ネタ帳
不意に浮かんだ話のネタ帳。
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六神将ガイ没⑥(未完成)

【注】
この話は六神将ガイで、ガイ様がほんのり黒いです。
CPは一応ガイルクですが、あまりガイルクに見えない(…)
ガイは「ホド崩落の真実を自ら突き止めるまで、ルークと共に行く」とヴァンと約束し、和平調停後に寝返ります。



ホドの慰霊碑を訪れるガイ。
誕生日ネタ。
ガイ視点。

未完成です。











ファブレが攻め込んだ日
父上や母上や姉上達が死んだ日
ホド戦争開戦日

血に塗り潰された日


イフリートデーガン・ローレライ・41の日














要らない痛み



















グランコクマは遠く、傍に街や港さえ存在しない、海沿いに続く断崖の端。
16年前までは、晴れた日はここから遥か遠く、霞のようにホドの大地が見えたのだと言う。

同じように晴れた日は、海の傍に建てられたガルディオス家の屋敷の窓から、このマルクトの大地が見えた。

おそらくそんな理由からだろう。
この場所に、ホドの慰霊碑が建てられたのは。

長い時を経てもなお、美しさを失う事の無い真白い石碑が、まるで墓石のように立ち尽くす。
背には混じり合う空と海の青。
刻まれた文字は、戦争で犠牲になった死者を悼み、消えた大地を嘆くもの。

自分達のその手で、戦争を進める為に、ホドを消し去った奴らが作った墓標。

矛盾、している。

そう思いながらも、手にしていた白い花束をその前に投げ捨てた。
姉上が好きだった、マルクトでも一部の地域にしか咲かないのだという花。
趣味で庭の手入れをしていたペールギュントが、姉上の為にと、花壇一面にせっせとその花を咲かせていたのを覚えている。
綺麗で、綺麗で、人生で幸せだった時と言えるのは、あの頃ぐらいのものだろう。

ホド戦争開戦日だというのに、周囲に人の姿は無い。
まるでこの日、この場所さえ忘れ去られてしまったかのように。
実際はグランコクマで行われている慰霊祭に行っているのだろうが、それでも酷く静かだ。

「―――…父上、母上」

石碑の前に膝をつく。
ゆっくりと頭を垂れ、失った敬愛する両親の顔を思い描いた。

反戦派だった父。
戦争で勝つ為に敵国に嫁いだ母。

二人とも優しかった。
優し過ぎた。
国を信じ、最期はその国に裏切られてしまったのだから。

「姉上、」

誰よりも毅然とした姉。
自分の為に命を散らしたあの体の冷たさは、一生忘れないだろう。

亡くなったのは家族だけでない。
多くの使用人も。
慕っていたヴァンの父、可愛がってくれたペールの妻、世話をしてくれたメイド達、気さくに接してくれた騎士達。

誰もが、あの日に。
屋敷は燃え、大地は血に染まり、叫び声と恐怖に満ちて、俺の傍にあった全てが失われた。

「―――もう少しだ」







……ここにルークが現れて、ガイに宝刀ガルディオスを返してくれる予定でした。

六神将ガイ没⑤(未完成)

【注】
この話は六神将ガイで、ガイ様がほんのり黒いです。
CPは一応ガイルクですが、あまりガイルクに見えない(…)
ガイは「ホド崩落の真実を自ら突き止めるまで、ルークと共に行く」とヴァンと約束し、和平調停後に寝返ります。



最終決戦、エルドラントにて。
ルークとヴァンの対決。
ルーク視点。

未完成です。














この戦いが最期でも

俺の生まれた意味が、



そこに在るのなら。














存在意味を、何に見る




















栄光の大地エルドラント。

かつてのホドのレプリカ。
ティアと、ヴァン師匠と、―――ガイの故郷。

沈み行く太陽に照らされた空は、淡い色に染まっている。
青く、流れる雲は白く、当たり前のように見てきた、当たり前の空。
この先に待つ戦いも、行方の分からない結末も、何もかも関係無いようにただ広がる。

小高い丘の上から見渡す街並みは整然として、素直に綺麗だと思った。
青い空に映える白壁。
バチカルのような圧迫する重々しさは無く、どちらかというとグランコクマの華やかさに近い。
本来はもっと、人々が行き交い、活気のある街だったのだろう。

