この作品の序奏の部分は、独奏ピアノと、オーケストラの掛け合いによる華麗なる共演が聞かれる。そして、ピアノはしばらく休み、堂々たる第一主題が提示される。これが行進曲調に大きく発展してゆくと、曲の様相が変化し、弱音のスタッカートとともに弦が第二主題を奏する。そしてそれは、大変優雅なホルン二重奏に受け継がれる。次に第一主題をもとにして開始される小結尾が終わると、再び独奏ピアノが登場する。なんといっても、第一楽章の冒頭から中間部であるここまでが、この協奏曲では、圧巻である。何度聞いてもわくわくした気分になれる。この作品が作曲された時期について、僕はよく知らないが、作品全体から漂うはつらつさは、どこか「英雄交響曲」に通じるものがあるように思える。                              


今度こそチェコ・フィルが聞けるチャンスだった。おまけに指揮はチョン・ミョンフンで、曲目はドボルザークの「新世界交響曲」だ。これほどの組み合わはまたとない。「新世界」が好きな母と一緒に聞きに行く予定にしていた。しかし重要な仕事が入ってしまい、行けなかった。そこで、音楽の好きな母の友達に、僕のチケットを譲って聞きに行ってもらった。そうしたら、母の友達が、大変演奏に感動してくれたらしい。聞くところによると、自分の娘や友達にわざわざ電話をして、コンサートを聞いた感動を伝えたらしい。そこまで喜んでもらえると、チケットを譲った僕としても自分の事のように嬉しい。最近のチェコ・フィルは、昔ほど元気がないと思っていたのだが、実際、今回のコンサートは、どんなだったんだろうか。                      

最近、テレビのCMを見ていて、トヨタのエスティマのバックに、「ビリー・ジョエル」の「素顔のままで」が流れていることに気が付いた。「ビリー・ジョエル(1949年~)」は、アメリカのロック歌手、ピアニスト、作曲家で、僕が好きな他の曲に、「マイ・ライフ」や「オネスティ」などがある。昔、僕の友人が、「素顔のままで」をテープに録音して聞かせてくれた。いい曲だと思った。好きになった。また、この「素顔のままで」の間奏のアルト・サックスのプレイが本当に素晴らしかった。何年かたって、このアルト・サックスが、「フィル・ウッズ」だということを知った。「フィル・ウッズ(1931年~)」は、アメリカのマンハッタン音楽学校やジュリアード音楽院で学び、卒業後は、「キャノンボール・アダレイ」や「ソニー・スティット」と同様に、「チャーリー・パーカー」の後継者と目されたジャズ・アルト・サックス奏者だ。自身の録音で、4回のグラミー賞を受賞している。僕などは、「クインシー・ジョーンズ」が、アレンジと指揮を担当したアルバム・「スインギング・ザ・ビッグ・バンド」でのプレイなどが思い出される。