「日本のロボット群像」展 横須賀美術館 | 酒と散歩の日々                                               

 横須賀美術館は、観音崎の海辺に建つ瀟洒な美術館である。常設展の他に週刊新潮の拍子で有名な谷内六郎さんの展示がベースであるが、時として非常にユニークな企画展を開いている。

 昨年は「スカジャン展(PRIDE OF YOKOSUKA」だったかな、以前は「ウルトラマン創世記展」等もあったな。

 

 この2月から始まった「日本の巨大ロボット群像 GIANT ROBOTS」は、実写やアニメのロボットを取り上げた企画展。

 還暦をチョイ過ぎた我々の世代は、記憶が定まる頃に「鉄人28号」あたりが始まり(「鉄腕アトム」や「エイトマン」も同じ頃だよね)、ロボットではないけれども「ウルトラマン」や「仮面ライダー」等の特撮ものとともに育ってきた。

 この世代が成長するのに合わせるかのように、こういう特撮ものも子ども向けというよりちゃんと我々の世代にマッチするような内容のものが出現していった。

 「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」、そしてなんといっても「超時空要塞マクロス」。大人になって、子どもができてそっち向けの戦隊もの等もみるにはみたけど、「新世紀エヴァンゲリオン」あたりなんかは(正確にはロボットじゃないと突っ込まれそうだけど)リアルタイムでみていることになる。

 あー、筆がとまんねぇ。

 

 美術館の「日本のロボット群像」展のHPをみて、特別企画として「宮武一貴」さんと「石渡マコト」さんの特別対談が実施されることを知った。事前申し込みの抽選制。

 ロボットに対しての思い入れは、特にリアル系のロボットにある。特に宮武さんが所属する「スタジオぬえ」描くところのメカニクルたちは昔から大ファンであった。特に「マクロス」に脇役のように登場したデストロイド群は好み。ある意味主役機である「ヴァルキリー」よりも好み。

 プラモデルも多分全機種作っている。

 

 

 特にこのディフェンダー(写真はこっち)とファランクスは好み。二足歩行の戦車というデザインは、宮武さんを知るきっかけともなった。ヴァルキリーも、戦闘機型からガウォーク、人型へと変形するのだが、その意味も設定されていたし、どう変形した時にもきちんと推力線が計算された仕様。

 もう書いててたまらん。筆がとまんねぇ。

 

 その宮武さんが横須賀出身ということはそのHPで知った。もちろん申し込む。

しかし、落選。かなりの高倍率だったらしい。が、そこのもう1本のメールがきた。希望者多数のために、対談をもう一部実施するという。もちろん申し込んで、今度はなんと当選。

 実施をされた一昨日の23日、横須賀美術館まで嬉々として出かけた。というわけで撮って出し。

 

 本題までが長くなったが・・・

 

 一昨日はかなりの悪天候だった。対談の前に企画展を見学しておこうと、開場に間に合うバスに乗る。

 

 

 美術館に到着したのは、バスの関係で開場の15分以上前だったが、もうかなり人が並んでいる。大盛況だ。その行列に並んだのだが、ともかく寒い。この日の横須賀の最高気温5℃。ある意味、この冬一番の冷え込みだ。

 10時開場。チケットを購入して、展示室へ。40を越える巨大ロボットが登場する作品が展示されているという。ほとんどの展示が撮影可能。

 その最初の展示は、やはり「鉄人28号」だ。

 

 

 正太郎少年がリモコンで操る28号。主題歌の歌詞の最後になんと提供の「グリコ」が連呼されるという・・・未だに全部歌えるぜ。

 

 

 この作品は知らなかった。「機甲天使ガブリエル」。もうね、この線画をみただけでもう「スタジオぬえ」とわかる。宮武さんと加藤直之さんのデザインだ。この実際にこの通りに組み立てられそうな造型がたまらん。

 

 

 この企画展のために宮武さんが描いた大きな絵。キャンバスが3枚連ねてある。つれあいは、この「ライディーン」の大ファン(つれあいの推しはロボットの方じゃない?ストーリィや登場人物の方?)。あ、ライディーンは、一番右側のロボットね。

 

 

 これなんかも、いかにも「スタジオぬえ」だよなぁ。

 

 そして、10時半 特別対談の会場への入場。

 

 

 宮武さんのことばかり書いてきたが、石渡マコトさんは「機動戦士ガンダムU.C.0096 ラスト・サン」等のデザイン、3DCGでやはりリアルなマシンのデザインを手掛けている。

 対談というより、司会進行の方によるそれぞれへの質問という感じで、内容は進行した。

 メカニカルデサインを志すきっかけはの問いに、宮武さんは子供のころから、親の仕事の関係で出入りをしていた海自の艦船に触れたことや記念艦みかさ(横須賀の港に保存されている)で遊んだことなどをあげていた。石渡さんも横須賀の出身(そのためにこのお二方なのだ)で記念艦みかさで遊んだことには触れていた。

 やっぱり「スタジオぬえ」設立などの話などは面白かった。そのメンバーには、「ダーティペア」や「クラッシャージョウ」等の小説でやはり大好きな高千穂遥さんもいらっしゃる。

 宮武さんが最終的にメカニカルデザイナーになるきっかけとなったのは(それまでは植物学を先行しようとしていたらしい)、映画「2001年 宇宙の旅」に出会ったこと。その中に登場する「ディスカバー」号のデザインにはまったことをあげていた。

 なんと映画を見て描いたという「初めてのメカニカルな」ディスカバリーの絵の写真が会場に置かれていて、対談後は撮影OK。SNSにあげちゃいけないと言われなかったからあげちゃうよ。

 

 

 もう今の宮武さんのデザインに通ずるものがある。

 また、この対談の中で、先ほどの巨大な絵(ライディーンなどの)を描く際に、タマムシなどの羽にみられる構造色(見る角度によって異なる色に光ってみえる)の塗料を用いたという話があった。

 

 そこで、改めて特別対談後に展示室に戻り、その部分を見直してみた。

ライディーンの顔の前にを飛ぶマジンガーZのロケットパンチ。噴射されている部分。確かに、みる角度を変えていくと、光ってみえる。

 

 

 写真じゃ、分かりづらいなぁ。今思えば、動画で撮ってみればよかったんだ。

 

 もちろん展示の中には、もう私が知らない最近の造型もたくさんあった。そうだよなぁ、「マクロス」なんかもう40年前の作品だもの。たくさん続編も作られているが、私にとっての「マクロス」はやはりミンメイちゃんと輝とロイ・フォッカーとクローディアと未沙さんと・・・ヴァルキリーとデストロイドとゼントラーディー軍と・・・あぁ、筆がとまんねぇ。