24年映画は映画館で14「笑いのカイブツ」天才はこんなに面倒な人じゃないよう | con-satoのブログ

con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 お笑い作家を主人公にした「笑いのカイブツ」。お笑いに魅せられた男が主人公。笑いを極めたいのに、人間不信で生きにくい姿が描きかれる。


「笑いのカイブツ」★★☆☆☆

 構成作家ツチヤタカユキ自伝的小説が原作。この映画を見ると天才の苦悩みたいに描かれているけど、なんか鬱陶しいだけの存在。

 この人、自称天才気取りだけど、全然、天才じゃない。天才というのは、もっと、しなやか。

 モーツァルトも岡本太郎もユーミンも、こんな面倒な人じゃない。世の中の常識とは違うところにいるのは確かだけど、こんな風に面倒な人じゃないのだ。

 映画的には、母親役の片岡礼子、彼の周囲にいる菅田将暉、仲野太賀、松本穂香など好演。しかし、主人公が、何の肩入れも出来ないヤツなので、映画的な質より、そちらに目が行く。

 この映画に出てくる漫才師(仲野太賀)誰かと思ったら、オードリーだった。それほどオードリーの笑いって質が高かった?

 ダウンタウン以降、なんか笑いが特別な存在になって、えらく偉い存在になっているのに違和感を感じる。

 そんな大層なもんじゃない。笑いを語るというのも、恥ずかしい。笑いなんて、そんなものじゃない。もちろん、本当のコメディアンって、繊細で神経をすり減らしながらも、笑わせることに全身全霊を注いでいるだろう。それほど、笑わせることは難しい。

 悲劇より喜劇を演じることは、数倍テクニックがいることも承知している。しかし、この映画の主人公は、決して「笑いのカイブツ」なんかではない。ただの奇人。それがこの映画の決定的な欠点。菅田将暉のしなやかな演技こそ、天才肌。