このアルバムは、1966年に、デューク・エリントン楽団の第2回目の日本公演(リーダーのデューク・エリントンは、4度オーケストラを率いて来日している)の直前に録音されている。実際その時の公演では、ほぼアルバムと同じ演奏があったらしい。代表作の再演を行ったこのアルバムの第1曲目は、クーティ・ウィリアムスのトランペット・ソロでお馴染の「A列車で行こう」だ。第2曲目の「アイ・ガット・イット・バッド」では、独特のフレージングと、甘い音色で聞かせるジョニー・ホッジスのアルト・サックスのソロが堪能できる。その他、「パーディド」、「ムード・インディゴ」、「ソリテュード」、「ソフィスティケイテッド・レディー」など、全11曲が収録されている。主だったソロとしては、勿論デューク・エリントンのピアノ、キャット・アンダーソンのトランペット、ローレンス・ブラウンのトロンボーン、ハリー・カーネイのバリトン・サックスなどで、名手の演奏が楽しめる。                                                 

ベートーベンの「九番」は、日本人にとって、クラシック音楽の中でも「別格」になってしまった。人々は、一年に一回は、「九番」を聞かなければならないか、さもなくば演奏しなければならないと思っている。事実地方では、オーケストラはプロであっても、大合唱団は、アマチュアからオーディションをして募集するということが行われている。しかし、この現象は、「第九」をこよなく愛する僕としては、素直に受け入れられるものだ。第一、第二、第三楽章は、それぞれ曲想が異なって十二分に楽しめる。ましてや第四楽章にいたっては、まるで「演奏会形式のオペラ」を観ているようで、ゴージャスでなおかつ神聖な雰囲気が味わえる。僕は、この「ブーム」が起きる以前、毎年大晦日の「紅白歌合戦」の時間帯で放送していた、NHK・FMラジオのN響による「第九」の演奏を聞いていたことをよく思い出す。