4年前のアカデミー賞アニメーション作品賞を受賞したピクサーの「ソウルフル・ワールド」。日本での公開時期がコロナ時期に重なったため、急遽、劇場公開が見送られ、配信のみになった。アカデミー賞作品なのに劇場公開の機会は見送られたまま4年。しかし、最近になってディスニーの配信優先の方針が変わり、なんと劇場公開になった。随分待たされたけど、やはり、劇場で観るべき映画。
「ソウルフル・ワールド」★★★★★
ピクサー初期には「トイストーリー」「ファインディング・ニモ」など傑作が揃っていたけど、最近は不振だった。個人的なベスト・ピクサー映画は「WALL.E/ウォーリー」。しかし、この映画はそれに並ぶか、それ以上の傑作だった。
主人公が黒人のおじさんというのがアニメ作品としては斬新。仕事に疲れた音楽教師。しかし、彼がなりたいのはジャズ・プレーヤー。老女になった母は安定した教師を求め、不安定なミュージュシャンになることに反対する。
ある時、ドラマーになった教え子から1流ジャズクラブでの演奏に誘われる。その夜、出演ということになったのに、事故に会い彼は、あの世へ行く。
あの世の世界。なんとか現世に戻りたいと願い、違反行為で現世に戻る。しかし、彼は猫になってしまう。さて、という展開。
ピクサー/ディズニー作品なのに、まったく子供向けにはなっていない。そこに驚く。物語はハリウッドでは何度でも繰り返してきた展開なのだけど、それをおじさんのミュージュシャンの設定にしたのが見事。 NYの風景もなかなか素敵。それにしても、よく、この設定でディズニーがOKしたなと思うような作品。