この大地でガイは、ヴァン師匠と一緒に育った。
そして父上が総てを奪った。

唇を噛み締める。
青い空の色が、いつも間近にあったガイの瞳の色のようで、ふいに泣きそうになった。


ガイは、姿を現さない。


エルドラントに入って随分時間が過ぎたが、まだ一度も。
師匠の側に付き、どこかで俺に剣を向けると思っていたが、シンクの話だと既に師匠の元も去っているようだった。
何処で何をしているのか、六神将にも分からないらしい。

だけどここまで来て、あっさりと手を引く筈が無い。

この大地に、必ず居る。
何故だかそう言い切れた。


「……行こう」


街並みに背を向けた。
同じように歩き出す仲間の足音を後ろに聴きながら、一段一段、確かめるように階段を昇っていく。

足を前に出す度、自分の中に広がる、不安に似た言い知れない感情。
ヴァン師匠と戦う事を畏れているのだろうか、俺は。
だが恐怖と言うには、不思議と気持ちは落ち着いている。

大丈夫。
俺には皆が居る、アッシュだって後から必ず来る筈だ。

今は、一人じゃ無い。


視界が開けた。
もう一度広がった空を背景に、そこに立ち尽くす相手を、俺はよく知っている。

誰よりも尊敬し―――もしかしたら今でも尊敬しているかもしれない、誰よりも強く憧れていた人。


「……ヴァン師匠」


師匠が振り返る。
真っ直ぐ俺に向けられた目は、もう屋敷で見ていた、穏やかな色を無くしている。
冷たい、射抜くような眼差し。

互いの間に流れる沈黙が重くて、静かで、息さえも詰まりそうだ。
隣に居るティアの肩が震えているのが、視界の端に見える。
アニスやナタリア、ジェイドの様子は分からないけれど、緊張感だけはひしひしと背中に伝わってきた。

「―――レプリカルークか」

低い声。

「そうか……おまえはオリジナルを越えたのだな。
見事だ」

「……俺は、アッシュを越えようなんて思ってない」

僅かに唇の端をつり上げていた師匠の表情が、一瞬歪むのが見えた。

「俺が"俺"としてこの世界に生まれた瞬間から、俺はもうアッシュとは違う人間だ。
俺は誰かを、アッシュを越えようなんて思ってない。

俺が越えなくてはならないのは、ただ一人、"俺"自身だけだ!」

言い終えた瞬間、ぞくり、と、言い知れない悪寒が背中を走った。

ジェイドが何かを叫ぼうとするより先に、俺は皆と離れた場所で、真っ白い床に叩き付けられていた。
背骨がギシギシと悲鳴を上げる。
遠くでティアが、悲鳴みたいに俺の名前を呼んでる。

師匠が剣を抜いている事に気付いて、ようやくその剣圧に吹き飛ばされたのと理解した。

「レプリカが…下らん自我など、持たねば良かったものを」

圧倒的な力の差を、全身を押し潰されそうな雰囲気が突き付ける。
確かめるように地に足をつけながら立ち上がると、腰に下げた剣を抜いた。


勝てるかなんて、分からない。


それでも勝たなきゃならない。


「……愚かだな、ルーク」

師匠の足が、床を蹴る。
突然振り下ろされた刃を正面で受け止めるが、力業で敵う筈が無い。
俺が両手でどうにか耐えているのに対し、向こうは片手。

「私に勝てるとでも?」

表情はもう、余裕さえ見える薄い笑みに戻っていた。
煌々と輝く、ガイと同じ色の筈の目は、油断すれば飲まれてしまいそうになる。

奥歯を噛み締め、必死に耐えようとするが、少しずつ後ろへと押されていく。

ヤバい―――、

そう思った瞬間、俺の脇をナタリアの放った矢がすり抜けて行った。

確実に自身の額を狙った攻撃をかわし、師匠が距離を取る。

「貴方の相手が、ルーク一人だと思わないでいただきたいですわ!」

更に放たれた矢は、容易く剣で叩き落とされた。

師匠は面倒だと言いたげに目を細めると、ゆっくりと左手を上げた。
ゆらり、とその体が揺らいだかと思った瞬間、ナタリアの居た場所に赤い譜陣が浮かび上がる。

「目障りだ」

譜術、と理解した瞬間にはその場所から激しい炎の柱が舞い上がっていた。

側に居たジェイドとアニスが、素早く左右に飛び退く。
慌てて周囲を見回すと、僅かに柱から離れた所で、ティアが覆い被さるようにナタリアをかばっていた。
ギリギリのところで、譜陣を抜けられたのだろう。

