2023年のACCゴールド賞は4作品のみの受賞に! | 続きは、CMのあとすぐ!

続きは、CMのあとすぐ!

インターネットの企業サイトや、動画サイトにあるテレビCM動画を中心にご紹介しながら、CMや動画、CMソングについて、私独自の視点でいろいろと感想を述べているブログです。

この記事は、2023年12月29日に更新の、2023年の優秀作品を発表! 第63回「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」の続きの内容となります。

 

では、ここからは毎年恒例のACCゴールド賞で、見事選ばれた受賞作品を発表していきたいと思います。

 

前回の第62回では、2022年度のACCゴールド賞の受賞作品が5作品のみで、9作品に満たなかったことから、前代未聞であったと表現しました。

 

今年は、1作品少ない4作品の受賞となっていました。

 

でも、数年前よりACCゴールド賞は5作品のみの受賞となったときから、「あ、もしかしたら今後ゴールド賞は厳選された5作品、もしくはそれ以下の発表へとシフトを変えたのかも?」と感じたのでした。

 

したがって、これからはゴールド賞が5作品、あるいは今回のように4作品のみ、もしくはそれ以下の受賞となっても、以前のような前代未聞という表現はしないことにしたいと思います。

 

では、今年のACCゴールド賞を受賞した4作品をご紹介いたします。

 

以下に、広告主と受賞作品に、受賞したCMのタイトル


企業やメーカーのサイト、あるいは終了していても、YouTubeの動画サイトなどで受賞作品のテレビCM動画が公開されていたときは、リンクと合わせてご紹介してまいります。

 

ただし、YouTubeからの動画はいつ終了したり削除されてしまうかわかりませんので、その際はあらかじめご了承くださいね。

 

そして、受賞作によってはCMを振り返ってみたり、私の独断と偏見による感想なり、コメントなりを書かせていただきます。

 

1.CBCテレビ 公共キャンペーン・スポット

 

【受賞作品】

「にわとりとおじさん~ともに最後まで~」篇 210秒

 

ニワトリとともに都会で暮らす50代男性「この子がいたおかげで」【3分半ドキュメンタリー】

 

 

名古屋市内で、左手ににわとりを乗せて歩いていた、1人のおじさん。
 

おじさんの名前は近藤功久さん(58歳)。
 

にわとりの名前はきなこと言うそうです。
 

品種は、一般的な白いにわとりではなく「横斑プリマスロック」と呼ばれているにわとりでした。


ちなみに、プリマスロック(Plymouth Rock)とは、アメリカ原産のニワトリの品種であるということです。


散歩で来た公園で、ひよ子のころから育てていたことがわかるスマホの写真を見せながら、近藤さんいわく

「イメージと違って賢いんですよ。
 しっかり仕込めばね、よくなつきますよ」


とのこと。

プリマスロックは、元は卵肉兼用種でしたが、現在は卵用・肉用の双方に改良されているそうです。

そのため、きなこを連れて家に帰ると、だいたい1日に1個の割合で卵を産むということから、

「卵代だけはかからないですよね」

と近藤さん。

この日の夕食は卵2個を使ったオムレツでした。

そんな近藤さんは、実はがんの再発がないように、定期的に病院に通っていること。

当然きなこは連れていけません。

タクシーの中で近藤さんは、最初はステージ4で見つかって、お医者さんからは3年ぐらいと言われたことがあったと話していました。

スライドの映像では、5年前にステージ4のがん発見。

その後転移も…。

なぜ「きなこ」を飼うことに…?の質問には、

「僕より長生きするようなもの飼っていたら、自分が死んだ後面倒見てくれる人がいないんでね」

と話していた近藤さん。

ちなみに、にわとりの平均寿命は約10年と言われています。

また、病院から家に帰ったときに語った、先ほどのなぜ「きなこ」を飼うように…?のテロップの問いに、近藤さんは次のように答えていました。

「やっぱり、(きなこが)珍しいからって声かけてくれる人もいるし、
 やっぱりね、(涙声で)気持ちがね…紛れるんですよ。
 それまで全然人と関わらないで、ひきこもりみたいな状態だったんですね。
 結局、この子がいたおかげでね」


[黒い背景に白い文字のテロップで]
1年間で殺処分された犬・猫
約1万4000匹(2021年度 環境省データ)


「きちんと、(きなこを)看取ってからですよね、自分の番は」

場所は変わって、桜の咲く公園にて。

 

きれいに咲いていた桜を見ながら、

「今年もきれいですね。
(きなこに話しかけるように)ね。
 来年見れるかな?
(きなこに話しかけるように)ね」


と、きなこに問いかけるように話していた近藤さん。

最後は、

-飼い主の責任とは-

のテロップでENDとなっていました。

 

いわゆるドキュメンタリーCMということで、3分半という長尺となっていました。

 

CMを振り返ったことでもおわかりのように、ガンの闘病を続ける男性が、ペットのニワトリと散歩する姿とインタビューで構成。

ペットの飼い主の責任を考える内容となっていました。

 

