昔、東京には「CITY ROAD」という情報誌があった。競合は「ぴあ」。映画、音楽、演劇、美術などの東京のエンタメ情報が載っている雑誌。
高校時代から放課後には池袋などの名画座に通う日々を送っていたので、この情報誌で知る上映作品・時間の情報が貴重だった。
買い始めた70年代半ば。「ぴあ」より「CITYROAD」派だったのは映画館の番組表が横組みだったこと。作品紹介にもひとくせあって、編集部おすすめの映画には🖤がついていた。さらに星取りもあって、どの作品も品物のように横並びに扱う「ぴあ」より作品選定の参考になった。
何よりカッコ良かったのは吉田カツの描く表紙。パロディ要素の強い「ぴあ」の及川イラストより、インパクトのある吉田カツのイラスト。エモーションで時にエロチックだった。
(この山口百恵には衝撃を受けた!)
学生仲間は「ぴあ」派が多かったけど、周囲の映画好きには「CITYROAD」の方が、いいよ!と勧めていた。
まさか、その10年後に、ここで働くとは思ってもいなかった。それまでは、かなりの紆余曲折があった。