「外れたか…メシュティアリカも馬鹿な真似を」

「アブソリュート!!」

視界の逸れた相手の隙を突き、ジェイドの詠唱が響く。

周囲を取り巻くように強大な白銀の刃が現れるが、師匠はそれを力任せに切り裂いた。
本来出来る筈の無い、譜陣そのものを破壊するという行為さえも、ローレライを取り込んだ今では容易いのだろう。
冷気の渦が、空中から砕かれた氷の粒となって落ちる。

「まだまだ!空破特攻弾!!」

体勢を整える前に、アニスが全身で突っ込んできた。
それさえ予測していたのか、師匠はトクナガの手を掴むと、あっさりと投げ捨てた。
まるで演舞のような、無駄の無い流れるような動きに息を飲む。

「アニス!」

ナタリアの叫びに、トクナガの後ろに居たアニスの事を思い出した。
慌てて床に転がるトクナガに目を向けるが、アニスの姿は無い。

「探しているのは、これか?」

師匠が腕を突き出す。
その手には片腕を捕まれ、空中に吊し上げられた状態のアニス。
特攻の衝撃なのか、幾つか傷を追い、焦点の歪んだ目が俺を見る。

「馬鹿な娘だ」

投げ出されたアニスが宙を舞う。
大地を蹴り、その体を抱き止めると、後ろまで来ていたジェイドに預けた。

「―――…許さねぇ…!」

剣を握り直す。
何も考えずにただ、師匠に向かって刃を振るった。

ティアを蔑むような言葉が気に触ったのか、ナタリアに容赦なく手出しされた事が許せなかったのか、アニスに対する冷えた目が怖かったのか。

突き上げる苛立ちのまま、ただ必死で剣を振った。
師匠はまるで子どもをあやすように、全てを流し、かわしていく。

「戦いで冷静さを失うなと、何度も教えた筈だが?」

かわせない。

再び床に叩き付けられる。
受け身を取ったものの、左肩をもろに打ち付け、手にしていた剣が離れた場所へ転がった。
脇腹に、引き裂くような痛みと共に赤い血が滲む。

「さらばだ、愚かなレプリカ」

立って、剣を拾わなければ。
早くと焦る気持ちと裏腹に、痛み体が上がらず、足が動かない。
腕を剣に向けて伸ばす。



早く、




早く。





「栄光の大地に眠れ」



師匠が剣を振り上げる。
ジェイドの詠唱が聞こえるけど、間に合わない。

すぐ側に迫り来る死に、反射的に目を閉じた。










ポタリ、











頬に、生暖かいものが落ちる。

来ると思った最期の瞬間は、いつまで経っても訪れない。
師匠が息を詰める音がする。

何かがおかしい。

そっと目を開けてみると、飛び込んできたのはやはり師匠の姿。
しかしその表情は歪み、唇の端には赤い血が線を引いている。

腹部を貫く、透ける青い刃。

「何故、……貴方が……」

「すまない、ヴァンデスデルカ」

聴き慣れた声がした。
師匠の後ろに立つのは、漆黒の服に、月の光のような金の髪。

その手には、血に濡れた剣。

「ガイ、ラルディア…ァッ!!」

刃が抜かれる。
そこからまた血が溢れ、真白の床を赤い海に染めた。
師匠が膝をつくと、ぴしゃりと赤が跳ねる。

「―――もう、終わろう。
愚かなのは預言でも、それに支配された人々でも無い。
憎しむ事しか出来ず、過去に囚われ続けた俺達だ」


六神将ガイ没④

【注】
この話は六神将ガイで、ガイ様がほんのり黒いです。
CPは一応ガイルクですが、あまりガイルクに見えない(…)
ガイは「ホド崩落の真実を自ら突き止めるまで、ルークと共に行く」とヴァンと約束し、和平調停後に寝返ります。



最終決戦、エルドラントにて。
ルークに破れた後のアッシュと、現れたガイ。
アッシュ視点。











次は、

次は、あるのだろうか。














其は怯え、確信



















目の前に積み重なった、銀の鎧に身を包んだ神託の盾の兵士共。
白い滑らかな床に血の海を作り、歪な形に腕や足を曲がらせる。

少し前まで、人だった、塊。

無数の死体と、狭い空間に充満した錆の臭い。
常人なら狂ってしまうかもしれないほど、大勢の死に満たされた部屋。

それに嫌悪した様子も無く、ガイは淡々とした表情で周囲を見回した。

「どうやらもう、兵が来る様子は無さそうだな」

剣を振り、血を払う。
それを鞘に収める様を、俺は窺うように、微動だにしないまま見つめていた。

正確には、動けなかった。

ガイは悠々と動いているが、その全てに隙が無い。
油断すれば斬られる―――本能がまるでシグナルを鳴らすように、そう告げる。

なによりも突然に俺を助けるという、不可解な行動の真意を謀り切れない。
ガイは確かにヴァンの側に付き、レプリカを裏切った筈だ。
それが何故今更こちら、しかも俺に加勢するような事をするのか。
その裏に何かある気がして、剣を握る掌に力を込めた。

