24年映画は映画館で106「プリシラ」ソフィア・コッポラらしいガーリーなエルビス伝説 | con-satoのブログ

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 ソフィア・コッポラの最新作「プリシラ」。主人公はエルビスの妻プリシラ。二人はエルビスが兵隊として駐在していた西ドイツで出会う。その時、プリシラは16歳の高校生。燃え上がる二人は彼女の卒業を待たずに一緒に暮らすようになる。スーパースターと若妻。しかし、大人になるにつれ、プリシラはエルビスに違和感を感じるようになる。


「プリシラ」★★★★☆

 スーパースターを妻の視点、裏側から描いた映画。ソフィアらしいガーリーな目線で、エルビスというスターを見つめる。

 出来上がった映画を観て、娘のリサ・マリーは「パパはあんな人じゃない」と反発。しかし、この映画の製作にはプリシラ本人も参加、原作も彼女。この映画でヴェネチア国際映画祭で女優賞を受賞したケイリー・スピーニーもプリシラとは協力関係で役の演じ方の相談もしたそうだ。

 16歳でスーパースターに見染められるという事態が普通ではない。そんな特異な環境で生きてきて、母親になって自意識を持つとスターの夫の普通ではない部分に疑問を持つ。

 それはそのまま、ハリウッドで生まれて育ったソフィアの疑問なのだろう。どうしてスターの周りには取り巻きがいるの?どうして、スターは取り巻きのご機嫌を取ってもらわないといけないのと。

 ソフィアにとってはマリー・アントワネットも、プリシラ・プレスリーも同じ存在なのだろう。怒涛な運命に翻弄される若い女。しかし、女は母になり、見えてくる風景が変わる。