ネタ帳 -3ページ目

ジェイド没文

白い雪に覆われた世界と、落ちた赤のコントラスト。

淀んだ雲に覆われた白い空と、雪に埋め尽された白い大地。
決して美しいとは言えない白に染められた視界に、その色は酷く鮮やかで、印象的だった。
点々と足取りを浮かび上がらせ、白に深く染み込む、汚れた赤。

目の前に倒れた、獣の死体。
毛皮を、肉を、その体を裂かれ、虚ろな目で倒れている。
大方、大型の魔物に襲われ、重症の状態でここまで逃げてきたのだろう。
既に息絶えているのか、動く気配は無い。

投げ出された足、閉じない口からはみ出した舌、濁った眼球がこちらを見る。
決して美しいとは言えないその死体から、何故か目が離せなかった。

溢れ、流れ落ちた血が、白い世界に赤い染みを作る。
対照的なコントラスト。
舞う粉雪が少しずつ、少しずつ、それを覆い隠す。
全てが埋め尽されればまた、それは無かった事となり、世界の色は白に戻る。

獣は、死んだ。
それは心臓の停止であり、思考の停止であり、存在の消滅を指す。

死とは自然の事象だ。
生を歩む万物に等しく降り注ぐ、絶対的な結末。
それは獣だけでなく、いつか確かに自分にも受け入れるべき時が来る定め。
心臓や脳の機能低下による生存活動の停止、もしくは音素乖離による消滅。
安楽か、苦痛か、どちらを伴おうとも行き着く先は変わらない。

いつか死ぬ事を、この世界から存在が消える事を、人は知っている筈だ。
それに抗うのは敵わない。
それを分かっていながら何故、その時になって、人は死を畏れ悲しむのか。


「―――理解出来ない」


白い雪が獣を覆う。
それほど長い時間、こうして死を考えるのは、何年ぶりの事だろう。

いつか誰もが目の前から消えるのだと、理解しておけば良い。
いつかこの世界から、自分の存在は無かった物になるのだと。
何故、人は分かっていながらその心構えが出来ないのか、浅はかな見下す言葉と共に自問した。

そうして幼い自分は、いや、今の自分も、死を理解出来なかった。

何を悲しむのか。
何を畏れるのか。
人間の心理という机上では理解をしていても、その本質の感情が分からない。

今では、前とは多少なりとも、考え方は違う。
だがそれは、本当に本心なのか。
ただ、分かっている振りをしているだけではないのだろうか。

世間の倫理に従い、嘘を浮かべ、自分の疑問さえ下らないと投げ捨てて。

本当は、まだあの頃と変わらないままなのでは。


私は。



「旦那」






ケテルブルクに居るらしい。
ジェイド過去ネタ用→ジェイガイと内容を変えようとして諦めたので、最後にガイがおまけみたいに出現^^
続き考えてたら、途中でジェイルクみたいになっちゃった…!

ガイ受没文

ガイ女体化です。

総受け裏で、相手はジェイド・ピオニー・ルークになる予定でした。

ガイ視点











子供の好き嫌いの矯正に、大人が手を貸すのは当たり前の事でしょう?
そうだぞ、ガイラルディア。ルークの為に、おまえも協力してやれ。

胡散臭い、まさにそんな一言が似合う爽やかさで、にっこりと満面の笑みを浮かべた男が目の前に二人。
一人は国が誇る偉大なる皇帝で、もう一人はその皇帝の懐刀として畏れられる存在。

一般人なら一生有り得ない状況だろうが、全くもって嬉しくない。
俺は壁に張り付いたまま、ただ首を横に振るしかなかった。

むしろ協力するとかしない以前、これ以上近付かないで欲しい。
既に情けなく肩は震えているし、自分でも分かるくらい涙目だ。
二人とも俺の男性恐怖症を理解した上で、ギリギリ我慢出来るか出来ないかの距離で迫ってくるものだから、堪ったもんじゃない。

しかしこんな状況から逃れたいが為に、縦に頷こうものなら、ますます何をされるか分かったものじゃない。
いや、実際もうされた後だが。
事後承諾とはタチが悪過ぎる。

そして相変わらず清々しいくらいの笑みを見せるジェイドの口から出た、俺のご主人様の名前。
というか、このおっさん二人の後ろに本人が居る。
笑みを浮かべ、眩しいほど期待に満ちた眼差しが痛い。
助けてくれるどころか、ルークは完璧にあちら側らしい。

俺は相変わらず、追い詰められた皇帝自室の壁に爪を立てながら、目の前の相手を睨むしかなかった。
既に人払いもされ、鍵までかけられた部屋から、逃げ出す術は無い。
情けないかな、俺も女には違いない訳で、男三人がかりで実力行使されたら、それで終わりだ。

