ディスクユニオンで見つけた世紀の名作「市民ケーン」のDVD。40年ぶりに見直す。 | con-satoのブログ

con-satoのブログ

映画を中心にエンタメ、旅などを紹介しています。

 映画史に関わる名作アンケートで、常にナンバー1に選ばれる「市民ケーン」。1941年天才オーソン・ウェルズの若き傑作。昨年公開され話題になった鬼才デヴィット・フィンチャーの「マンク」。この映画は「市民ケーン」でアカデミー賞を受賞したハーマン・J・マンキーウィッツが「ケーン」の脚本を執筆している時の話だった。

 今年のアカデミー賞の候補にもなった(10部門ノミネートで2部門受賞)作品を観て、この映画の素材になった「市民ケーン」をもう一度観直したいなと思っていた。

 何せ、一度だけしか劇場で観ていない。それは、およそ40年前、学生時代に今はなき東京駅に近くにあった名画座「八重洲シネマ」で観たのだ。その時は「名作」とは知っていたので、気構えて観たけど、正直、素直には「傑作」だなとは思えなかった。

 あるセレブ(メディア王ハーストがモデル)の奇妙な生涯の話。「ローズバッド(バラのつぼみ)」という言葉を残し死んだメディア王。彼は現代のファラオのように暮らし「ザナドウー」と呼ばれた広大な屋敷で死ぬ。

 死亡するシーンから始まり、彼の幼少期からの生涯が描かれる。パン・フォーカス、長回し、ローアングルなど多彩な表現をしたとして後年、その表現方法への評価が高まった。今見ると「華麗な文体」と表現したいような映像の表現。プロから観れば「スゴイ」の一言なのだろう。しかし、素人目には「特別感」までは伝わっても「驚異」とはまでは思えない。

 物語も変わった男の生涯なので一般的に共感できる部分は少ない。なぜ、この映画を当時のメディア王ハーストが敵視したのかも、80年を経った今では理解不能。あのモデルがハーストといわれても別に中傷しているというほどでもない。むしろ、この映画を妨害したという行為の方がハーストへのイメージ悪化につながったのではないかと思える。

 ディスクユニオンで廉価で見つけたので、購入して40年ぶりに観た「市民ケーン」。個人的は名作といわれる要素はわかるけど「駅馬車」や「風と共に去りぬ」「オズの魔法使い」のように素直に「いい映画」だなと思えるものは見出せなかった。自分の映画偏差値が低いからか?