第二海堡見学ツアー その1 | 酒と散歩の日々                                               

 撮って出しだ。一昨日の土曜日のこと。

横須賀市民限定の「第二海堡見学ツアー」に参加をした。

 

 

 第二海堡は、東京湾にある人工の島。第三海堡まであったが、第三は撤去されている。そもそもが明治時代、帝都東京を護るために東京湾に侵入する敵に対しての砲台建設のために海堡が計画された。

なぜならば、当時の砲の射程距離は3km。しかしながら、浦賀水道(房総半島と三浦半島の最短の部分でも7kmある。そこで、砲の届かない場所をなくすために、湾の中央部に砲台をすえるための人工島を建造したわけだ。

 2005年までは、割と自由に第二海堡へ立ち入れたらしいのだが、施設の老朽化や浸食がすすんでいることに伴って危険性があがったということでそれ以降、一般人の立ち入りは禁止されている。灯台が設置されているのと、海上災害防止センターの消防演習場として利用され、関係者の上陸は認められていた。

 

 数年前から、「横須賀カレーフェス」の日にこの台に海堡のまわりをぐるりと船上から見学するクルーズが実施されていたが、その際の要望などが取り入れられたためか、観光資源としてこの海堡を活用しようと、上陸ツアーが企画され始めた。

 昨年数回のテストツアーが実施され、いよいよ本格的な上陸見学ツアー実施を前に、一昨日23日に横須賀市民限定で募集がかけられ、最初の本格的な上陸ツアーが組まれた。

 これに応募したところ、運よく当選。ツアーに参加することとなった。

 

 ただ、問題は天候。本来は、海堡の周囲の風速が強い時はツアーを中止にする意向であるらしい。しかし、この日は風もそれなりに強く、また雪混じりの雨が降るというツアー実施には最悪の条件。が、(おそらく協議されたうえで)実施された。

 

 身分証明書を示し、また「海堡」上での行動について誓約書を提出して、チケットを受け取る。ツアーの代金は3000円。

 上の写真の右側に写っている「フレンドシップ1」に乗船した。

 

 

 かなりの波が高い中、出港。約30分をかけて、第二海堡に到着した。その船内で知ったこと、長く「海堡」は「かいほ」と読むのだと思っていたのだが、「かいほう」が正しいこと。

 

 

 「フレンドシップ1」は、海堡の北側桟橋につけた。ここから海堡に渡り、解説者に率いられて説明を受けながら、海保の要所を見学していく形だった。

 

 この桟橋からすぐのところ。

 

 

 海堡が造られた頃からの倉庫。レンガで作られているが、当時としては貴重だったコンクリートが屋根の部分に使われ、さらにアスファルトも防水のために使用されているとのこと。奥にみえるのは、海上災害防止センターの施設。こちらは、一般人立ち入り禁止。海堡内を見学して回った感じだと、このセンターで約半分くらいの部分を利用している感じだった。

 

 

 海保の北側に広がる掩蔽壕。これもレンガで造られている。イギリス積みという手法で組まれているのだそうだ。レンガは、「焼き過ぎレンガ」という普通のレンガより高温で焼かれた固いレンガ。普通のレンガよりも吸水性が低く。摩滅や衝撃に強い。

 

 

 拡大部がこちら。庭園の花壇のふちどりなどで使われているレンガとは明らかに色が違うことがわかると思う。この鉄も当時輸入された貴重なものだったらしい。

   しかし、ともかく雨の中の見学、寒かった。風も海上であるために非常に強い。

 

 

 掩蔽壕の内部は、地下に様々な施設があったらしい。その入り口は半ば埋まっている。内部の調査も実はまだ実施されていないそうだ。

 

 砲台などの様子がまた明日書いていきたいと思う。

                                               ~続く~