最近、アジアの大国のコメントで法の尊厳が尊重される必要があるという主張がなされました。その主張について考えてみたいと思います。



 そのコメントの元になった出来事は、当該国の人権思想家の人のノーベル平和賞の受賞です。当該国では、法の侵犯者として刑罰を受けている人が、いわば犯罪者がそのような栄誉ある賞を受賞するというのは確かに、奇異な、納得できざる問題ある事件であります。


 しかしながら、そのコメントはあくまでも政権当局が発した政治的な発言であって、信憑性なり、真理性なりからすると、全く疑わざるを得ない独善的で、まさに専制的な主張であるということは、民主的な思考に馴染んだ我々からすれば、明々白々な事柄です。


 とはいえ、その主張自体、法が尊厳を持つべきものであるという主張自体は、それだけを取り出さば極めて正当な論理であるということになります。それだけに、政権当局は、正々堂々とその主張を言明するわけであります。


 では、なぜ正論たるその法は尊厳を持つべきであるという主張が問題にならざるを得ないのでしょうか。


 それは、法の尊厳の下に何を抑圧しようとしているのかという問題であります。法よりも先に、尊厳をすべきものがあるだろうという当然の発想がでてこざるを得ないことは、これまた明々白々であります。何のための法であるのか、ということを当局者に質問をしてみたくなるのは、私だけでありましょうか。


 言うまでもなく、人間のための法であって、法のための人間ではありません。まず第一に尊厳すべきものは、法ではなく、人間ではないのでしょうか。論理は、これに尽きるのではないかというのが、私の見解であります。



 法の尊厳か、人間の尊厳か、比較にならない議論ではないでしょうか。


 

 前回とは、随分間が空いてしまい、もう9月に入って暫く経ってしまってますが、この記事を書き終えたいと思います。



 翌日早々に朝食をすませた後、2日目はまずは昨日行きそびれた「城崎文芸館」へ。8時半くらいにホテルを出て、喫茶店で美味しいコーヒーを飲んだ後の、一番乗りの入館でしたので、僕たちだけの貸切状態。関東大震災の後、文人たちが関西に移り住んだ関係で、志賀直哉なども何度か城崎に足を運んだとのこと。彼の出身地ではないので、展示は質量ともにそれほど充実しているというわけではありませんでしたが、城崎ゆかりの多くの著名人たちが紹介されていました。


 それ程広くない展示室をざっと見て廻って、城崎を後にしました。城崎から北東方向へ、峰山などを通り抜けて丹後半島をぐるっとひと回り。お昼頃に、二つ目の目的地の天の橋立に到着しました。


 この日はからっと晴れて暑い日差しの日でした。天へ続く橋に喩えられた細く長い松林の砂浜への入り口の、その海岸を臨む食堂でお昼を済ませ、眺望の良い展望台でその美しい眺めを楽しんだ次第です。


 そんなに遅くない時間に当地を後にして帰路につきましたが、行きとは逆向きに京都縦貫道を通って京都市内の五条坂に着いたときは、平日の夕方で渋滞に巻き込まれたこともあり、この時期でももうすっかり日が暮れて真暗になってしまっていました。


 途中、今回よりはっきりと明らかになったH君の方向音痴ないし土地勘の悪さ、というより運転勘の悪さの関係で、今回もまた道を間違えたりしながら、色んな話題をひとしきり議論もしながらの楽しいドライブ旅行でありました。



 毎回ながら、彼に負んぶに抱っこの旅行で今回も彼に感謝に耐えない次第であります。〈終わり〉



 昼過ぎに城崎に着いたときは、まだ雨が降り止みませんでしたが、柳並木の情緒のある町並みを通り抜けて、まずはロープウェイで山上から街を眺望することにしました。



 雨が降るなか、傘なしで山裾の駐車場から強行突破。さすがに雨の中、ロープゥエイに乗るのは僕たちだけで、360度ガラス張りのゴンドラは雨が降っていて暑さが凌げてラッキーなくらいでした。


 小高い展望台からは、今さっき通り抜けてきた温泉街とその向うの円山川、さらに向かって左側には入り江と見られる広い河口が垣間見える眺望です。見るものは済ませたとばかり、折返しの下りの便で早々に下山して、一目散に「東山荘」という京都にちなんだ名のホテルへ。今回は、有名な温泉町ということで、民宿のような割安の宿はなかったそうで、例年になくホテルの一室での宿泊になりました。


 部屋に着いたのは、まだ4時前くらいだったと思いますが、あたふたと浴衣に着替え、汗を流しに外湯の一つ、一番有名な「一の湯」へ向かいました。何でも、江戸時代の温泉学者の人が日本で一番の温泉だと認めたということから付けられた名前らしく、他に6つくらいある外湯の中でもさすがに堂々とした構えの建物です。


 ホテルで貰った入湯券を渡して、広い上がり口から浴場へ。タオル類と着替えの下着を持ってきただけの簡単な身支度で、まだ日の高いうちからの気軽な入浴です。浴室の中は、さすがにゆったりとした湯舟で、毎年この旅行の時期にしか温泉などには入らない僕にとっては、年に一度の貴重な行事といった感じです。


 いつもながら、遅れて入った僕は、広さと近眼のせいでH君を見つけられず暫く洗い場を行ったり来たり繰り返す始末。湯舟でゆっくり話す間もなく、彼は洗い場へ、いつもながらの烏の行水でした。一人でマイペースで身体を洗った後、随分お待たせで浴室から上った次第です。


 最初は、2軒くらいは外湯を廻ろうかと話していましたが、こんな二人のこと、もう十分ということで、居酒屋を探してお待ち兼ねの生ビールでいざ乾杯です。湯上りの、しかも旅先でゆったり気分のビールは、やはり格別です。


 ということで、宿で料理をつまみながら改めて乾杯した後も、またショットバーで飲み直して、土産を買って帰って、今年の休暇旅行一日目の終了であります。



 とてもゆったり、のんびりできた一日でありました。(続く)