2.ACジャパン 2022全国キャンペーンA

 

【受賞作品】

「寛容ラップ」篇 60秒

 

「寛容ラップ」篇 

 

 

とあるコンビニのレジにて。

 

1人のおばあさん(小田原さち)が

「ろっ…びゃくと…」

 

と、財布から小銭を出そうとするものの、かなりもたついている様子。

 

レジに立っていたコンビニの女性店員(蘭)は、早くしなさいよとばかりに、

「635円です」

と、おばあさんをあおるかのように言うのでした。

「さんじゅう…ごえん」

「ごめんなさいね遅くてね…。
 5円がちょっと」


ここでおばあさんの後ろにいた、メガネをかけちょっと強面の男性(呂布カルマ)の「♪コッ コッ」という靴音が。

 

後ろの男性から靴音がしたことで、うまく小銭が出せないことで焦りながら、

「ごめんなさい…」

と謝っていたおばあさん。

すると、男性の靴音が「♪コッコッコッ」と早くなったことで、と思いきや、持っていたソフトクリームをマイク代わりにして、次のようなラップを歌い始めるのでした。

♪Yo!もしかして焦ってんのかおばーさん
 誰も怒ってなんかない
 アンタのペースでいいんだ 何も気にするな
 自分らしく 堂々と生きるんだ


このような男性のラップに、それまで茫然と聞いていたおぱあさんでしたが、急にレジに置いてあったソースらしき容器を手に取ると、マイク代わりに次のように歌い始めました。

♪迷惑かけてしまってしまってるなって
 焦ったらまさかの優しい発言
 アタシも反省 見た目で判断
 もういらないわ色眼鏡なんか


♪みんな違うの当たり前

♪アタシはアタシでアナタはアナタ

♪誰もができる
 
♪みんな持ってる

♪ひとり1人に リスペクト!
 ひとり1人に リスペクト!

♪たたくより たたえあおう
 それが 優しい世界


最後は、

たたくより、
たたえ合おう。

のテロップと、

Na:ACジャパン

のナレーションでEND。

当時は、またそれほど有名ではなかった呂布カルマさんのラップに、レジ前でまごついていたおばーちゃんが、突然テンポよくラップするギャップをいちばん最初に見たときは驚きました。

 

多様性が求められる時代、世代を問わず、自分と異なる立場や考え方に対する不寛容な行動が社会的に問題になっています。

 

ACジャパンによると、この企画の肝は、なんと相手をディスらないラップバトル。

 

MCバトルでも活躍されている強面の人気ラッパー呂布カルマさんが、マイクをアイスに持ち替えてバトルする優しい世界は一見ちょっとシュール、いやクール。

 

攻撃し合うのではなく、相手を尊重し認め合うことの大切さ、そこから生まれる交流を伝える内容となっていました。

 

3.東京ガス 企業

 

【受賞作品】

「母の推し活」篇 90秒

 

「母の推し活」篇 

 

 

あるタクシーの車内でお弁当を食べていた女性運転手(安藤玉恵)。

“恋をした。
 30歳年下の人に”


食べていたおかずを、箸から落としてしまうくらいだったので、よほどハマってしまったようです。

女性運転手がハマったのは、カーナビのテレビで見ていた男性の韓流アイドルでした。

家に帰ると、実は女性運転手は1人娘(伊東蒼)の母親でもあったことが明らかに。

 

台所でガスを付け、料理を作っているときや、娘と食卓を囲んでいるときにも、

「それにね、すごいだけじゃないのよ。
 彼らは、世界をよくしようとしてるの。
 つまり、尊いのよ」


母親が韓流アイドルに興奮したように話すものの、娘は、

「そんなこと言って…」

と呆れ顔。 “言葉はあふれ出し”

娘がお風呂に入っているにもかかわらず、

「ちょっと、これ見てほしいの」

と、お風呂の扉の前でスマホの画面を見せていた母親。

そんな母親に、娘は、

「いい歳して、恥ず…」

娘が呆れるのもおかまいなく、母親が美容室で雑誌を読んでいると、例の恋してしまった韓流アイドルのページが表示されていました。

それを見た、母親を担当していた女性美容師が、

「実は私…ハク推しです

“突然友達が増えた。

  私の中で何かが覚醒した”

おそらくは東京・大久保にあるコリアンタウンの、ピンク色をモチーフにしたカフェで韓国のスイーツを食べたり、タクシーの中でも韓流アイドルの歌を口ずさんだり、

“無彩色の世界が輝き始めた”

このナレーションの後、それまで質素だった母親の部屋が、あっという間に韓流アイドル一色に。

 

そんな韓流アイドル一色の母親の部屋を娘が見て、つぶやくように一言。

「マジか…」

さらに母親は韓国語講座にも通い始めていた。

“ほんの少しの勇気があれば”

テレビで推しの韓流アイドルのミュージックビデオを見ながら歌ったり、運転中のタクシーの中でも「あの…お手伝いしましょうか?」を韓国語で話すことで会話の練習…かと思いきや、乗っていたお客さんが、実は韓国の男性だったのでした。

