約5年前より、「ACC CM FESTIVAL」(私のブログては「ACC CMフェスティバル」)から新しい名称となった「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」という毎年恒例のCMイベント。
「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」については、私のブログでも下の日付とリンクで記事にしたことがありました。
2017年12月30日
2017年より「ACC CM FESTIVAL」がさらなる進化を遂げ、新たな形でスタートします!
ACC TOKYO CREATIVITY AWARDSも、2023年で第63回目の開催となりました。
ACCこと「財団法人全日本シーエム放送連盟」は、よりよいCMの提供に寄与し、国民生活の向上と放送文化の健全な発展に資することを目的に、広告主、製作会社、放送会社の4団体によって1961年に発足され、その年に記念すべき第1回の「ACC CMフェスティバル」として開催。
以降毎年1回は、各賞が東京都内のホテルや、ACCのホームページ上でも発表されるほか、今年も中止が決定しましたが、翌年の1月か2月ごろには、日本各地の会館やホールなどで各受賞作が上映されるなど、世界有数のCMコンクールとして、今年で60年の歴史と、広告業界において最も権威のある賞と評価されているのが「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」でもあります。
第63回「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」について、去年に続き審査委員長の細川さんは、以下のようにコメントされていました。
「簡単には答えが出ないことがこの先の世界にはますます増えていくと思いますが、それでも、人間は対話することができる。
これからの時代、広告も一方的な発信ではなく、生活者とクライアントとのコミュニケーションツールになっていく。
だからこそロジックだけでもなく、情熱だけでもなく、倫理や哲学を持ち、それを表明したり、投げかけたりする勇気のある映像が人の心を動かすと今回の審査を通じて感じました。
3年連続グランプリの「進もう、すべてを栄養にして」という今を生きる人へのエールが詰まったフィルムにはそのすべてがあると思いますし、ゴールドをとったにわとりおじさんの投げかけもそうです。
ペットを飼う責任について、決めつけや結論はなく、一人の実在のおじさんの生活を正直に、丁寧に追うことで、見る人にじわじわと考えさせる映像で、議論が盛り上がりました。
Bカテゴリーのグランプリを受賞したモンスターストライクも、携帯ゲームをきっかけに生まれる世代を超えた様々なつながりを描いていますが、今までそういったゲームに持っていた固定概念が壊され、リアルなコミュニケーションツールなんだ、というアップデートがなされたことに評価が集まりました。
さらにはそれらの映像はユーザーの声を元に構成されており、そのこともまた、これからの広告が生活者とのコミュニケーションツールになっていけることを示していると思います」
では、フィルム部門のAカテゴリーとBカテゴリーのうち、私のブログではAカテゴリーをピックアップして、これより発表しながら記事にしていきたいと思います。
◆今年の総務大臣賞/ACCグランプリも大塚製薬のカロリーメイトのCMが受賞!
それでは、早速第63回「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」の「フィルム部門 Aカテゴリー」ということで、見事総務大臣賞/ACCグランプリを受賞した作品の発表へとまいりましょう!
以下に、広告主と受賞作品に、受賞したCMのタイトル。
企業やメーカーのサイト、あるいは終了していても、YouTubeの動画サイトなどで受賞作品のテレビCM動画が公開されていたときは、リンクと合わせてご紹介してまいります。
ただし、YouTubeからの動画はいつ終了したり削除されてしまうかわかりませんので、その際はあらかじめご了承くださいね。
そして、受賞作によってはCMを振り返ってみたり、私の独断と偏見による感想なり、コメントなりを書かせていただきます。
総務大臣賞/ACCグランプリ
大塚製薬 カロリーメイト
【受賞作品】
「狭い広い世界で」篇 120秒
とある自宅の自分の部屋で、机に座りながらスマホをしていた1人の男子高校生こと受験生(山崎聡真 以下、受験生)。
画面上で入力していたのは、おそらく今回受験したであろう大学の合否案内センターのサイト上にある、受験番号を入力するとその場で合否がわかるようになっていました。
受験生の受験番号は「88122」。
おそるおそる「結果を見る」のボタンを押したものの、その場で結果はわからず、CMでは、ここに至るまでのこれまでの思い出の場面が、スマホの画面に見立てることで次々と展開していきます。
スマホのアラームが鳴ったことで、受験生が寝ぼけまなこで起き、アラームを止めようとする面。
桜の咲くバス停らしきところで、「Pursue」の単語と、
1.追求する
2.お財布
3.掴む
4.押す
といった四択式の問題のうち、1.の「追求する」をタップしたことで、見事正解しGoodが表示されていた場面。
