第二海堡見学ツアー その2 | 酒と散歩の日々                                               

 昨日から書き始めた「第二海堡見学ツアー」。東京湾に作られた人工の島「第二海堡」。この海堡の堡というのは、塞というような意味、英語だと「FORT」という字があてられる。

 東京湾の最奥にある帝都東京を防衛する目的で、砲台を築くためにこの海堡は造られたのだ。事実、バルチック艦隊は、東京湾に侵入して東京を攻撃する計画ももっていたという。しかしながら、観音崎、猿島、海堡等の防衛ライン(千葉側の事情はよく知らない)をみて、断念したという話もあるらしい。

 

 

 2005年以来、一般人の上陸は禁止をされていた。浸食と建造物の老朽化によるもの。この第二海堡は、国によって管理をされている。これを観光資源化するために横須賀市が計画を立てた。数年前から、この第二海堡のまわりをクルーズする企画があったのだが、いよいよ上陸しての探索と見学を実現する段階となって、横須賀市民限定のいわばモニター的な上陸ツアーが実施され、それに当たった(参加者は抽選で選ばれた)。

 

 

 さて、海保の一端は丸い形状をしている。その中心部にあるのがこの構造。すでに残骸となっているが、ここはキャノン砲の砲台があった場所だそうだ。キャノン砲はその射程が水平で、敵艦の側面を撃つための砲。第二次大戦の終戦後に、このような砲台はすべて破壊をされた。

 

 

 その近くまで行って・・・レンガの破片。サクラの刻印が捺されているのがわかる。以前は、このようなものを持ち出す不埒な輩もいたらしい(オークションに出品されたり)。そこで今回のツアーでは、海保からの持ち出しはしない等の誓約書を書いて参加をしている。

 

 

 灯台が立っているのも実は砲台の跡。戦後に書かれたのかな、台座の部分には「No.2」の文字。もちろん、第二海堡の第二のことだろう。

 

 

 こちらは、高射砲の跡。唯一この高射砲のみが、この第二海堡で実践に使用されたという。空襲のために飛来する米軍機にむけて撃ったのだろう。

 

 

 最も高台にある観測台。クルーズで海からみたらもっと大きい感じがしてたんだけどね。人の背丈+αくらいの高さ。

 

 

 外側はコンクリートで固められているが、内側はレンガ。

それにしてもむごいほどの雨。カメラのレンズについた水滴が取りきれない。

 

 

 海堡で使われる電機は、このように設置された太陽電池のパネルで賄われているらしい。このパネルの間に先ほどの高射砲の跡があった。

 

 

 この第二海堡からほんの100mほどで、浦賀水道。東京湾の船の通り道だ。大きなの、小さなの貨物船やタンカーがひっきりなしに通る。船見の場所としても最高だと思うな。

 次はね、晴れた時に来たいものだ。本当に寒かったんだよ。