韓国人男性「エッ…いいんですか?」

運転手「はい、おまかせください」

韓国語を習っていた成果が、日常の会話でも発揮されたようです。

 

タクシー会社で自分の車を磨きつつ、スマホをチェックしていると、どうやらコンサートに当選したらしく、軽くガッツポーズを取ることに。

 

スマホの画面には、

 

ONEUS「Dopamin」

LIVE in Seoul

 

どうやら、韓国のソウルで行なわれるコンサートに当選したようでした。


“一歩踏み出せば、そこに広大な世界が
 推しが私たちをその先へ連れて行ってくれる”


旅行代理店の店頭で、ソウルに関するチラシを手に取り、見ていたことで、想いを馳せていた

ただ、夜のタクシーの車内で、中年の男性客が咳き込んでいたことで、少し心配な表情も。

“でも、楽しすぎた。
 たぶん幸せすぎた”


当選した韓国・ソウルのコンサートに行くために、応援のうちわを作っていた母親。

その様子を見て、娘も、

「なんかもううらやましくなってきた」

と、韓流アイドルの推し活をしている母親に、どこかうらやましげな様子を見せていました。

“幸せすぎて…”

そんな幸せが一転。

 

タクシーの乗車前に受けている検温検査で、ピストルの形をした非接触型体温計を女性運転手のおでこに触れた瞬間、アラームが♪ピーッと鳴ってしまったのでした。

 

どうやら、この前の咳き込む男性客を乗せたことが影響していたようです。

“楽しすぎて”

気が付くと、女性運転手こと母親はパジャマ姿でベッドで寝ていました。

「やっぱりな…。
 もうおしまいだ…」


おでこには冷えピタを貼りながらベッドで寝ていた母親が、何もかもあきらめたようにそうぼやくと、

「何言ってんのよ!
 お母さんの推し活まだ始まったばっかじゃん!」


娘かそう一喝すると、ガスに火を入れ、お母さんのために丸鶏を入れたスープを作っていました。

 

最後は、それをベッドから起きた状態て食べていた母親の姿でENDとなっていました。

 

Naあなたらしい明日を、支えたい。

 東京ガスグループ

「母の推し活」篇は、韓国の5人組男性アイドルグループ「ONEUS(ワンアス)」にはまった、安藤玉恵さん演じる母が、友達が増え、習い事を始め、最初はあきれていた娘も応援する――という内容になっていました。 

 

しかもこの「ONEUS」というアイドルグループは、東京ガスのCMのために結成された架空のグループかと思いきや、実在するグループであったことがわかりました。

 

東京ガスはこのCMについて、「好きなものに熱中することを通じて、生活が充実し、暮らしが豊かになっていく様子を描くことで、一人ひとりを尊重し、『よりそい』『ささえたい』と考える東京ガスグループの姿勢を示しています」とコメントしていました。 

 

4.EMシステムズ 企業

 

【受賞作品】

「エンドロール」篇 30秒

 

「エンドロール」篇

 

 

これまでありそうでなかった、CMがいきなり映画のエンドロール風になるという展開はとても斬新でした。

30秒バージョンでは、骨折していた青年(林遺都)が、橋の上で女性(小槙まこ)と再会を果たし、

「骨折、やっと治ったよ」

「好き」

「僕もさ」

と言って抱き合う2人。

そこから、彼を支えた医療関係者たちからスタッフまでのエンドロールが流れると、

「でも、この人たちのことは誰が支えているんだろう?」

それまで知名度としては無きに等しい企業でしたが、このCMで少し上がったような感じがしました。

 

 

それから、2023年度の「マーケティング・エフェクティブネス部門」の入賞作品が、今年も発表されました。

 

2023年度のマーケティング・エフェクティブネス部門のうち、ACCグランプリ/総務大臣賞は、

 

リゾーツ琉球 The Breakfast Hotel パーパス起点のブランド変革でV字回復〜The Breakfast Hotel〜

 

が受賞となりました!

 

ACCグランプリ/総務大臣賞を含めたマーケティング・エフェクティブネス部門の各受賞作品は、下のリンクをクリックするとご覧になれます。

 

マーケティング・エフェクティブネス部門

 

ほかにも、今回の記事でご紹介の「フィルム部門 Aカテゴリー」の作品の詳細。

 

記事ではご紹介しなかった「フィルム部門 Bカテゴリー」に「ラジオCM部門」などについては、のリンクをクリックすると、2023年受賞作品の右側のメニューからご覧になれます。

 

2023年入賞作品| 63nd ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS

 

 

ということで、以上、第63回「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」の、フィルム部門AカテゴリーのACCグランプリ/総務大臣賞の1作品、ならびにACCゴールド賞受賞の4作品の記事をお送りいたしました。

 

 

今回の記事はいかがでしたか?

 

ブログランキングに参加していますので、もしも読んで面白いな~と思ってくださいましたら、ぜひ下のバナーをクリックして応援してくださいね。

 

テレビ・ラジオ 人気ブログランキング