予備校らしきところで、英語の問題を解いていた場面。
自宅で、歯を磨きながらも、アプリで棒グラフと円グラフを見ていた場面。
「なかなかなり」という謎のひらがなと、四択式と、部正解だったものの「まあまあ出来た」が表示されると、後ろからメガネをかけた友人(奥智哉)に驚かされた場面。
お風呂で、「PART4 合成関数」という先生のオンライン授業をスマホで見ていて、倍速で飛ばしながら見ていたものの、わからなくなったのか、そのままもぐってしまった場面。
横向きに寝ながらゲームアプリをしていた場面。
机の上で、本を重ねた状態でLINEを見ていましたが、なかやまきんに君「やるのかいやらないのかい」の音声スタンプを見て、思わず笑ってしまった場面。
床屋さんで、髪を切ってもらいながらLINEのメッセージを入力。
公開したメッセージは「気合い入れに来た」の場面。
書店で赤本を手に取っていた場面。
受験勉強に集中するためか、漫画本らしき本を段ボールにしまっていた場面。
カロリーメイトのパウチタイプを飲みながら、英語のオンライン授業を見つつ勉強をしていた場面。
コンビニらしきところで、カロリーメイトのブロックタイプをスマホの決済アプリを使って買っていた場面。
テレビ電話で、友達がカロリーメイトのドリンクタイプをおいしそうに飲んでいたものの、男子高校生はそれを無視して勉強をしていた場面。
外出先で、お母さんからの着信。
でも、いったん立ち止まれども、出る気分にはならなかったのか、拒否のボタンをタップすると再び場を立ち去って行く場面。
実は猫を飼っていたことがわかった、自宅のリビングで、テーブルに座りながら勉強をしていた場面。
自分の部屋で勉強中に眠ってしまったことで、お母さんがそっと毛布をかけていた場面。
バスの中で、Mrs.GREEN APPLEの「君のいえ」の曲を音楽アプリて聴いていた場面。
夕方の外出先のスマホ画面で「努力圏 合格率30%」の表示を見たことで、空を仰ぎながらガックリしてしまった場面。
先生から進路指導のアドバイスを受けていた場面。
春から同じ大学というタイトルと、男子高校生の男子2人と女子高校生3人による遊園地でのショットの場面。
先ほどの「努力圏 合格率30%」がかなり尾を引いていたのか。
LINEには「もう無理だ」というメッセージが表示された場面。
それを見た友人が、メッセージの返信代わりに送られてきたのは、バスケットボールの試合の動画。
その動画では、
「オイ上見ろ上!
下見んな!
あきらめんな!」
と、試合中にチームメイトに激を飛ばしていた受験生の姿が。
そして、
「俺たちならやれんから!」
と、自分が仲間を励ましていた言葉に、心機一転して受験勉強に取り組み始めた場面。
図書館、そして自分の部屋で勉強していた場面。
カロリーメイトのブロックタイプを頬張りながら勉強をがんばっていた場面。
受験当日、出かける前にお母さんが持たせてくれたカロリーメイトのフロックタイプのパッケージ表面には、お母さんによる「大丈夫」とマジックで書かれた場面。
進もう、(ナレーションとテロップ)
出来に自信がないのか、うつむき加減に下を見ながら歩いていると、友達からはLINEで次のようなメッセージが。
「上みろ、上!」
すべてを栄養にして。(ナレーションとテロップ)
受験会場で、「スマートフォンの電源はお切りください」のアナウンスがあったことにより、いったん電源OFFにしていた場面。
このような場面が走馬灯のように思い出された中、ふたたび最初の合否の場面に。
受験番号「88122」の受験生の結果は…。
最後は、スマホの画面が大きな地震が発生したかのように激しく揺れていたことで、合格できた喜びを表現していた場面でENDとなっていました。
バランス栄養食カロリーメイト(ナレーションとテロップ)
見事3年連続でACCグランプリ/総務大臣賞を受賞した、大塚製薬のカロリーメイトのCM「狭い広い世界」篇は、大塚製薬の人のカラダに必要な5大栄養素が手軽にバランスよく補給できる栄養食、カロリーメイト受験生応援シリーズ第9弾としてオンエアされました。
受験期の風物詩として、毎年話題のカロリーメイトの受験生応援CM。
今年は、高校の入学以来3年間“非日常”な学生生活を送ってきた、いまの受験生のリアルな姿を、スマホからの視点で描いていたそうです。
画面の数字や文字が反転していたことから、ディスプレイの裏を通じて受験に至るまでの思い出を表現していた感じでしょうか。
しかも、今回高校生・大学生にアンケートを実施。
その結果、受験勉強の方法が大きく変化していることがわかったそうです。
たとえば、学生の半数以上が受験勉強中も「SNS断ちをしない」と回答したり、合格発表は現地ではなくスマホなどで確認したと答えた人が大多数を占めるなど。
スマホとともに受験勉強する姿がうかがえたということでした。
また、CMソングにはMrs. GREEN APPLEの「僕のこと」を起用し、CMのためにオーケストラアレンジになっていたとのこと。
それに加え、Mrs. GREEN APPLEのメンバー全員がCMに登場するというサプライズ演出も!
これはバンドとして初めての試みで、メンバーそれぞれがCMの世界に溶け込むようにカメオ出演しており、映像からも受験生たちを応援している内容となっていたということでした。
なお、ACCゴールド賞の発表については次の記事でご紹介したいと思います。
ここまての記事はいかがでしたか?