銀座の老舗はサポートする、フリーマガジン「銀座百点」。今月は800号の記念号。記念号にふさわしい大物が続々と登場している。巻頭は、これまでこの雑誌に関わってきた山川静夫、嵐山光三郎、中尾彬、山田五郎のトークセッション。大人に愛される銀座の魅力をそれぞれの視点から語っている。
そして、片岡仁左衛門と坂東玉三郎の対談。昭和の時代「孝玉」コンビと称され人気を博したお二人の対談。これまでの歌舞伎について、そして、今の歌舞伎。コロナ下での気持ちについてなどを気心知れた仲ならではの打ち解けた会話が楽しめた。
圧巻だったのは、かつて、この「銀座百点」に掲載され、のちに書籍化された本のリスト。この雑誌で「作家」としてデビューした向田邦子「父に詫び状」をはじめ百点を超える書籍が発行されている。
池波正太郎、上坂冬子など昭和文化史に残る著名な著者ばかり。フリーペーパーでこれほど質の高い文化人を動員できたのも「銀座」というブランドがあってのこと。
半世紀以上前から銀座に通っているが、基本的な街の構造は変わっていない。和光が中心にそびえ。隣は木村屋、そして山野楽器、ミキモト、教文館。向かいは三愛に小さな丸いビル。ライオンの入るビルがあり、三越がある。和光の裏にはシネスイッチ銀座(旧・銀座文化)。伊藤屋、空也、天一、ウエストから不二家まで。子供の頃に通った店は今でも同じ場所にある。
改めて銀座ブランドの底力を感じた「銀座百点」800号記念号。