誰か助けてくれ。
ティアでもナタリアでも、この際アニスだろうがアッシュだろうが……ヴァンでも良い。
とにかくこの場所から、一刻も早く逃げ出したい。

笑顔に混ざる、じっとりとした視線に悪感が走る。
無意識に見られている先、自分の胸の上に左手を置いた。
普段は決して豊満とは言い難いそれは、今日はいつも以上の弾力を持って、手を受け止める。
心なしか、ではなく、本当にいつもより胸が大きい。
と言っても、元々胸が無い俺だから、これでようやく人並みサイズ、といったくらいだが。

それもこれも全部、このご主人様と駄目皇帝と、それに乗ってしまった鬼蓄眼鏡のせいだ。

「くっ、来るな!」

もう泣きたい。

ジェイドの手に腕を捕まれ、そのまま引っ張られたかと思うと、互いの位置を入れ換えられた。
ジェイドが壁にもたれ、背後からしっかりと俺の体を押さえる。
どう見ても細いくせに、どっからこんな力が出るんだ、このおっさん。

っていうか、そんなべったりと触らないでくれ。
振りほどこうにも、体が萎縮して力が入らない。

「まあまあ。これもルークの為だぞ、ガイラルディア」

嘘吐け、明らかに自分達も楽しんでるだろうが。
そう叫びたかったが、震えた体からは更に情けない細い悲鳴が洩れるだけだった。





この後、色々ある筈でしたが書ききれず放置。
なんで好き嫌いの矯正でガイが捕まってるのかとかは、あえて突っ込まないで下さい^^
ルークの嫌いなものはミルクですよ奥さん(何)

没文

ルーク誘拐後
ガイ視点




晴天の霹靂。
まさにそんな表現が相応しい。

公爵家の廊下に広がる、おびただしい血。
随分と時間が経っているのか、それは黒く変色していたが、周囲を包む錆びた鉄の匂いは変わらない。

その中に転がる白光騎士の死体。
一人や二人じゃない。
夜警に当たっていた者のほぼ全員が、廊下や玄関、ホールなどで斬り捨てられ絶命していた。
逃げるように這いずった跡、戦う為に抜かれたのであろう剣。
しかし誰もが、屋敷どころか自らの命を守る事さえ出来なかった。

窓から差し込むのは、普段と変わりない眩しいほどの朝日。
だが今、自分が目にしている世界の全ては、何もかもが昨日と違っている。

死体と血の跡の連なる先、部屋で眠っていた筈の公爵の一人息子は、その夜に姿を消した。














タイトル



















ファブレ公爵家の一人息子、王族の証である赤い髪と緑の目をした子供、ルーク・フォン・ファブレ。
慌ただしい屋敷の様子に目を覚まし、自室を出た時にはもう、彼の姿はどこにも無かった。
誰も気づかれず、夜の内に。

誘拐されたのか。
生きているのか。
もしくはもう、殺されたか。

残されたのは白光騎士の遺体と、街の外れに倒れていたマルクト兵の遺体。
マルクト兵は服こそ一般人を装っていたが、持ち物からそう判断された。
その兵士が携えていたのは、白光騎士団にしか配給されない剣。
実際、白光騎士の一人の剣が行方知れずになっていたらしい。
他にも理由はあったかもしれないが、彼がルーク誘拐犯の一員である事に間違いはないようだった。

ルークはマルクトに誘拐された、と、その線が濃厚になる。

静まりかえった屋敷。
シュザンヌ様は倒れられ、公爵は登城したまま戻られない。
ナタリア様も一度訪れられたが、泣きじゃくるばかりで、メイドに連れられて帰っていった。

いつもと変わらない筈の日常が、一気に暗転する。
今日は家庭教師が来て、ルークに苦手な教科をみっちり叩き込んでいく筈だった。
昨日ルークはあの先生が少し苦手だと漏らしていて、じゃあ終わったらご褒美に一緒に剣の稽古をしようと約束をした。
ダアトへ帰国したヴァン謡将も来月には帰られるから、腕を上げて誉めてもらおう、と。

約束も意味が無かった、と冷めていく頭の片隅で考える。
いや、冷めているのか、熱しているのかさえ分からない。
突然、何かが抜け落ちてしまったような気分だ。

俺が居なければ何も出来ない、俺が殺す筈の子供は、何処へ行った。

これが絶望なのだろうか。
屋敷を行き交う騎士や貴族共を見ながら、そう思った。



そうして何一つ足取りは掴めないまま、一ヶ月が過ぎた頃。
ルークをコーラル城の中で発見したと、ヴァンから連絡があった。





ルークが帰ってきた時に何故か安心してしまった自分の中の感情の変化に途惑う14歳ガイを書きたかった(長)
途中からもっと別の状況から書けば良かったと気付き、そのまま放置。