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海 0508

ゴールデンウィーク最終日の日曜日。

1日くらいはどこかに出かけようと思い立ち、
兼ねてから計画していた、ヨットの体験講習を受けに葉山(神奈川県)に行ってきました。

体験セーリング

僕は体験したのは、モーターやオールなどの動力は使わず、
セール(帆)に風を受け、自然の力を利用して進むタイプのヨット。

舵の確度を変えることで進行方向を、
帆に入る風の確度を調整することでスピードをコントロールすることが出来る。
風の力だけで進んでいるにも関わらず、想像以上に速く、そして自由に進むことに驚いた。

これはまたやってみたい。
でも次はウィンドサーフィンかな。


<森戸海岸の風景>

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天気にも恵まれて、日光と潮風が気持ちいい一日でした。

ゴールデンウィーク(映画の話)

特定の産業の活性化を狙って、意図的に日常的な習慣が創り出されるケースがあります。

例えば、土用の丑の日にはウナギを食べるイベントや、
2月14日にはチョコレートを贈るイベントもそうです。

同様に「ゴールデンウィーク」という言葉は、
「映画業界」の活性化を狙って創られた宣伝用語だと聴いたことがあります。

というわけで、今年のゴールデンウィークは映画をいくつか観ました。


(1)『英国王のスピーチ』トム・フーパー監督 (2010/英=豪)




今年のアカデミー賞で4部門で受賞し、話題になった作品。
吉祥寺で観ました。

吃音症(言葉が円滑に話せない病気)に悩む、イギリス国王ジョージ6世が、
異端な言語矯正師との出会いによって、自身のコンプレックスを乗り越えていくという、
実話を元に作られた映画。

派手さはないものの、丁寧に創り込まれた素晴らしい作品です。

王族としてのプライドと、コンプレックスによる劣等感を抱えた王の葛藤。
その王を支える、矯正師や家族の思い遣り。
王族を主人公に沿えていながらも、節々にあふれる人間味がとても良かった。


(2)『ショーシャンクの空に』 フランク・ダラボン監督(1994/米)




多くの人が「1番好きな映画」にその名を挙げる名作。

僕が観るのは二回目ですが、
やはりすばらしい映画です。

この映画を体現した言葉としてよく引用される主人公アンディの台詞。

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Hope is a good thing, maybe the best of things,
and no good thing ever dies.
(希望はすばらしい。何にも替え難い。希望は永遠の命だ)
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言葉自体もいいですが、訳もいいですね。

「希望」というと少し重たい概念になるけれど、
「前向きな気持ち」ってすると、より身近なものになる。

きっと「前向きな気持ち」が、人生をより良くしていくためのガソリンなんだなぁ。


(3)『シベールの日曜日』 ロマン・ピヌス監督(1962/仏)




大学時代に先輩から薦められて以来、ずっと観たかった作品。
残念ながら、当時はDVD化されておらず、観る術がなかったのですが、
午前十時の映画祭にピックアップされていたので、早起きをして六本木で観てきました。
*チケット購入後、昨年ついにDVDが発売されていたことを知りました。


戦争で記憶を失いトラウマを抱えた青年ピエールと、
父親に捨てられ寄宿学校で生活する少女との交流を描いた作品。

互いが持つ、孤独と純粋さに共鳴して惹かれあう、二人の交流の美しさ。
そして、モノクロの良さを最大限生かした映像美によって表現された、
詩のような世界観が最高にいい。

一生記憶に残る素晴らしい映画でした。

エイプリル

先週金曜日は、後輩の歓送会だった。
彼女は、最もお世話になったスタッフの1人。元々同じ部署で働いていたこともあって、
勤務地が変わるだけとはいえ、寂しさはひとしおだった。


4月、出会いと別れが交差するこの季節を、毎年ぼくは心待ちにしている。

3月11日。僕ら日本人の中に、圧倒的な喪失感を植えつけたあの日からまだ日も浅く、
前向きな言葉が、その力を維持しづらい状況は続いているけれど、
それでも、新しい可能性に期待せずにはいられない何かが、この季節にはある。


毎年この時期になると、思い出す詩がある。
于武陵の「勧酒」を井伏鱒二が訳した、あの有名な詩。


 この杯を受けてくれ 
 どうぞなみなみ注がしておくれ 
 花に嵐のたとえもあるぞ 
 さよならだけが人生だ
 于武陵 『歓酒』(井伏鱒二訳)


大学生の時、この詩に出会ったときは、末文の印象から、
「別れ」の意味が強調され、ペシミスチック(厭世的)な印象を抱いていた。

でも最近、その真意が理解できたような気がしている。

別れはいつか必ず訪れる。
いまの出会い、いま過ごしている時間には限りがある。
だからこそ、新しい出会いと、いまの時間を心から大切にしよう。
干武陵が、井伏鱒二が、言葉に込めたのはきっと、そんな人生賛歌だ。


「切ない(切なし)」という言葉の語源をたどっていくと、
元々は「大切に思う」という意味も含まれていたらしい。

 
『切ない』語源・・・
切ない(せつなし)は、元々「大切に思う」といったポジティブな意味も表し、
広い意味で「切実な 気持ち」をさす言葉として使われていたが、
時代とともにネガティブな意味で使われるようになった。
(語源由来辞典)


時間や、人間関係、そして人生のような、限りあるものに対し、
「寂しさ(negative)」と「大切さ(positive)」の両面をみる感性は、
この言葉が生まれた遥か昔から、日本人の深い部分に根付いているんだな。


エイプリル。新しくて、切なくて、大切な、何かが始まる季節。