情報誌「CITY ROAD」勤務の日々。20代半ばには、さまよっていたとは思えないほど、充実を感じた日々だった。
そうなると付き合う人も増える。決して人間付き合いが得手なタイプではないけど、映画の人には心を開くことが容易だった。
嬉しかったのは、当時、映画評論家として活躍していた、みのわあつおさんと仲良くなったこと。実はみのわさんは「CITY ROAD」の編集者だったのだ。
その、みのわさんと仲良くなることで、その時の編集部員ですら付き合いのなかった昔の編集長とも、酒の席を共にするようになった。
みのわさんとの思い出のハイライト。それは、みのわさん、それに、映画評論家の三留まゆみさん、さらに配給会社「テアトル」の田部井くん、中嶋くんの5名でハワイに行ったこと。
目的は日本より早く公開する「レッドオクトーバーを追え」を観ること。アメリカの公開は日本の公開半年前。日本では試写もはじまらないタイミング。 一歩、早く話題作を観ようという計画。映画ファンなんて、こんな動機でハワイまで飛べるのだ。
さて、そのハワイ旅。みのわさんと三留さんとは3人で一部屋に泊まった。ラッキーなことに泊まったホテルは小さめのスイートルームのような仕立てで三留さんの部屋は完全に仕切られていたのだ。
こんな風に「お友達」のような付き合いが出来たのは、皆が若かったからだと思う。