「そんなに警戒しなくても、別に何もしないさ」

安心しろ、と笑う顔は、いつもレプリカに見せていた、人の良いもの。
しかし足は、鬱陶しそうに、まるで道端の石でも退けるように兵士の体を蹴りあげる。

「それより、」

ガイが一歩踏み出した。
目の前に光が瞬くように、本能が危険を叫び、反射的に距離を取ろうと剣をかざした。
しかし先程の戦闘で傷を負った体は重く、牽制よりも先に、ガイの指が俺の脇腹に触れる。

指先が、傷口を掴む。

えぐるように、確実に傷の中心に割り込む異物。
一瞬の激痛に短く呻くような声を上げ、ズクズクと引きずる痛みに呼吸がひきつる。
乱暴に腕を振り払うと、また先程と同じ距離を取った。

「助けて貰った礼は?」

「誰も助けてくれなんて、頼んでねェよ!!」

もしも俺が来なかったら、死んでいた癖に。

そう呟き、ガイが笑う。

腹の傷は余計に開いたようで、押さえた手のグローブに、血が染み込んでくる。
薄れていた痛みまで蘇ってきて、奥歯を噛み締めて誤魔化そうとした。

「人の傷えぐっておいて、助けただと!?ふざけるな!!」

確かにガイが来なければ、俺は死んでいただろう。
横から来た神託の盾兵に剣を弾かれ、反対から来た相手に気付かなかった。
ガイがあそこで踏み込んでいなければ、傷程度では済まなかった。

だがそれでも、助けられた事が無性に癪に触る。
この戦いで死ぬ事に、覚悟が無かった訳でも無い。

「別に俺だって、助けたかった訳じゃないさ。
ただ勝手に死なれるのが、気に食わないだけでね」

ガイの手が俺の剣を指し、構えたままのそれを、下ろせと仕草で示す。
大人しくそれに従ってみせるが、張ったままの警戒心までは解かない。
それを見て笑うガイの顔は、年齢よりもずっと、幼い子供のように見えた。

その様子を目の前に、些細な疑問が浮かぶ。

「……おまえは、ヴァンの側の人間じゃなかったのか?」

笑い声が止まった。

目が細められ、じっと、刺すように俺を睨みつける。
それは屋敷に居た頃、遠くから向けられていた視線に似ている。
憎しみと嫌悪、行き場の無い憤りの入り混じった淀んだ目。
鋭さだけが、かつてとは比にならないほど鋭い。

「ヴァンは関係無い」

淡々とした声。

「もう、どうでもいい」

投げ遣り、とも言えるような言い方だった。

短い金の髪を、乾いた血のこびりついたグローブ越しに撫で、青い目をレプリカの消えた扉へと向ける。
無意識に、爪を立てて拳を握り締める左手が、目に入った。

「どうでもいいんだ」

翻る黒衣の裾。

兵共が先ほど入り込んできていた隙間に向かって歩き出す背が、何故だか遠く見えた。

儚い、というより、一瞬で掻き消えてしまいそうな遠さ。
目を逸らした瞬間には、もう目の前には居なくなっているかのような。

妙な胸騒ぎに駆け出すと、考えるより先にその腕を掴んでいた。
怪訝そうに振り返るガイの目は、変わらず全てを拒絶する冷たさに満ちている。

「離せ」

振りほどかれた手が、行き場を無くして宙を彷徨う。
遠ざかる背に、言い知れぬ不安だけが募っていった。


もう、二度と会えない―――。


立ち止まったまま動かない俺を、ガイが億劫そうに振り返る。
顎でついてくるよう促され、ようやく重い足を引きずるように進めた。

反応を変えたシグナル、自分の中に響く警報は止まない。
この先に行く事に、どうしようもなく不安を感じて。



後に俺は、その不安が当たっていた事を知る。



-END-




………………………



後半グダグダですいません。
時間掛ったのに生かしきれない…
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