではないか。ミッシェル・ポルナレフも人気絶頂の時にロスに移住したけど成功しなかった。俳優でもアラン・ドロンもカトリーヌ・ドヌーブも成功したとは言い難い。

 今のようにアメリカのエンターテインメント界は世界に目を開いてはいなかった。そんな時代を感じさせるアルバム。やや珍品なので、100円で良かった。