スカ醤本舗@横須賀 | 酒と散歩の日々                                               

 今日は長めになる予感。といってもほとんどが思い出話。本題はそれほどないような・・・

 

 昨日から引き続きのラーメンの話。昨日書いた「替玉食堂」は、3月の訪問だったけど、これから書く「スカ醤本舗(スカジャンホンポと読むらしい)」はGW 5月に入ってのやや撮って出し。

 

 この「スカ醤油本舗」は、この地で独自のラーメン文化をおこしたある人物の新店舗。その人物の名は、樋田幸二さんという。

もう20年以上も前になるだろうか。この新店舗とほぼ同じ場所に「一喜」というラーメン屋を起業された。

 その場所は、横須賀の森崎(住所は公郷だと思っていた)になる。すぐそばを平作川が流れている。

 樋田さんのプロデュースするラーメンを始めて喰ったのは、安浦にできた「喜八」。普通のラーメンも美味かったし、中華チーノというペペロンチーノみたいな変わり種も美味かった。調べてみると、この「喜八」の開店が2000年。

 そして、その2年後、佐原に「塩や」がオープンする。ここのメニューは、その名の通り基本塩ラーメン(確か醤油も券売機にその文字があった気がする)。卓上に色々な塩が置かれていて、自分流にアレンジできるというコンセプト。ここも美味かった。

 2007年(だったと思う)、「喜八」があったあたりに「イツワ製麺所」がオープン。初めて行ったときは、車でその前を3回くらい往復してようやく店を発見した。まさに隠れ家的なラーメン屋。その風貌はすごかった。中に入ると(開店当時戸はあったかな)、下は土。カウンターはひさしの下だったけど、テーブルは屋根なし。南国リゾートみたいな感じ。雨の日はどうやってラーメンを喰うんだよって感じだった。ちょっとエキゾチックな感じのスープ、当時はまだ珍しかった自家製の麺の量が同じ料金で300gまで(だったような)増やせるシステム。そういえば、麺も細麺と太麺から選べたような・・・そうだ、餃子も美味かった。

 瞬く間に人気となり、入り口に戸が付き、屋根がいつの間にかでき、その頃にはもう開店時間から行列が絶えない店となった。

数年後には、東神奈川店も誕生(こっちも行ったことがある)。

 さらに数年後、今度は葉山に「一酵や」がオープン。ここでは樋田さんの姿を見かけなかった(厨房にいたのかなぁ)。「イツワ製麺所」もあまりの人気ぶりにあまり足を運ばなくなっていた・・・そんな時、西横浜にも「一酵や」があることを知ったが、あんまり土地勘はない。と思ったら、仕事で行く機会があり・・・その厨房にいた樋田さんの姿を久しぶりに見かけたのだった。

 

 と、ここからが「スカ醤本舗」の訪問記。あるブログで西横浜の「一酵や」が閉店予定であり、樋田さんが再び横須賀に戻って「スカ醤本舗」を始めるという情報を知ったのが、今年に入ってから。「イツワ製麺所」のあった場所がその予定の地でありながら、何らかの事情で開店がとん挫しているという続報も知った。

 が、GW前半の休みの折、今度は別のブログで「スカ醤本舗」が結局予定の元「イツワ製麺所」のあった平作川沿いのあの場所にオープンしたことを知った。

 これは行かずばなるまい。

 

 

 平作川である。多分、横須賀市で一番大きな川。河口は久里浜港にある。

 

 

 「イツワ製麺所」がオープンした頃は、看板らしきもの(すごく小さいのがあった)もなくてね。先に書いたとおり、店を探したもんだったが、こんだけでっかく書いてあれば迷うことはない。

 さて、開店と同時に入店。口開けだったのですんなりと注文、および着席。

注文したのは、つけ麺オリジナル+麺増盛とスカ醤(旨辛たれ:どうやらこれが新店の新機軸らしい)、あとミニ豚バラ丼、そしてビール。「イツワ製麺所」にあった麺の量増やせるシステムはなくなったみたいね、と大盛りにしちゃったのだ。

 併せて、よく商業施設のフォードコートにあるような呼び出しベルみたいなのを渡された。出来上がったものを、自分で取りに行くシステムなのね(が、結局鳴ることはなく、お店の方が運んでくださった)。

 

 

 ちゃんと建物の中。って書けるのは、最初の「イツワ製麺所」を知っている人だけどよね。このあと、どんどん客がやってきて、待つ人の行列が・・・

 

 

 まず、ビールが出てきた。銀河高原ビール。ヴァイツェン(小麦)ビール。「一酵や」でもサービスで出されたにら醤油のかかった豆腐が供された。このニラが大好き。嬉しいな。再会できて。

 

 

 カウンター席(2席しかない)に座ったので、厨房の中がよく見える。樋田さんが、行き来しながら調理をしている。前は、この仕切りのところから、出来上がったラーメンなんかが渡されたんだよね。この辺りは、当時のまま使っているのかな。

 

 

 最初にミニ豚バラ丼が出てきて、かなり普通サイズじゃんと思ったところへ、つけ麺の汁がきた。でもって、つけ麺本体がきてびっくり。なんじゃ、この量は・・・どうやらデフォですでに大盛りであったようだ。

 

 

 すごい量だぞ。多分400g以上あると思われる。付け合わせは、茹でたもやしとキクラゲ。上の写真の葉っぱ型のおてしょ皿に盛られているのがスカ醤。お店の方が、辛いから少しずつ入れてくださいねとおっしゃってた。

 まずは何もつけずに、麺を一啜り。相変わらず、小麦ってうまいなぁと思わせる麺。今度はつけだれにつけて一啜り。「イツワ製麺所」「一酵や」と同系統、醤油がベースだけどオリエンタルというかエスニックというかオリジナルな味と香りの系統。これが魔味なんだな。はまる。もやしやチャーシューをつけだれに沈め、麺の合間にいただく。

 

 

 豚バラ丼も忘れずに。甘めのたれに絡めて焼いたバラ肉が美味い。ビールによく合う。岩中豚を使ったラーメンがあるから、これもそうかな。

 麺を1/3ほど喰ったところでつけだれにスカ醤を半分投入。辛いというかしびれ系。山椒が効いている。つけだれがビシッと締まった感じ。こっちがいいな。さらに同じくらい麺を喰いすすめたところで、残りも投入。ぴりっぴりの辛麺となった。これも悪くない、いやすごくいい。今書きながら思ったのだ、少し、豚バラ丼にもかけてみればよかった。

 

 やっぱり、樋田さんのラーメン(つけ麺だけど)は独創的で美味い。自分が本来好きな端麗系ではないけれども、トータルなバランスがよくって何度でも喰いたくなる美味さだ。次きたときはどうしよう。塩ラーメンか、塩つけ麺か・・・いやいや準備中と書いてあったきのこラーメン(「一酵や」には、きのこつけ麺やレモンつけ麺もあった)や和出汁ラーメンも気になる。

 さて、次はいつ行こう。ただし、大盛り(麺増盛)はやめておこう・・・

 

 

 実はね、この「スカ醤本舗」のあるすぐ近くに美容院があった。なんとなくの記憶だけども、樋田さんはその店の店主だった気がする。当時、その店で若かりし私は髪を切ってもらっていたのだ。特に指名をすることもなく、空いた人にお願いしていたのだが、それでも数回樋田さんが私の髪をカットしている?(気がする)